※この作品はR-18です。

いがみ合っていた二人の巫女がエロ双六を通じて強制的に仲良くさせられる話   作:ハヤ0313

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いちゃいちゃ

 

 

 

『いちゃいちゃセックスしよう!』

 

 

 

「由乃っ!」

「ごめんなさい⁉」

 

 出目は三だった。低めであった。そしてコレであった。

 

「なん、なんてもん引き当ててんのっ!」

「いや、これはちょっと!私も悪いと思っていますが!」

 

 バシバシと由乃の腕が叩かれる。が、由乃は甘んじて受け入れた。

 

「いくらなんでもコレは無いでしょ⁉」

「無いですよねっ! すみません! 本当にすみませんっ!」

「反省してんのっ⁉」

「絶望してるんですよっ!」

 

 だが逆ギレした。幾らなんでもコレは無い。

 なにせいちゃいちゃである。セックスである。いちゃいちゃセックスなのである。不倶戴天の敵同士である境と由乃が、いちゃいちゃしながらセックスしなければならないのである。

 

「どうしろって言うんですか!」

「知らないわよ!」

 

 無論どうすれば良いのかなんて二人は重々承知している。

 

「何がいちゃいちゃよ!」

「何がセックスですか!」

 

 ついに儀式に対してキレ始めた。いや、ようやくと言うべきか。

 

「ハグだのキスだのクリトリスだの!」

「そもそも最初からおかしかったんですよ!」

 

 二人の悪態は止まらない。

 

「だいたいこんなので本当に土地の浄化なんて出来るの⁉」

「出来るわけないじゃないですか! ただのエロですよ⁉」

「こんなエロ儀式誰が考えたのよ!」

「こんな大層な術式使ってやる事がエロだけとか!」

「なんなのよ!」

「なんなんですか!」

 

『それ以上文句言ったらペナルティ』

 

「ぐぬっ」

「んぐっ」

 

 二人の悪態は止まった。

 

「……え、何これ、えぇぇ」

「……どこまで高性能なんですかこの術式」

 

 使用者の発言に対して臨機応変に反応するなど、普通の術式では有り得ない。有り得ないがエロを求めまくる時点で規格外過ぎるため、二人は疑問を抱く事を不承不承ながらも諦めた。

 

「……で? いちゃいちゃセックスですって?」

「……らしいですよ?」

 

 という訳で議題が元に戻る。

 

「……由乃とぉ?」

「……境さんと?」

 

 

 

「無いわ」

「無いですね」

 

 

 

「……って言ってる場合じゃないのか」

「……そうなんですよね」

 

 儀式にはそれが必要な事なのである。

 

「で、セックスは一旦置いといてさ」

「いちゃいちゃ、ですよね」

 

 そう、課題はいちゃいちゃセックスなのである。

 だがいちゃいちゃとはどのようなものを指すのかイマイチ分かっていなかった。

 

「……抱きしめ合いながら、とか」

「……それは、マズくないですか?」

 

 肌と肌がぴったり重なり合うあの感触は、色々とマズかった。

 

「……キスしながら、とかでしょうか」

「……いやもっとマズいでしょそれ」

 

 唇と唇が触れ合い絡み合うあの感触は、色々とマズかった。

 

「……じゃあどうしろって言うのよ」

「……どうしましょうねぇ……」

 

 手詰まりであった。

 いや、今言った通りの事をすればいちゃいちゃに該当するという事は二人とも重々承知していた。していたのだが、それはマズいのだと脳内の警鐘が鳴り止まなかった。

 

「……由乃。なんかこう、憧れてたいちゃいちゃシチュエーションとか無いわけ?」

「なんて事聞くんですか……」

 

 手詰まりであるから、ヒントを探ろうと境は由乃に問いかける。

 

「まぁ良いですけど。こう、お部屋で……」

「自分の?」

「いえ、彼氏の家で……」

「い、いるの?」

「いませんけどねっ!」

 

 憧れているシチュエーション、というだけで由乃にはそういった特定の人物は存在しなかった。

 

「……それで?」

「お互いに背を預け合って、本とか読んでるんですよ」

「ほほう、それで?」

「……なんかこれ普通のガールズトークみたいで嫌なんですけど」

「いやいちゃいちゃのヒント探してるだけでしょうが」

 

 紛れもなくガールズトークである。

 

「……まぁ、そうですね。それで、二人とも丁度読み終わるんですよ」

「ふんふん」

「パタン、と本を閉じて、余韻を楽しんだあと、こう、ふと、静かだなって、なるじゃないですか」

「あたしは本あんまり読まないから分からないけど、それで?」

 

 一応補足しておくが、境は全く読まない訳ではない。呪い(まじない)に関する書籍等は勉強のためちゃんと読んでいる。これでも真面目な呪術士なのだ。

 

「……それで、背中同士だったのが、ゆっくり振り返って」

「……ふむ」

「本は手に持ったままなんですけど、顔同士が近付いていって」

「……ごくり」

「ゆっくり、優しくキスをして……って感じですかね⁉」

 

 己の憧れを曝け出して、恥ずかしさを誤魔化すように言い切った由乃。なおその顔は真っ赤であった。

 

「……なるほど、参考にならないわね」

「でしょうね、この状況では」

 

 本も無ければ、背中を預け合う間柄でもないからである。

 

「では今度は境さんの憧れシチュを」

「う、いざやるとなると小っ恥ずかしいわね」

「さぁ」

「うぅぅ……よしっ」

 

 始まる前から恥ずかしがる境であったが、吹っ切るように気合を入れ、話し始めた。

 

「あたしはね、ドライブに連れてってほしいのよ」

「ドライブ?」

「そ、ドライブ。車でちょっとした遠出してさ、色んなとこ見て回るの」

「ほう」

 

 インドアな自分とは正反対のシチュエーションに、少し興味を抱く由乃。

 

「それでそのまま夜になって……夜景の綺麗なところに連れてってもらうの」

「夜景、なるほど」

「……なんかこれホントにガールズトークみたいで嫌ね」

「いちゃいちゃヒントのためです」

 

 紛れもなくガールズトークである。

 

「……で、まぁ、夜の街を見下ろしてさ」

「はい」

「綺麗だね、凄いね、ってはしゃいでたらさ」

「……はい」

「唐突に、好きだよ、って」

「…………」

「それで、強く引き寄せられて、抱きしめられて」

「……ごくり」

「そのまま、唇を奪われて……て感じかしら⁉」

 

 己の憧れを曝け出して、恥ずかしさを誤魔化すように言い切った由乃。なおその顔は真っ赤であった。

 

「……なるほど」

「ふ、ふん! 参考にならないわよね!」

「いえ、アリかもしれません」

「はぁ?」

 

 思案げな表情をしていた由乃がポツリと呟いた。

 夜景どころかドライブなんて出来る筈もないこの状況下で、何が参考になるのか、と境は首を傾げる。

 

「好き、という点です」

「いや、き、嫌いだけど」

 

 何故か言い淀む境。由乃はそれに気付かないフリをした。

 

「まぁそれは私もです。ですが、表面上だけでも好きと伝え合うのはどうでしょうか」

「……なるほど。いちゃいちゃしてるように見えるわね」

 

 言わずとも互いに通じ合っていてほしいと望む由乃では至らなかった発想。言葉にして伝え合うという行為は、正にそうであると二人は思った。

 

「では好き好き言い合う感じで」

「……それもそれで嫌だけど、まぁ比較的マシよね」

 

 抱き合う事に比べれば、キスし合う事に比べて好きと言い合うだけなどなんと楽な事かと、いちゃいちゃの方針が定まった。

 だが、それだけでは終われない。

 

「……で、セックス」

「……ですね」

 

 セックスとは。

 いやそれが何かなど言うまでも無い事であるというのは二人とも分かっている。

 

「女同士のセックスってどうやんの?」

「知りませんよ……」

 

 が、そこが分からなかった。

 ハグしたりキスしたり、おっぱいやクリトリスを触り合った仲ではあるものの、セックスとなるとどういうものなのかは分からなかったのである。もうそれはセックスだとツッコむ人間はここには居なかった。

 

「男女だったらさ、アレを、ココに挿れるわけでしょ?」

「アレ?」

「アレよアレ、お、おち……分かるでしょ!」

「おちんちんですか?」

「何で由乃そんなにサクっと言えるわけ……」

 

 由乃の方がこの状況に適応したからである。嘘である。こんな状況で色々麻痺しているからである。

 

「まぁ……それで、さ。無いじゃん。あたしら」

「無いですねぇ」

「……どうすんの?」

「……どう、しましょう、マジで」

 

 再度手詰まった。

 一応代替案は二人の脳内にあった。即ち指の挿入。ぬるぬるになってまだ乾ききっていない秘唇に、指を、挿入し合う。そういう発想はあった。

 あったのだが、口に出したくなかった。

 何故なら二人とも処女であるし、互いの日課である自慰において中に指を挿し込む事は未経験であった。

 それ故に、指如きで処女が失われるとは思っていないのだが、何か、こう、嫌であったのだ。

 だから口にしなかった。口にしたが最後、じゃあそれで、なんて事になってしまったらもう逃げられないからである。

 

「…………」

「…………」

 

 だから、静寂が訪れてしまった。

 二人の脳は今までにないほど回転している。回転してはいるのだが、なかなか良い方法が思いつかない。クリトリスを愛撫し合う程度で良いのに、それに気付かず考えを廻らせ続ける。

 

「……あ」

「ん?何か思いついたの?」

 

 そんな折、由乃が何かを思いついたような声をあげる。

 

「……いえ、あの、何でもないです」

「な、何よ。とりあえず言ってみなさいよ」

 

 すわ指の挿入か、と身構える境であったが、他に何も思いつく事が出来ずにいたため、とりあえず先を促す。

 

「セックスってこう、腰を、パンパンと、するじゃないですか」

「そ、そうね……う、うん。そうね」

 

 仮想女性の腰を掴み、ヘコヘコと腰を揺らす由乃の姿に思うところはあれど、無理矢理黙殺して拝聴する事にした境。

 

「おまんこにおちんちんをパコパコするわけですが」

「由乃のその淫語を躊躇なく言うのマジなんなの?」

 

 静聴できずツッコんでしまった。

 

「……いやもう、どうでもいいかなって」

「……まぁ、分かるけどさぁ。で?」

 

 だが共感できたため先を促した。

 

「つまり、おまんことおまんこをパコパコすれば良いのでは?」

「……いや、どうやんのよソレ」

「先程のように足を交差させて、こう、パンパンと」

「……いやどう考えても痛いでしょソレ」

 

 境の脳内ではおまんこ同士を力強く叩きつけ合うイメージが出来上がっていた。

 

「……ですよね」

「流石にそれはね。パンパンじゃなくてさ、ちょんちょんって感じ、な、ら……」

「…………!」

 

 閃いてしまった。

 

「それよ!」

「それですね!」

 

 そういう事になった。

 

 

 

 

 

「…………」

「…………」

 

 が、もう何度目か分からないが二人は日和っていた。

 足を交差し合い、おまんことおまんこを突き合わせ、硬直していた。

 

「……ちょっと、近付いてきなさいよ」

「……そっちこそ、前に突き出してくださいよ」

 

 二人の距離はクリトリスを弄り合っていた時と同等、拳三つ分ほど離れていた。

 お互い、少し口を開けた秘唇から愛液が伝った跡が目に見えるほどの距離。しかしそれ以上詰める事が出来ない。

 

「何? ビビってんの?」

「そっちこそ。あぁ成程、乱れてしまうのが怖いんですね」

「はぁっ⁉ あーそっか敏感なクリちゃんでアンアン言うのが恥ずかしいんだ?」

「ぐぬぬぬぬ」

「ぐぬぬぬぬ」

 

 この期に及んでマウントの取り合いをする二人。

 後ろに手を突いて股間を前に突き出した扇情的な格好をしていても、二人の距離は色んな意味で近付かない。

 だが、いがみ合いはまたもや長く続かず、二人揃って溜息をつく。

 

「……いいかげん、するわよ」

「……そうですね」

 

 そう言って、どちらからともなく、下半身の距離が近付いていき、

 

「ぁんっ」

「ぁ……」

 

 二人の秘唇が、秘芯が、ぴたり、とくっついた。

 

「ん……ど、どうする?」

「は……どう、とは?」

 

 腰を突き出し合いつつ、ちらり、と目線を上げる境。

 

「えと、パンパン、するんでしょ」

「……そうでしたね……あ」

「な、なによ」

 

 動き方をどうすれば良いのかと悩んでいた境であったが、由乃の思い出したかのような反応にたじろぐ。

 

「……好きです」

「っ⁉」

 

 境の顔は真っ赤になった。

 

「い、いちゃいちゃのためですよ! 分かってますよね!」

「あ、あーあーそうね! そうよね!」

 

 なお由乃の顔もそこそこ真っ赤であった。

 

「……好き」

「……好き」

「…………好きよ」

「…………好きですよ」

「~~~~っ!」

「~~~~っ!」

 

 いちゃいちゃという大義名分があっても気恥ずかしく、よく分からない感情が溢れそうになり、声にならない声で呻く境と由乃。

 

「あんっ!」

「んぁっ!」

 

 だから、何かを誤魔化すようにして、腰が突き出された。

 

「あっ! ちょ、ちょっと押しつけないでよ!」

「ひんっ! そ、そっちこそ押しつけてきてるじゃないですか!」

 

 必然、秘部同士が圧着する事になり、おまんこが、クリトリスが柔らかい何かで押し潰される。

 指で直接弄っていた時よりも遥かに柔らかい感触。

 クリトリスが絡み合い、膣口からは先程までの刺激によって蓄えられていた愛液が溢れ、ぷちゅん、という音が小さく鳴った。

 

「変な音まで鳴るしぃ……うぅぅ好きっ!」

「はぁぅっ⁉」

 

 数瞬の唸りの後、キーワードと共に境の腰が軽く引かれ、即座に突き出された。

 ぷちゅ、と秘唇周りの肉が叩き付けられ、その衝撃に由乃が短く嬌声をあげる。

 

「境さんはまたそうやって……このっ好きですっ!」

「あぅぅっ!」

 

 無論黙って受け入れる由乃ではない。キーワードと共に腰を引き、即座に腰を突き出す。

 ぷちゅ、と秘肉ごと叩きつけ、その衝撃に境の短い嬌声があがる。

 

「好きっ! ぁんっ、好きっ!」

「んぅっ! 好きですっ!はぅっ!」

 

 先程までの躊躇は早くも消し飛んでいた。今はただとにかく好きというキーワードを叫びながら、それを誤魔化すようにして腰を叩きつけている。

 ぷちゅ、にちゅ、と肉同士がくっつく音が部屋に静かに響き渡る。

 

「好きっ! 好き、んんっ! 好き好きぃっ!」

「好きですっ! ぁんっ! 好きで、好きっ!」

 

 好き、という言葉に負けない、絶対に負けないという意思を乗せ、腰を叩きつけ合う二人。

 その間、目線は相手の瞳から外される事なく、絶対に負かすという意思を乗せ、相手の敏感な場所を狙い撃つ二人。

 

「ぁっ、ぁっ、あっ! すぅ、きぃっ!」

「んっ、んっ、あっ! す、きですっ!」

 

 だんだんコツを掴んで来たのか、腰の動きがよりスムーズになっていく。

 相手の引くタイミングで引き、相手が突き出すタイミングで突く。そうする事により勢いが増し、キーワードを連呼する余裕が無くなっていく。クリトリスが腫れ上がり、より快感を感じやすくなる形へ変貌していく。

 

「やっ、ぁんっ! つよ、すぎっ!」

「だったら、あぁっ! よわめ、んんっ!」

 

 秘唇が接触するたびにクリトリスに衝撃が走り、電撃のような快感が流れていく。腰が離れるたびに、ジンジンとした余韻が残る。

 それが何度も繰り返され、相手を屈服させようとしているのか、快楽を貪りたいのか、二人の思考がどんどん乱れていく。

 

「好きぃっ! あぁっ! 好きなんだからぁっ!」

「ひんぅっ! こっちだって、好きなんですっ!」

 

 相(・)手(・)の(・)瞳が潤んできて、自身の勝利を確信する。ならばもっと追い詰めてやろうと、腰の動きが加速する。

 肉同士が接触していた音は既にくちゅ、くちゅん、という粘ついた音になっている事に気付かず、ただただ腰を押し付け合う。

 

「はぁぅっ! んんっ! すっ、きっ!」

「んあぁっ! はぁっ! すき、です!」

 

 最初は控えめであったのに、いつの間にかパンパンと、まるでセックスしているような音が響き渡っていた。

 パンと音が鳴るたびに互いの胸が揺れ、パンと音が鳴るたびに互いの口元が緩み、パンと音が鳴る度にぐちゅ、と水音が鳴る。

 

「あっ、あっ、あっ、好きっ、好きぃっ!」

「んっ、やっ、あぅっ、好き、す、きぃ!」

 

 もはやキーワードだから言っているのか、恥ずかしさを隠すために言っているのか、はたまた快楽を貪るために言っているのか、二人にはもう分からない。

 

「あぁっ! あんっ! 好きっ! 好き好き好きっ!」

「ひぁっ! ぅんっ! 好き! 好きっ! 好きっ!」

 

 好きが止まらない。嬌声が止まらない。腰の動きが止まらない。

 もはや下半身だけが意思をもったように動き、絶頂に向けて思考が一本化される。

 くちゅ、ぐちゅ、と音が鳴り、その度に秘唇から漏れ出した愛液が飛び散る。

 二人のクリトリスが痛いほどに張り詰めている。二人のおまんこがひくひくと痙攣している。だが相手から目を逸らさない二人はそれに気付かない。

 だから、相手の限界が近いという事だけは、分かった。

 

「好きっ! 好きなんだからっ! す、きぃぃいっ‼」

「好きです! こっちだって! すき、ぃんんんっ‼」

 

 最後に強くぶつかり合い、クリトリス同士が押し潰され、これまでで一番の衝撃と快楽が発生した。

 境は僅かに顎を反らし、由乃は僅かに俯き、共に眉根を寄せながら、それでも相手から目を離さない。

 腰が勝手にびくつき、接触したままのおまんこ同士が擦れ、ぐちゅ、ぐちゅ、と愛液が撹拌される。

 僅かに浮きっぱなしであった腰がようやく地に帰ってくると、二人の愛液溜まりにお尻が着地して、ぴちゅ、と音がした。

 

『合格。サイコロを振ってください』

 

 ガラス盤には無機質な文字の表示。残りは五マス。

 

 互いに何も言わず、呼吸を整えながらその目を見詰め続け、次のサイコロが振られた。

 出目は一、最低値。

 だがそれに対して何を思うでもなく、ただ互いを見詰め続ける。

 

『互いの名前を呼び合いながら十分間キスしよう!』

 

 それでも何も言わない。

 足を交差させたまま上半身を近付け、顔を近付け、至近距離で目線を合わせる。

 

「由乃……」

「境さん……」

 

 そしてその距離がゼロになった。

 

「んん、っちゅ……はっ、由乃ぉ……んっ」

「ちゅぅ、んむ……ぁっ、境さ、んっ……」

 

 ちゅ、ちゅ、と互いの唇を啄ばみながら名前を呼び合う。

 接触するたびに唇を突き出し、桜唇を吸い合い続ける。

 

「ちゅ、んんんっ……由乃、由乃……!」

「ぢゅ、んぅぅ……境、境さんっ……!」

 

 ちろり、とどちらかともなく舌で唇を突っついた事がきっかけだった。

 課題には指定されていない、深いキスが始まる。

 助走など無かった。互いの背中に手を回し、強く引きつけ、相手の口内を舌で貪る。

 

「由乃っんんっ! んっちゅぅぅっ、由乃っ!」

「境さっんっ! ちゅぅっ、んんっ境さんっ!」

 

 唇を離しては名前を呼び、離す間すら無ければ脳に染み渡るように口の中で伝え、蛞蝓の交尾のように舌が絡み合う。

 

 そして、次のサイコロが振られる。

 出目は四、残りマスは一、次のマスがゴール。

 

『いちゃいちゃしながら十分間おまんこをくちゅくちゅしよう!』

 

「んんんんぅぅぅっ!」

「ふぁぁぁぁぁぁっ!」

 

 葛藤など無かった。

 互いを見詰めながら、接触したままの秘唇の間に手を差し込み、濡れたぎった膣口ににゅるり、と躊躇いなく指を挿入する。

 

「好きっ! ひぁんんんっ! んんっ! 好きっ!」

「んぁぁぁっ! 好きですっ! んぁっ、あぁっ!」

 

 そのまま膣内をかき混ぜるようにして動かすと、ぐちゅぐちゅと重い粘着質な音が鳴った。

 

「んむぅぅっ! ぷぁっ好きっ! 由乃っ!」

「んんんぅっ! んぁっ、境さん! 好き!」

 

 必要も無い筈なのに、唇を交わす。その間も決して目線は逸らされず、視線が交差したままに互いを呼び合う。

 

「はぅぅぅぅぅっ! そこっ、あっ! 好きぃっ!」

「んんぁぁぁあっ! そこっ! 好き、ですぅっ!」

 

 目を見ているからこそ、そこが良いのだと一瞬で悟る。そのままぐりぐりと抉るようにして膣内をひたすらにかき回す。

 ぐちゅぐちゅぐちゅ、と愛液が混ぜられ、掌の中に溜まっていく。二人の秘部が合わさった狭い空間に手が差し込まれているからこそ、その手は強く秘唇に押し当てられていて、溜まった愛液がクリトリスに絡まり、膣内と一緒に最上級に敏感になっているそこごとかき混ぜられる。

 

「ちゅっ、んんぅっ! もっとぉ! もっと由乃っ!」

「ちゅぅっ! は、ぃっ! 境さ、んっ! 好きぃ!」

 

 もっとと口で要求する境に対し、由乃は激しく指を動かす。

 もっとと目で要求する由乃に対し、境は激しく指を動かす。

 ガラス盤の表示はとうに切り替わっていた。だがそんなものは関係無かった。

 

「由乃っ! んんぁぁぁっ由乃ぉ‼」

「境さ、あぁぁっ! 境さぁんっ‼」

 

 空いた手で互いの胸の鼓動を確かめるように揉みしだき、陰部を捏ねる指は円を描くようにしてクリトリスごと膣内をかき混ぜる。

 慣れ親しんだ外の刺激、新しく見つかった慣れない内からの刺激。両方が合わさって、少女達は再度高みに昇った。

 

「はぁっ……はぁっ……!」

「ふーっ……ふーっ……!」

 

 サイコロが握られ、即座に投げ捨てられた。

 駒が進む。ゴールに辿り着く。

 

『いちゃいちゃしながらおまんこを擦り合わせて同時にイこう!』

 

「ぅんんんんんんっ!」

「ひぅぅぅぅぅぅっ!」

 

 指が引きぬかれると同時、秘唇の距離がゼロになる。

 腰を突き出して上半身同士が離れるも、一時も離さないとばかりに指を一本一本絡み合わせる。

 

「あぁぁぁっ! 好きっ! 由乃ぉっ! ぁぁあっ!」

「んんんぅっ! 境さんっ! 好きっ! んぁぁっ!」

 

 動き辛さなどどうでもいいかのようにギュっと手を握り締め、その胸をゆらゆらと揺らしながら激しく淫唇を擦り合わせる。

 

「由乃っ! ゆのぉっ! すきっ! 好きだよっ!」

「きょうさんっ! すき、すきですっ! あぁっ!」

 

 ぐっちゅぐっちゅと愛液が、媚肉が、淫唇が、クリトリスが、擦れ合い、絡み合い、混ざり合っていく。

 

「あぁっ! もうっ! イっちゃうよ由乃ぉっ!」

「私もっ! だめです! ああっ! 境さんっ!」

 

 快楽に、何かに蕩けながらずっと見詰め合い続け、言葉で、目線で限界が近い事を伝え合う。

 爪の跡が残るほどに互いの手を握り締め、快感への防衛本能で目蓋が下りそうになるのを堪え、腰を浮かせ、押し付け合い、かき混ぜ合う。

 

「好きっ! 好き好き好きぃっ! 由乃っ! 由乃ぉっ! ああああぁっ! も、イっ、くぅぅぅぅぅっ‼」

「大好きですっ! きょぉっ! 境さんっ! 好きぃっ! ひぁぁあっ! だめっ! だ、めぇぇええっ‼」

 

 二人同時に絶頂を迎える。それでも腰は動き続け、どこまでも快楽を、何かを貪るように揺らめき続ける。

 だが、だがそれでも、顎を反らし、俯こうが目線だけは相手の瞳を放さなかった。

 

「由乃……んっ……」

「境さん……ん、ぅ」

 

 腰の揺らめきが収まった頃、二人は上半身を近付け、手を解き、背中に回し、深く、優しいキスをする。

 離れた陰唇の間には、粘ついた愛液が膣口から糸を引き、その重みに耐えかねるようにして、ふつり、と消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

□□□□□□

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『儀式は終わり、土地の浄化も完了しました。お疲れ様です』

 

「…………」

「…………」

 

 境と由乃は互いに背を向け、儀式の序盤に剥ぎ取られていた巫女服をゆっくりと着込んでいた。

 その瞳には何も宿さず、無表情で身支度を整える。……下着を身に着ける際に少々不快だったのか、その瞬間だけ眉間に皺が寄った。

 

「…………」

「…………」

 

 そして、祭殿を後にする用意が整った。

 

「……ねぇ、由乃」

「……もう名前呼びじゃなくても良いんですよ」

「別にいいでしょ」

「……そうですね」

 

 視線は合わさらないままに、ぽつり、と境が由乃へ話しかける。

 

「マドレーヌ」

「……え?」

「今度、美味しいお店、教えて」

「……チーズケーキのお店も、回りましょう」

 

 二人並んで、手の甲が一瞬だけ触れあい、ゆっくりと外の世界へと戻っていった。

 

 

 

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