魔力ゼロの呪詛錬成・出涸らしエルフは性悪女冒険者パーティに復讐する 作:ケロリビドー
「あん……ッ♡ あんっ……ちょっとだけ硬くなってるライルフェンのエルフちんぽに、よわクリ擦り付けるの気持ちいいっ……♡」
「とても煽情的だ、エリエット。興奮する」
「んッ、イくッ♡ 前より、少し硬くなってるのッ……クリを押す感触でわかるぅ……♡」
金色の薔薇に隷属するルークスの姿を確認したライルフェンとエリエットは、次にどう動くかを相談しつつ、睦みあう日々を送った。
「これが奥まで入ったらわたしどうなっちゃうかわからない……絶対にあなたをまた男にしてあげるから、その時はわたしのこと、おもいっきりめちゃくちゃにしてね♡」
「楽しみにしている」
エリエットの献身的な奉仕と介護、それとどこからか調達してくるポーションの定期的な摂取によりライルフェンの消耗した身体は次第に回復してきた。初めはエリエットの相手をするだけで息が切れてしまっていたが、今は最初のころよりも勃起が持続できるようになってきていた。それでも挿入して摩擦、射精する一連の性行為にはまだ足りなかったが、目に見える回復というプロセスは二人で力を合わせればなんとかなるのだという自信を二人に与えた。肌や粘膜を擦り合わせることによってエリエットの身体から少しずつ流れ込む生命力はライルフェンの体内で魔力に置換され、落ちくぼんだ目の周りやパサついた肌も元のエルフのみずみずしさを取り戻している最中だ。
(こうやってみると、ますます好みのタイプなのよね……)
指や舌、半勃ち陰茎での刺激で散々絶頂した後でもライルフェンの横顔を見るだけでエリエットの子宮は疼いてしまう。
(ライルフェン、わたしの過去の話を聞いてもぜんぜんわたしのこと見下さなかった……)
ゴブリンの孕み袋という存在になったエリエットのことを知っている他人の視線は、どうあってもそうなる前と同じには戻らない。婚約を破棄したオスカー、それを受け入れた両親、理解者である兄ですら、軽蔑かもしくは憐みの目でエリエットを見てくる。しかしライルフェンは不運に見舞われた者に対する遠慮や目の当たりにしたエリエット本人の好色さへの驚きなどは見せたが、それ以外はまったく普通に接してくれるのだ。そして自分は勃起しないのに、奉仕と介護のお礼とばかりに手指や舌を貸してくれる。見下されたり、適当に手を出していい女として扱われるのが怖くてあれから今まで人と深くかかわりを持つことを避けていたエリエットにとってライルフェンの側は居心地がよかった。
(やば……やっぱり好きになっちゃってる、かも)
勝手に赤くなる頬をライルフェンに見せないように後ろを向いて、エリエットは身だしなみを整えた。しかしうなじが赤いのはライルフェンには丸見えだ。
(変わった女だ……。しかし命を救ってもらって、回復の面倒まで見てもらっているのだから恩はきちんと返さねばな)
高潔なエルフの魔術師としての心構えとして、ライルフェンは受けた恩はきちんと返すことを信条としていた。しかしそれはそれとして若々しい淫らな身体をすり寄せてこられることに対しては嬉しくないわけではなかった。
金色の薔薇やその周辺によって男の自信を磨り潰された彼にとって、無様ともいえる媚びを売ってくるエリエットの存在はそれ相応にそそるものだ。勃起さえ維持できればすぐにでもさっきまで指でかき回していたぬかるみに己がエルフ陰茎を突き立ててやりたいと思う。
(性欲を失ったわけではない。魔力だ。魔力さえもっと回復すれば……)
ライルフェンがこぶしを握り、考え事をしているとそんな彼に向き直り、エリエットが話しかけてきた。
「冒険者登録をしに行きましょう。きっともうあなたの今までのライセンスは失効していると思うから……」
金色の薔薇に連れまわされている時、ライルフェンは冒険者として登録させられていた。しかしあのあとおそらくディアンナはライルフェンの死亡届を提出しただろうことが予想される。それが事故死の証明となり、殺人を咎められる心配がないからだ。
「死んだと思われているままのほうがこちらとしては都合がいいし、まずは少し準備のために二人でダンジョンに潜るの」
ライルフェンはフルフェイスの兜を被り、顔をすっかり覆ってしまう。こうすることで、顔を見せろと言われた時でも顔面の蓋をスライドすれば顔面だけを見せ、エルフの耳は隠すことができた。
冒険者ギルドの受付でそうやって顔を見せ、新しい書類に記名して登録を済ます。エルフのライルフェンは死んでしまった。書類上では今ここにいる冒険者は人間の「ライル」だ。
「ライル? それがあなたの名前? なんか安直……」
発行された身分証を見て、エリエットは肩眉を上げる。
「エリスだって同じくらい安直だろう」
ちょっとむくれたような声を出したライルフェンは初めてエリエットの前で感情をあらわにしたようだった。それに気づいたエリエットはくすくすと笑いを漏らす。ばつが悪くなったライルフェンは兜の中の顔が少し熱くなるのを感じる。
(仲間だ)
ふいに彼の頭をそんな考えがよぎる。
(エリエットは俺の仲間だ)
恩人、協力者。二人で行動するようになってその関係をどう呼ぶか考えあぐねていたが、初めて彼女を定義する言葉が見つかった気がする。そう思うと、急にエリエットが隣に居ることが嬉しく感じられた。
「必要なのはお金と、それから何かアイテム。宝飾品がいいわね。なんとかちょうどいい呪いを付与したそれを、金色の薔薇が得るように仕向けるのよ」
「ああ。まずはセレーネがいいだろう。あの女はあの中で唯一鑑定ができる。まずはあのパーティーから鑑定能力を奪ってしまうのがいいだろう」
ダンジョンに足を踏み入れ、些細なモンスターなどをあしらいながら、エリエットはいろいろな思い付きを口にする。それは宿にいる時もなんどか話していたことだった。聖女セレーネは金色の薔薇では鑑定だけでなく解呪、回復なども担っている人材だ。なるべく早く脱落させる必要があった。
「それにあの女はあの中でおそらく一番立場が低いし、覚悟も足りていないように見えた。何か弱みでも握れればいいのだが……」
「何か言ってなかった? くだらないことでもいいのよ。なんでも突破口になるかもしれないから……」
金色の薔薇はライルフェンを性奴隷としても隷属させていたので、酒に酔っている時にライルフェンを囲んで奉仕させることが度々あった。射精欲でドロドロになった意識で聞いていたライルフェンに思い出せることは少ないのだが、泥酔した女たちの様子を必死に記憶の底から手繰ってみる。
何度も繰り返された乱痴気騒ぎに潰れた朝、動かない身体で床に横たわったライルフェンがうっすらと目を開けた時、目の前でセレーネがしくしくと泣いていたことがあった。
「もうこんなのやぁ……普通に恋して普通のえっちしたぁい……わたくしだけの彼氏が欲しいよぉ……」
酔って眠っているディアンナとステラには聞こえないくらい小さな声でセレーネがそう呟いていたのを、ライルフェンのよく聞こえる耳はしっかりと拾っていた。
「それだわ、ライルフェン」
「え……どれだ」
「恋の悩みよ。恋に悩んでる女の子はガードが緩くなって、お守りとかに頼るようになるのよ」
「そういうものなのか? お守りは普段から頼れるものだぞ、精霊の加護が……」
「そうじゃないってば! 呪いを付与した恋のお守りを作って、なんとかしてセレーネに押し付けましょうって話をしてるの!!」
アイデアを思い付いたエリエットは今までで一番生き生きとしていて、ライルフェンはこれが本来の彼女なのだろうなとぼんやり思った。