人は、生まれながらに平等ではない。
この言葉は残酷であるが、人が成長するにつれ様々な場所で実感し、いつしか誰もが『あたりまえだ』という意識を持つものである。正直、この言葉を受け入れる事が早ければ早い程良いだろう。
しかし、あまりに早すぎても酷だとも思う。だって、その言葉がずっと重くのしかかってくる。中には幼い時からその差を感じて絶望してしまう人もいるのかもしれない。それはとても悲惨な事だろう。
その辛い気持ちは痛いほどわかる。かく言う僕も、その言葉を齢四歳という早すぎる時期に実感してしまったのだから…
…さて、少しだけ昔話をしようか。
僕が生まれるよりも遥か昔、中国で身体が発光するという『超常』を持った赤ん坊が生まれたのが始まりだ。…厳密に言うと中国よりインドの方が超常を持つ子どもが早く生まれてたらしいけど、一応教科書では中国って事になってるからそうしておこう。
話が逸れたね。その光る赤子を皮切りに世界各国で超常を持つ子どもが次々に生まれたんだ。エスパーみたいに念力で物を浮かせたり、背中に羽が生えてて空が飛べたり、身体が固い鱗で覆われてたり…超常の種類はどんどん増えていった。何時しかそれらは『個性』と言われるようになった。
それから時が過ぎ、最初は数が少なかった個性持ちの人は年々増え続け、気が付いたら世界人口の8割が個性持ちと言われるまでに膨れ上がっていた。
そして時は進み、所謂『個性社会』と呼ばれるまでに成長した現代社会。人々はそれぞれ自らの個性を仕事や学業などで生かして生活をしている。
しかし、いつの時代も悪いことを考える人はいるもので、自分の個性を生かして犯罪行為に手を染める『ヴィラン』という存在も少なくはなかった。強盗、泥棒、殺人…個性を使ってこれらを行っているヴィランは一般人にとっては恐怖の対象であった。
だが、そんなヴィラン達に立ち向かう人たちもいる。自らの個性を正しく使い、時にヴィランを捕まえ、時に災害現場で救助活動を行い人々を助ける。混乱渦巻く世の中で誰しも憧れを抱き、空想した人たち。その名は『ヒーロー』。
まるでおとぎ話なコミック世界から飛び出してきた様なヒーローたちはとてもかっこよく、人々はそんな姿に希望を抱く。まさに個性社会を象徴するのが彼らと言っても過言ではないのである。
人々の憧れ。それは僕、緑谷出久にとっても例外ではなかった。
小さい頃からテレビで活躍するヒーローたちの姿を見ていた僕にとって、ヒーローたちが憧れの対象にならないはずがなかった。一昔前のアニメや特撮のヒーローに憧れる子どもと同じ心境と言えば一番わかりやすいかもしれない。
いつか僕もテレビに映るヒーローたちみたいに…それこそNo.1ヒーローのオールマイトの様なすごいヒーローになりたいと夢見ていた。
まぁ、なんだ…最初に言った通り―――
「おらぁ!」BOM!!
「うわっ!?」
――――人は生まれながらに平等じゃないからね。
「や、やめてよぉ、かっちゃん…」
まず人なんて通らないだろう河川敷の橋の下。
爆風で吹き飛ばされ、地面に転がった僕は顔に着いた土埃を払いつつ、こうなった原因となった相手を睨むように見る。
「あぁ!?弱えぇ癖に俺に楯突くお前が悪いんだろうがよっ!」
しかし、そんな僕の抗議の目など気にも留めていない様子で
彼女の名は爆豪勝
運動神経抜群、成績優秀の天才肌といった完璧超人みたいな人物で、自信にあふれたストイックな女の子だ。
かっちゃんとは本当に幼い時から一緒で、母親同士が仲が良いのもあって一時期は家族ぐるみの付き合いと言っても過言ではない程に近い存在であった。
『そんなに仲が良いのに何で敵意むき出しで見下されてんの?』って…昔はもっと仲が良かったんだけど、ある時からこんな感じの関係になっちゃったんだよね……
いつの間にか
原因は分からないけど…実は心当たりはあったりする。
「た、楯突くって…隣のクラスのあの子をいじめちゃ駄目って言っただけじゃないかっ!」
「それが楯突くっていうんだよっ!!」
彼女は僕の言葉に激昂するかのように叫び、僕の前に腕を突き出した。
“BOOM!!”
その瞬間、彼女の腕が爆発し、その爆風で僕はまたもや吹き飛ばされた。
地面を転がった痛みと口の中に広がる土の味を再び感じる。悔しさと怒りで拳に力が入った。身体が反撃をしろと訴えかけてきているのだ。
しかし、僕はその拳をかっちゃんに向ける事もせず、諦めるかのように拳をほどいた。
女の子を殴るのは良くないから?……それもある。しかし、それとは別に僕には諦める理由があった。
「へっ!身の程を知れってんだ」
「
……そう、これこそが僕が平等な人生なんてないと実感した原因。
この個性社会で、
世界人口の8割が個性を持った人々と説明したと思う。では、残り2割の人々はどうなっているのか疑問に思うだろう?
その答えは簡単。生まれながらにして個性を持たない、言わば無個性の人々だ。
一昔前ならばそれが普通だったのだが、この超人社会において無個性と言うのは本当に肩身が狭い。何なら無個性を理由に差別して来る人間もいるくらいだ。選民思想っていうのかな、あれは…
無個性であるという事。それはその後の人生において大きく影響を受ける。就ける仕事も限られてくるだろう。
……ましてや、『無個性でヒーローを目指す』なんて夢のまた夢。そんな事言った瞬間に『お前、頭おかしんじゃね?』と言われてしまう程に愚かな行為だ。
「無個性のモブはモブらしく、日陰の人生送ってろ…っよ!」
「ぐっ!」
かっちゃんに蹴られ、思わずえづいてしまう。
無個性を下に見ているのはかっちゃんも例外ではない。それどころか、強個性持ちの彼女だからこそ、この思想が強いように思う。……多分、僕達の関係が悪くなったのも、僕が無個性である事が一因にあるのだろう。
ははっ、これが僕が平等ではないと理解させられ、夢を諦めた原因だよ。
笑っちゃうくらいみじめだろう?でも、これが現実だ。そもそも、無個性の僕が見る夢じゃなかったんだよ。諦めて当然さ……
……ごめん、嘘を付いた。
『ヒーローになりたい』。その夢を僕は捨てきれずにいる。
個性診断の時のお医者さんからも、幼馴染からも、お母さんにまで否定されている実現不可能な夢。何度も諦めた方が良いと自分に言い聞かせてきた考えるだけくだらない夢。
でも、どれだけ否定されても、どれだけ貶されても、僕の気持ちが収まる事はなかった。将来の為に書いているヒーロー分析ノートを作る手も止まらなかった。
ずっとあこがれ続けて来たのだ。簡単に捨てられるはずもない。
……これがすんなり諦められたら、どれだけ楽な人生を送れるのだろうと何度も考えた。でも、僕はずっと夢に縋りついている。諦めたくないと、心が言っている。
そんな想いとは裏腹に、僕には夢を実現させる力が、個性がないのだ。
(なんで僕には……! 個性が…個性が欲しい…!)
――――か?
個性が欲しい。心の中でそう叫んだ瞬間、何かが聞こえた気がした。
な、なんだろう…声みたいだったけど……?
――――ち……いか?
ッ!また聞こえた。
一瞬気のせいかとも思ったが、どうやら幻聴の類ではない様だ。
声の主を探す為に顔を上げ、辺りを見回すが誰もいない。いるのは目の前のかっちゃんだけだ。
「あ゛ぁ?何惚けてんだクソナード。……おい、聞いてんのか?」
そんな僕の様子に、かっちゃんは訝しげに僕を見る。
あれ、かっちゃん、何も反応を示してない?
……もしかして、この声は僕だけにしか聞こえていない…?
そんな事を考えていると、今度ははっきりと声が聞こえて来た。
――――力が、欲しいか?
『この声の正体は誰なのか?』『いったいどこから声を掛けているのか?テレパシー系の個性なのか?』…色々な疑問が残る。しかし、そのワードを聞いて、僕は頭の中が真っ白になるのを感じた
『力が欲しいか?』……力…個性。
個性が欲しいかだって?……ははっ、そんなの…そんなの!当たり前じゃないかッ!!
ずっと欲しいと思ってきた力ッ!夢を叶えるために必要な資格ッ!!
それさえあれば、僕も夢に苦しめられることはないッ!ようやくスタートラインに立てるんだッ!!
それさえあれば……憧れに手が届くんだッ!!
僕は…僕はッ!!
(力が…個性が、欲しいッ!!!)
――――良かろう
「ッ!?!?…っがああぁぁぁぁぁ!?!?!?」
そんな言葉が聞こえた瞬間、僕は全身が不思議な感じに包まれた。
その感覚に、思わず立ち上がり、大声を上げてしまう。
「なっ、なんだぁ!?」
かっちゃんが驚きの声を上げるが、僕はそれに対して反応する事すらできない。それ程に身体に走る感覚がすごいのだ。
全身の筋肉が隆起し、どんどん力が溢れてくる様だ。頭も“スカッ”とクリアになり、今ならどんな難題も解けそうなくらいにはっきりとしている。
そして、今までの人生では感じた事のないような、不思議なくらいになんでも出来そうな自信と万能感が沸いて来た。
この状況は何なのか?一体僕の身体になにが起こっているのか?
それは今の僕には分からない。しかし、一つだけ、本能で分かる事があった。
これが―――ッ!
「これがッ!僕の個性だッ!!」
“ビリビリビリッ!!“
そう叫んだ瞬間、何かが破れる音を聞いた。
「ッ!?」
かっちゃんが息を飲んだのが分かった。
ふっふっふ…僕からあふれ出る溢れんばかりの力を感じて思わず息を飲んだに違いない。
どうだ、かっちゃん!これが僕の個性だッ!
僕の変化がそれ程までにすごいのか、かっちゃんは何も反応せずに固まっている。……えっと、そこまで反応がないと逆に不安になって来るんだけど…そろそろなんか言ってくれないかな?
というか…かっちゃん、なんか僕そのものを見て固まっているってより、
……あれ?そういえば…なんか、下半身がスースーするような…
下半身に謎の違和感を感じ、僕はようやく視線を下にやった。
そうしてからようやく気が付いた、
下を向いた僕の視界に入って来たもの。そこには今朝履いていたはずのズボンの姿はなく、代わりにとあるものの姿があった。
血管が浮き出てグロテスクな見た目の棒。
棒の下にコバンザメの様にくっ付いている大きな二つの玉。
それらは全体的に黒々をしていたが、先っちょの部分はまるで果実の様に鮮やかな桃色であった。
まるで筋肉の塊の様な逞しさと凶器の様な荒々しさを持った物体。それが僕の下にあった。
その正体は――――
“ビキビキビキぃ…!”
――――大きくなった僕のチンコであったッ!!!!
拙者ヒロアカエロ作品の竿役はデク君じゃなきゃ嫌々侍。
ヒロアカ読み終わった後衝動に駆られ、自分好みのエロ展開を書き殴ってしまったで候。
……何故爆豪君が女体化してるかって?
その答えは簡単――――私の趣味だ(天下無双)
いつものごとく続くかは気分次第…なんだけど、流石にエロ展開は書いときたいから多分続くわ。
需要あったら感想ちょーだい♡
ここまでご拝読ありがとうございました