※この作品はR-18です。

魔力ゼロの呪詛錬成・出涸らしエルフは性悪女冒険者パーティに復讐する   作:ケロリビドー

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エリエットの本質

「助けが来たことで気力がなくなったみたい。わたしは帰り道に一度呼吸が止まって、そのまま死んだらしいの。お父様は捜索隊に蘇生の魔石を持たせていたからすぐに生き返ることができて、いまここにこうしているってわけ」

 

 壮絶な過去をなんということはないといった雰囲気で告げてくるエリエットに、ライルフェンは絶句していた。

 

「……それは……その……。大変だった……な」

「大変だったのはその後ね。ゴブリンの子供を何匹も産んだ女を妻にはできないって言って、婚約していた伯爵家に婚約を破棄されてしまって……。しかたないから商人として実家の手伝いをして生きようと思ったらそれも止められたの。まあそうよね。そんな女が店頭に立っていたらよくない噂の的だわ。わたしがオーナーでもそんな女を雇うのはやめるでしょう。そう言うわけでわたしは今は家を出て冒険者をやっているっていうわけ」

「ううむ……」

 

 どうあいづちを打ったらいいのかわからず唸るライルフェンを気にせず、エリエットは話を続ける。

 

「でもね、いいこともあったわ。知ってる? ダンジョンの中で死んで生き返った人ってそのあと才能に目覚めることがあるのよ。わたしはこれ。あなたの魔力がゼロになったってどうしてわたしにわかったと思う?」

 

 これ、と言いながらエリエットはダンジョンの中でも覗いていたルーペを取り出して覗いてみせた。

 

「わたしにはね、透明なものを間に置くとその向こうに映った人や物の本質が見える能力があるの。わたしはこれを『無慈悲な(マーシレス)鑑定(アプレイザル)』と名付けたわ」

「本質……?」

「そうよ、例えばもう一度あなたを見るけど……。あら、魔力がちょっとだけ回復している。ダンジョンの中で見た時は魔力の数値はゼロだったのだけど、今は2になっているわね。何か回復するようなことをしたかしら」

「なんだと? 俺の、俺の魔力は戻るのか!?」

「落ち着いて。2じゃその辺の赤ちゃんくらいの魔力しかないわよ。当然何もできない……」

「そうか……」

「しょげないで、いいこともあるの」

「いいこと?」

 

 エリエットはルーペでライルフェンを覗き続ける。見られたくないようなことまで見られているのではないのかと落ち着かなくなっていると、何か見つけたのか彼女の動きがぴたりと止まった。

 

「奴隷の紋章が破損、無効になっているわ。おそらく一度死んだことで契約が破棄されたのね。あなたはもう奴隷じゃない。自由よ。金色の薔薇たちに否定的な考えを持っても痛めつけられることはないわ」

「本当か……! それは……それは、よかった」

 

 全身の筋肉がひきつる痛みが辛かったためライルフェンは怒りや反発を感じることを自主的に封じていた。しかしもうあの痛みに悩まされることはない。自分の感情を自分のものとして自由に感じることができるとわかって、彼は霧の中から抜け出したような気持ちになり、自分の両腕をぎゅっと抱きしめた。

 

「……待てよ? ダンジョンの中で死んだら才能に目覚める? それなら俺にも何か知らない能力が増えていたりもするのか?」

「どうでしょうね、全員が全員絶対目覚めるってわけでもないようなのよ。わたしには確認できるけど、どこに書いているかわからないから、どうしても知りたいなら隅々まで見ることになるわよ? 見てもいい?」

「構わない、調べてくれ」

「わかったわ、見てみるわね……。えっ、こんなに子供がいるの? 8人?」

「それはいいから」

 

 エリエットは時々独り言を言いながらライルフェンの本質を調べ、特筆すべき項目を手帳に書き写していく。ライルフェンについては以下のことがわかった。

 

 ライルフェン:エルフの元魔術師。

 

 体力:12(肉体の酷使、骨折、死のダメージのため)

 魔力:2(赤子並)

 

【特記事項】

 

 奴隷の紋章(破損、無効。醜い瘢痕)

 重度性機能不全(勃起持続時間15秒)

 魔力欠乏症(頭髪の白濁、全身の倦怠感)

 

 【特殊能力】

 

 呪詛錬成(物に怨恨を流し込み、呪いのアイテムに作り替えることができる)

 

「呪いのアイテムは昔から作れたの?」

「そんなの知らない。初めて知った」

「じゃあ、これがきっとあなたの新しい能力なのよ」

「呪詛錬成だと……?」

「ふふ、呪詛錬成(アナテマフォージ)とでも名付けましょうか?」

「にわかには信じられない……」

 

 急に叩きつけられた自分の状況はこうやってまとめられるとすぐに受け入れたくはないことばかりだった。魔力欠乏症? 重度性機能不全? 勃起持続時間15秒?

 

「まあ、気になることは多いでしょうけど、あなたちょっと休んだ方がいいわ。体力12って寝たきりのおじいちゃんの数値よ。呪詛錬成について確認するのはそのあとでもいいと思うの」

 

 確かに、こうやって話している間にもライルフェンには何度か気が遠くなりそうな瞬間があった。温かくおいしいスープで内臓が温まったことによって眠気が忍び寄ってきているのだ。

 

「ベッドに横になりなさいよ。この部屋で一番あなたがふかふかの毛布を必要としてる」

「……ありがとう」

「眠れるまで見ててあげる」

「その……もう一度手を握ってくれないだろうか」

「手を?」

「ダンジョンで君に手を握ってもらったとき……胸の中で何かが起こった気がするんだ。魔力が回復した心当たりと言ったらそれしかない」

「手を握ることで魔力が回復するの?」

「わからないが……もしそうなら、俺の手を握ってくれるような相手は今は君しかいないし」

「……わかったわよ。握っててあげる」

「ありがとう……」

 

 指ぬきグローブを外し、やわらかなエリエットの小さい手がライルフェンのかさついた手をきゅっと握る。するとまた彼の胸の中で何か温かい火のようなものがぽっと灯る感覚があった。

 

「魔力が回復する感じがする?」

「ああ……やっぱり、そうだ。君が手を握ると、俺の……魔力が……」

 

 ライルフェンの声はだんだん小さくなり、目はとぼとぼと閉じ始める。喋るだけでも体力を消耗する状態だったのだろう。重く、有無を言わせない眠気が彼に忍び寄って行った。

 部屋に一つしかないベッドにライルフェンを寝かせてしまい、手も握ったままなので他にどうしようもなく、エリエットは彼に寄り添って同じベッドに横になった。端正なエルフの顔がすぐそばで寝息を立てており、安心しきったその表情はライルフェンの顔をいつもより幼く見せていた。その横顔をまじまじと見つめていたエリエットの頬が次第に赤く色づいていく。

 

(やば、ライルフェンってばわたしの好みの男すぎる。どうしよう、正直めっちゃくちゃセックスしたい……)

 

 ライルフェンの本質を隅々まで見て、プライベートで性的な記載も見たエリエットだったが、当然エリエットにもそういった性的な本質の記載がある。『無慈悲な鑑定』が彼女に発現した時、彼女はもちろん自分の本質も鏡で確認した。そこにはダンジョンの中でのあの生活以前にはおそらく記されてはいなかったであろう目を覆いたくなるような残酷な特記事項がたくさん記されていたのだ。

 

【特記事項】

 

 後遺症(ゴブリンの精液による淫乱化、絶頂癖)

 性的倒錯(レイプで快楽を得る被虐性癖)

 

 【称号】

 

 ゴブリンの孕み袋(ゴブリンの幼体を20匹以上出産したことによる

 

【状態異常】

 

 口腔内感度450%(不潔なものの侵入でも性的快楽を得る。嘔吐反射消失)

 食道感度300%(度重なるゴブリン陰茎の出し入れにより性感帯化)

 乳首感度850%(ゴブリンの幼体への継続的な授乳により乳首肥大化、衣服が擦れるだけで絶頂)

 クリトリス感度1200%(ゴブリンにおもちゃにされ弄ばれ続けたため肥大化、常に包皮がめくれ剥き出し、触れるだけで全身が痙攣する)

 膣感度1800%(度重なる凌辱、妊娠、出産を繰り返したため内部に突起状の異変複数発生、一つ一つが性感帯に変化)

 子宮感度2000%(度重なる妊娠、出産に耐えうるように通常ではありえない性的快楽の器官に変化)

 アナル感度1500%(妊娠とは関係のない凌辱で性器並に開発済み、排泄で絶頂するほどの性感帯に変化)

 

 その記述は実際に彼女の肉体に反映され、彼女は生き返ってからも毎日襲い来る猛烈な疼きに耐えながら生活していた。乳首とクリトリスには絆創膏を貼り、感覚を鈍らせている状態でようやく外を歩けているような状態だった。そんな彼女の隣に虐げられ、くたびれた魅力を放つエルフの男が添い寝している。その事実ははしたなく変化してしまったエリエットの子宮をきゅんきゅんと激しく疼かせ、ライルフェンの手を握った彼女の掌にじっとりとした汗をかかせていた。

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