当時小学4年生だった私に、何か抗う術はあっただろうか。
浅ましく、知ったばかりの快楽を求めて陰茎を無駄に揺らす。
姉は無造作にそれをつかむと、笑顔でたずねてきた。
「どうされるのが一番きもち良かった?」
「わかんない! ぜんぶ!」
余裕の無い私はまともな返答すらできない。
「欲張りだなぁ」
そう言って姉は陰茎を握り、しごく。
覚えたばかりのきもち良さに、私は息を荒くして身をゆだねることしかできない。
「やっぱり、こうしてシコシコするのがイイんだ」
「きもちいい、きもちいいよっ」
もはやそれしか考えられない。
私は必死の表情で、しごかれる陰茎を凝視していた。
「じゃあ、次は」
手が止まる。
快感が止まる。
はぁはぁと上気したまま、私は次に与えられる快感を待つ。
長く焦らされたなら、何をしていたか自分でもわからない。
だが、姉はすぐに次の行動に移ってくれた。
胸を陰茎に押し付ける。
この世のものとも思えない柔らかさが、はち切れんばかりの興奮を優しく受け止める。
姉は自分の乳首を愛撫するかのように、私の亀頭を押し付け、こね回す。
「おっぱいに、ちんちんがっ」
えっちすぎる。
私の頭は沸騰しそうだった。
しかし、興奮が高められこそすれど、刺激としては弱い。
もっと、もっときもち良くなりたい。
そう願い、自ら乳房に亀頭を押し付けていく。
「ちょっと、あばれないでよ」
今思い返してみれば、あれは姉が自らの快楽のために乳首に刺激を与えていたのだろう。
そのペースを崩され、むっとした。
けれども、必死に刺激を求める私は姉の表情の変化にも気づけなかった。
闇雲に腰を動かし、柔らかな乳房を突く。
だが、足りない。
もっと、きもち良くなれるはずだという直感があった。
高まっていく興奮が、天井を突き破るような瞬間が来ると、野生の勘が働いていた。
本能からくるものなのだろうか。
そんな私を変なおもちゃでも見るような目で見た姉は、ひょいと陰茎をつかんで口に含む。
またあの消失感。
温かさが陰茎の存在を曖昧にする。
それでいて、多幸感に満たされ、興奮が積み上がっていく。
腰を動かすと、喉に当たったのか、姉が一瞬えずいた。
そして、陰茎を吐き出すと、声を荒げて言う。
「動かないで! ちゃんとしてあげるから」
私は興奮しきった頭に冷水が浴びせられたような心地がした。
機嫌を損ねては続きがしてもらえなくなる。
冷静さが少し戻ってきたのだ。
同時に、病気の腫れをどうにかしなければという本来の目的を思い出し、不安に駆られる。
「ごめん」
そう言って椅子に座り直す。
姉としても制御の利かない獣などいらなかったことだろう。
あくまでもいじりがいのある、おもちゃが欲しかったのだ。
従順さを取り戻した私に満足そうな笑みを向ける。
私はといえば、その笑顔に、許されたのだという安堵感を覚えた。
そうとなれば、快感の続きが欲しくなる。
陰茎がぴくぴくと動いた。
「次、勝手に動いたらおしおきだからね」
「はい」
言いなりだ。
姉の言うことは絶対だ。
そう、刷り込まれるには充分だった。
私の素直な返事に再び笑みを浮かべると、姉はもう一度亀頭を口に含む。
じわりと広がる快感。
自分の陰茎が姉の口の中にある。
それだけで、胸が高鳴りまた息があがる。
小学4年生の私にとって、そこは世界のすべてのように感じられた。
舌がうごめく。
敏感な部分がこそげ取られ、その対価として快楽が提供されているような錯覚。
「んっ、くっ」
姉の喉が鳴った。
また喉を突いてしまったのだろうかと、一瞬ヒヤリとするが、変わらず舌は亀頭をぬめり続ける。
今にして思えば、おそらくあの時、姉は私の亀頭を舐め回しながら自慰をしていたのだ思う。
そうして、しばらくの間、姉の口の中という楽園に私はたゆたっていた。
きもち良さが、快感が、とめどなく供給される。
私にはもう、思考能力は残されていなかった。
急に、痛覚が反応する。
姉の歯が陰茎を噛んだのだ。
それすら快感の一部と化していたが、我に返るには充分な異質な刺激だった。
姉は鼻で荒い呼吸をしている。
当時は想像もつかなかったが、きっとあの時、陰茎を噛んだ瞬間に姉は自慰で軽い絶頂を味わったのだろう。
呼吸が苦しくなったのか、陰茎から口が離れる。
去り際にぷるんと触れた唇の感触がたまらなかった。
もう少し、もう少し強い刺激があれば、未知なる扉が開く。
そんな予感が焦燥感をかき立てる。
「まだイかないんだ、生意気」
上気した顔で姉はそう言うと、陰茎をぞんざいにつかむ。
そうして、がしがしと乱雑にしごき始めた。
「あっ、うっ」
思わず声が出る。
頭がまっしろになっていく。
呼吸が乱れ、苦しくなる。
恐ろしさすら覚える情動。
何かが、来る。
「うー、ううー」
言葉を忘れたかのように、食いしばった歯の間から声が漏れた。
次の瞬間。
体が自分のものではないかのようにびくびくと痙攣した。
魂が飛び出たのかと思うような衝撃が走った。
尿道を駆け昇り、精液がほとばしる。
何も。
何も考えられなかった。
ただただ、その絶頂の瞬間に自分が搾り取られていく。
姉はしごく手を止めない。
「ああああああああぁぁぁ」
強すぎる刺激に、私は半狂乱の声をあげた。
しかし、初めて男性器を扱う姉は加減を知らない。
二度目の絶頂が私を襲った。
精液が出たかはわからない。
私はただただ、がくがくと体を震わせる。
その反応を見て、姉はようやく陰茎をしごく手を止めた。
「すっご、男の子ってそうやってイくんだ」