※この作品はR-18です。

いちばん近くて遠い穴   作:松永蒼鉛

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4.きもち良さの頂

当時小学4年生だった私に、何か抗う術はあっただろうか。

浅ましく、知ったばかりの快楽を求めて陰茎を無駄に揺らす。

 

姉は無造作にそれをつかむと、笑顔でたずねてきた。

 

「どうされるのが一番きもち良かった?」

 

「わかんない! ぜんぶ!」

 

余裕の無い私はまともな返答すらできない。

 

「欲張りだなぁ」

 

そう言って姉は陰茎を握り、しごく。

覚えたばかりのきもち良さに、私は息を荒くして身をゆだねることしかできない。

 

「やっぱり、こうしてシコシコするのがイイんだ」

 

「きもちいい、きもちいいよっ」

 

もはやそれしか考えられない。

私は必死の表情で、しごかれる陰茎を凝視していた。

 

「じゃあ、次は」

 

手が止まる。

快感が止まる。

 

はぁはぁと上気したまま、私は次に与えられる快感を待つ。

長く焦らされたなら、何をしていたか自分でもわからない。

 

だが、姉はすぐに次の行動に移ってくれた。

胸を陰茎に押し付ける。

この世のものとも思えない柔らかさが、はち切れんばかりの興奮を優しく受け止める。

 

姉は自分の乳首を愛撫するかのように、私の亀頭を押し付け、こね回す。

 

「おっぱいに、ちんちんがっ」

 

えっちすぎる。

 

私の頭は沸騰しそうだった。

しかし、興奮が高められこそすれど、刺激としては弱い。

 

もっと、もっときもち良くなりたい。

そう願い、自ら乳房に亀頭を押し付けていく。

 

「ちょっと、あばれないでよ」

 

今思い返してみれば、あれは姉が自らの快楽のために乳首に刺激を与えていたのだろう。

そのペースを崩され、むっとした。

 

けれども、必死に刺激を求める私は姉の表情の変化にも気づけなかった。

闇雲に腰を動かし、柔らかな乳房を突く。

だが、足りない。

 

もっと、きもち良くなれるはずだという直感があった。

高まっていく興奮が、天井を突き破るような瞬間が来ると、野生の勘が働いていた。

本能からくるものなのだろうか。

 

そんな私を変なおもちゃでも見るような目で見た姉は、ひょいと陰茎をつかんで口に含む。

 

またあの消失感。

温かさが陰茎の存在を曖昧にする。

それでいて、多幸感に満たされ、興奮が積み上がっていく。

 

腰を動かすと、喉に当たったのか、姉が一瞬えずいた。

そして、陰茎を吐き出すと、声を荒げて言う。

 

「動かないで! ちゃんとしてあげるから」

 

私は興奮しきった頭に冷水が浴びせられたような心地がした。

機嫌を損ねては続きがしてもらえなくなる。

 

冷静さが少し戻ってきたのだ。

同時に、病気の腫れをどうにかしなければという本来の目的を思い出し、不安に駆られる。

 

「ごめん」

 

そう言って椅子に座り直す。

 

姉としても制御の利かない獣などいらなかったことだろう。

あくまでもいじりがいのある、おもちゃが欲しかったのだ。

 

従順さを取り戻した私に満足そうな笑みを向ける。

私はといえば、その笑顔に、許されたのだという安堵感を覚えた。

 

そうとなれば、快感の続きが欲しくなる。

陰茎がぴくぴくと動いた。

 

「次、勝手に動いたらおしおきだからね」

 

「はい」

 

言いなりだ。

姉の言うことは絶対だ。

そう、刷り込まれるには充分だった。

 

私の素直な返事に再び笑みを浮かべると、姉はもう一度亀頭を口に含む。

 

じわりと広がる快感。

自分の陰茎が姉の口の中にある。

それだけで、胸が高鳴りまた息があがる。

 

小学4年生の私にとって、そこは世界のすべてのように感じられた。

 

舌がうごめく。

敏感な部分がこそげ取られ、その対価として快楽が提供されているような錯覚。

 

「んっ、くっ」

 

姉の喉が鳴った。

また喉を突いてしまったのだろうかと、一瞬ヒヤリとするが、変わらず舌は亀頭をぬめり続ける。

 

今にして思えば、おそらくあの時、姉は私の亀頭を舐め回しながら自慰をしていたのだ思う。

 

そうして、しばらくの間、姉の口の中という楽園に私はたゆたっていた。

きもち良さが、快感が、とめどなく供給される。

私にはもう、思考能力は残されていなかった。

 

急に、痛覚が反応する。

姉の歯が陰茎を噛んだのだ。

それすら快感の一部と化していたが、我に返るには充分な異質な刺激だった。

 

姉は鼻で荒い呼吸をしている。

当時は想像もつかなかったが、きっとあの時、陰茎を噛んだ瞬間に姉は自慰で軽い絶頂を味わったのだろう。

 

呼吸が苦しくなったのか、陰茎から口が離れる。

去り際にぷるんと触れた唇の感触がたまらなかった。

 

もう少し、もう少し強い刺激があれば、未知なる扉が開く。

そんな予感が焦燥感をかき立てる。

 

「まだイかないんだ、生意気」

 

上気した顔で姉はそう言うと、陰茎をぞんざいにつかむ。

そうして、がしがしと乱雑にしごき始めた。

 

「あっ、うっ」

 

思わず声が出る。

頭がまっしろになっていく。

呼吸が乱れ、苦しくなる。

 

恐ろしさすら覚える情動。

何かが、来る。

 

「うー、ううー」

 

言葉を忘れたかのように、食いしばった歯の間から声が漏れた。

 

次の瞬間。

体が自分のものではないかのようにびくびくと痙攣した。

魂が飛び出たのかと思うような衝撃が走った。

 

尿道を駆け昇り、精液がほとばしる。

 

何も。

何も考えられなかった。

ただただ、その絶頂の瞬間に自分が搾り取られていく。

 

姉はしごく手を止めない。

 

「ああああああああぁぁぁ」

 

強すぎる刺激に、私は半狂乱の声をあげた。

しかし、初めて男性器を扱う姉は加減を知らない。

 

二度目の絶頂が私を襲った。

精液が出たかはわからない。

私はただただ、がくがくと体を震わせる。

 

その反応を見て、姉はようやく陰茎をしごく手を止めた。

 

「すっご、男の子ってそうやってイくんだ」

 

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