「この中からどの施設使うか選べ」
場所は職員室。相澤先生から渡された冊子には、様々な施設とその説明が書かれていた。
“現在使用中”という付箋が貼られている奴以外から選べばいいらしい。結構色々あるので、悩んでしまう。
「ありがとうございます。麗日、どれがいい?」
「いっぱいあるね……。むずかしい」
本当に沢山あるな。小規模なトレーニングルームから、大規模な個性訓練が可能なモノまである。
まぁ、今回は俺と麗日の2人だけだ。そこまで大規模な奴じゃなくて良い。そもそも、麗日の三半規管を鍛えるのが目的だし。
「ちょっとしか個性使わねえしな……」
俺がそう呟くと、書類の整理をしていた相澤先生の目が鋭くなりコチラに飛んできた。やべ、口が滑った。
「はぁ」と呆れたようにため息を吐いた相澤先生は、一度目を瞑ってから言葉を続けた。
「個性を使いたかったら教師の誰かを呼べ……と言いたい所だが、今の時期は俺たちも忙しい。少数の生徒に付きっきりになるってのも、合理的じゃない」
「と、言いますと?」
「去年、俺が受け持ったクラスの奴を紹介する。そいつは仮免持ってるから、監督してもらえ」
「……その人も体育祭なんじゃ?」
「お前と一緒に訓練する方がアイツにとっても有意義だ。俺がそう判断した」
随分と俺のことを信頼してくれてるようで嬉しいけど、もどかしいな。2年の先輩が俺と訓練して学ぶこととかあるのか?
「流石に今日すぐにって訳には行かねぇから、明日の放課後に紹介する。今日は個性無しでやれ、いいな?」
「うす」
「は、はい!」
ガチの目をしている相澤先生に反抗出来るはずも無く、パパっと施設を決めた俺たちは、相澤先生に感謝を告げてから職員室を後にした。
「元々個性使うつもりやったん?」
廊下を歩きながら、こそこそと聞いてきた麗日。身長差的に見下ろす形になり、制服を大きく押し上げるうららかという名に相応しいおっぱいに視線が釘付けになる。
「個性使って鍛えるんだよ。多少使う分には問題ねえだろ。今日も使うぞ」
「えー、いいんかなそれ……」
「バレなきゃセーフだ。うし、さっさと行くぞ」
施設やら設備を壊さなければバレることは無いだろう。バレなければ、怒られることもない。
俺たちは足早に借りた訓練室に向かった。
―――◆―――
「んで、三半規管の鍛え方だが……俺の個性で直接、麗日の三半規管を揺さぶる。ゲロ吐くギリギリまでやって、止める。それを繰り返すって感じだ」
訓練室。体操着に着替えた麗日にそう言うと、彼女はマジか、という顔をして口を開いた。
「……なんか、人体に影響ありそう」
「俺のコントロールを信じろ。なんなら、先に俺がやってるの見るか?」
「いや、いいよ。信じる」
耳石が三半規管に落ちるとしばらくキツいんだが、そうなったことは過去に1度しかない。それも、どんな感じか気になってワザと落とした時だけだ。
「直接揺さぶるって、どんな感じんなんやろ」
「どんな感じ、か。……回転椅子で、限界まで回ったことあるか?」
「うん。真堂くんもあるん?」
「あるぞ」
やはり、三半規管を鍛えようとする者なら誰もが通る道なんだな、回転椅子でのトレーニング。効果はどれ程か分からないが、鍛えられてる感覚あるんだよなあれ。
その経験があるなら話が早い。
「あれの10倍はキツイが、やるか?」
「……もちろんやるよ。真堂くん……!」
麗日は一瞬渋い顔をしたが、次の瞬間には覚悟を決めた表情を浮かべてそう言った。良い顔つきである。やると決まったことだし、早速始めよう。
「うし。触るぞ」
「う、うん──っ」
麗日の頭を両手で包み込む。手のひらの中心が耳に当たるように調整して……と。
「は、恥ずかしいね」
必然的に目が合う形になり、頬を赤くした麗日はそう言った。可愛いが、今はそういう状況では無い。これ、かなりの集中力がいるんだよな。
「そんなこと言ってられんのも今のうちだぞ。動くなよ」
麗日はコクリと頷いた。よし、始めよう。まず、自分の手を本当に最小の出力で振動させる。帰ってきた空気の揺れから、麗日の耳をチェックする。
鼓膜の張りも正常……リンパ液も普通で、耳石もちゃんとした位置にあるな、よしよし。
「これから、内耳のリンパ液を振動させる。吐く手前で止めるから、我慢しろよ」
「お、お願いしま──うっ゛」
微弱な振動……マクロ単位の振動をそこに発動させて、止める。
1秒に満たない……いや、0.1秒にも満たない持続時間だったが、麗日は次の瞬間には顔を真っ青にして、俺の方に倒れ込んだ。
無理も無い。比喩抜きで地獄みたいにキツイからな。例えるなら、ジェットコースターの一番浮遊感を感じる所で放り出されてそのまま5回転くらいする感覚である。いや、分かりづらいな。とにかく死ぬほど辛いのだ。
「大丈夫か?」
「た、たぶん……」
背中を擦りながら声をかける。弱々しい声でそう言った麗日は、震える腕で俺から離れようとして、失敗。足の力が抜けたようで、体重を俺に預けた。おっぱいが俺の胸板で形を変える。柔らかい。
「しばらくこのままでいい。どうだった?」
「……なんか、洗濯機の中におるみたいなっ、……自分が何処に居るんか分からんくなる感じ。……ふぅ、はぁ」
「今は一発目だからああなったが、二回目はもう少し耐えれるようになるはずだ。落ち着いたら、またやるぞ」
「……うん」
腕の中で息を整えている麗日は、顔を赤くしてながら呼吸を整えている。なかなかにセンシティブだ。しかし、これは訓練。そう言った邪な気持ちを持ち込むのは、違うだろう。
「すんすん」
呼吸を整えている麗日。うーん、これはしばらくかかりそうだな。本格的に休憩……あ、そうだ、マッサージとかしてやるか。純度100%の善意で。
「一旦休憩しよう。マッサージしてやろうか?」
「マッサージとかできるん?」
麗日はパッと顔を上げて俺の言葉に食いついた。兄貴から昔「女の子はみんなマッサージ好きだぞ」と聞いことがあったが、それは正しかったらしい。
なにより、元マッサージ師であるばあちゃんに仕込まれた技術と、個性『振動』を合体させた俺のマッサージはかなり評判が良い。麗日のことも満足させられるだろう。
「プロ級だぜ。どうする?」
「お願いします!」
―――◇―――
「マッサージとかされたことないや」
「若いとそうだよな。俺もばあちゃんがマッサージ師じゃなかったら、することもされることも無かっただろうし」
「おばあちゃんマッサージ屋さんなんだ……」
休憩用のベンチに腰掛けた麗日。その後ろに立った俺は、「触るぞ」と言って彼女の肩を揉んで──思わず気を失いそうになる。なんだ、この凝り固まった筋肉は。
「めっちゃ凝ってるな」
「え、ほんまに? 最近訓練続きで疲れとんかなぁ……」
ガチガチ……どころではない。指先に感じる感覚はまるで岩だ。煩悩は完全に消えた。これを解してやることこそが、俺の使命である。
一旦手を離した俺は、自分の手を振動させる。ブブブブ……と低い音が鳴り、麗日がピクッと反応した。
「そっか、真堂くんの個性って電……動マッサージ器みたいな使い方もできるんやね」
恥ずかしさからか途中で言葉に詰まった麗日。麗日の言う通り、今の俺の手はほぼ電マである。
もっとも、その性能は機械とは比べ物にならないが。
「あっ、ちょ、これ、くすぐった……っ!」
触れた瞬間、麗日の体が面白いくらいに跳ねた。身を捩りながら声を漏らす麗日はなかなかにエロいが、今の俺は人間電マ。
体操着のせいでやりづらいが、気にせずに肩から首周りを解し続ける。
「くぅ〜! あ〜、そこ良いわ〜」
「お客さん、かなり凝ってますね」
「そのキャラなに!?」
さすが関西人。マッサージで気持ち良くなっていても、ツッコミは忘れずにしてくる。表面的な凝りはほとんど取れたので、深部の凝りを解すターンに入ろう。一度手を離して、振動のパターンと強さを変え、再び肩に触れる──
「あっ♡ ……ッ!」
上擦った声が訓練室に響いて、麗日は勢いよく手で口を被った。思わずマッサージをしている手と個性を止めてしまう。冷たい……いや、気まずい静寂が訓練室を支配した。
麗日は耳まで真っ赤にして、わなわなと震えている。
「まぁ、気にすんな。みんなそんなもんだし」
「……いや、違うんよ? 別に、マッサージが純粋に気持ち良くて声漏れちゃっただけで、その、ほんとに違うんよ」
手をブンブン振りながら言い訳している姿は非常に滑稽である。だがしかし、そこを指摘するのは、男のすることじゃないだろう。
「マジで気にしてねぇって。それより、肩の調子はどうだ?」
「気にするとかそういうんじゃないから……。って、え、なんこれ! めっちゃ軽い!」
生まれ変わったとでも言わんばかりの麗日。だいぶ凝ってたからな、マッサージをする前と比べたら、それくらいの体感の差があってもおかしくない。
「背中とかもやりたいんだが、体操着の下なんか着てるか?」
「タンクトップ着とるよ。……よし、ちょっと脱いでくるわ! 待っとって!」
俺の意を汲んだ麗日は走って更衣室に向かった。人体とは全てが繋がっている。一部分の凝りを解しただけでは、すぐ元に戻ってしまう。……と、婆ちゃんが言っていた。
なので、マッサージをする時は基本全身をくまなくするようにしている。
今回も、本当は脚もやりたいんだがさすがに「ズボン脱いでこい」とは言えなかった。セクハラだからな。
「お、お待たせ……っ!」
「早かったな──」
声がした方に視線を向けて、そこに立っている頬を染めて視線を逸らした麗日を見て、俺は目を疑った。
上半身は黒のタンクトップを着ている。これ自体は、非常にエロいが想定の範囲内。
問題は下半身だ。麗日の肉付きの良い下半身は、薄い黒い布──タイツで覆われていた。
JK離れした大きな臀に、タイツ越しとはいえ、目を凝らせばその下の布切れが見えそうな鼠径部、そして、その名に相応しいサイズの太もも。
タンクトップもタイツもピッタリと体にくっついているせいで、麗日の体つきが一目で分かる。
腰は細く……は無いが、おっぱいと臀から下が豊満なので総合的に見たらとてもスタイルが良い。
なんというか、抱き心地が良さそうである。
「そんなジロジロ見んといてよ……。恥ずかしいやん」
「あいや、悪い。てっきり上だけ脱いでくるもんかと思ってたから……」
「私もそのつもりやったんよ、最初は。でも、マッサージするならズボン邪魔かなって。だから、脱いだ」
麗日は堂々と胸を張ってそう言った。……顔を真っ赤にしながらも、恥を捨てて俺のマッサージに向き合ってくれている事実に、俺は深い感銘を受けた。
「──麗日、お前の凝り、俺が全部解してやる」
「……お願いします!」
―――◆―――
「それじゃあ、次は足の先からやってくぞ」
「うん。……というか、ごめんね、真堂くん。色々してもらっちゃって」
タオルを敷いたベンチの上で仰向けに寝た麗日は、しみじみとした様子で天井を見上げている。そんな彼女を見て、思わず笑ってしまった。
「な、なんで笑うん?」
「麗日が、自分だけ得してる……みたいな雰囲気だすからだよ。俺だって、麗日に個性使うことが『振動』の鍛錬になってるんだぜ? 言わばギブアンドテイクよ」
「なら良いんだけど……」
どこかまだ納得出来てない様子の麗日。まぁ、そんなモヤモヤも、マッサージの気持ち良さで全部飛ばしてやろう。
まずは状態の確認からだ。ふくらはぎに触って、タイツの感触を邪魔に思いながら探っていく。
やっぱり結構凝ってるな。リンパも詰まってる。この調子だと太腿も背中も腕も、全身がこんな感じだろう。なかなかに腕が鳴る。
「よし、個性使うぞ」
「う、うん──っ♡」
個性を発動した手で、先程見つけた凝りを直接解きほぐしていく。むにゅりとふくらはぎが形を変え、麗日はその刺激に上ずった声を漏らした。
「んっ……、ふ、っ♡」
声を押し殺しているのが更にエロい。ふくらはぎをほぐしてリンパの流れも整えた俺は、少し勃起してきた息子に気づかない振りをして、次の部位──重力により形を変えた太ももに手を伸ばした。
「あ〜っ♡」
麗日の太ももは非常に柔らかく──まさにつきたての餅のような触り心地をしていた。
気を抜いたら無限に揉み続けてしまう。そんな太ももだ。凝っててもこうなんだから、万全の状態のポテンシャルが恐ろしいぜ。
「ちょっと強めるぞ」
「強めるって──おっ゛♡」
今のままの振動ではほぐせないと判断し、振動を強める。強弱が10段階ある電マだとしたら、今はその丁度半分くらいの強さだ。元は2とか。
倍以上の威力になった振動は、どうやら刺激が強かったらしい。麗日は腰を浮かせて、濁点混じりの嬌声を上げた。……イっては無い。多分。
「う〜」
顔をチラリ見ると、目の端に涙が溜まっていた。恥ずかしさと気持ち良さに感情が追いついていない様子だ。
……まぁ、そうなるよな。ただのクラスメイトに、タンクトップとタイツだけの姿でマッサージされて、ちょっと気持ち良くなってんだから。
「ふ〜。すう、はぁ……♡」
太ももの揉みしだきに耐えながら深呼吸をする麗日。ここもかなり整ってきた。揉み心地が大変素晴らしい。
タイツ越しなので少しザラザラしているが、それがまた生脚とは違った気持ち良さを伝えくれる。次は脚の裏側だな。
「脚、上げれるか?」
「う、うん。……うわ、これ恥ずかしい……♡」
足を立てて椅子の上に置いたことにより、麗日はいわゆるM字開脚のような体勢になった。
空いたスペースに腰掛けて、まず左の脚に手を伸ば──そうとして、M字開脚により強調された部位に視線が吸い込まれた。明らかに、色が
今まで意識的に、あまり見ないようにしていた。だが、一度目に入るともう、それに釘付けになってしまう。
タイツの1枚下にあるのは、白いショーツだ。それを超えて、麗日の愛液はタイツを濡らした。
「……じゃあ、触るぞ」
自分の下半身の状況をどれくらい把握しているのだろうか。発情した雌の表情をした麗日の、トロンとした目を見ながら、俺はそう言った。
もうちっとだけ続くんじゃ(マッサージ)
マッサージモノのAVで抜くくらいしかマッサージの経験が無いので描写が難しい。とりあえずリンパの流れを整えます