※この作品はR-18です。

俺の個性は『振動』。全身バイブ人間だ   作:dogman

21 / 35
リアルが忙しくて久々の投稿になりました。次話の終わりにはエッチできるんじゃないの…!!


第21話 二回戦(後半)

 

 

 

「さ、砂藤ーッ!」

 

 峰田の悲痛な……というよりは、プロレスを見ている時の親父のような叫びが木霊する。小さくため息をついて、俺は再び試合に集中する。

 塩崎は、少なくとも入試時点ではあんな必殺技──茨の巨人とでも言おうか──を持っていなかった。持ってたらあの時使ってだろうし。ということは、入学してから体育祭までの短い期間で、身につけたということになる。成長速度凄まじいなアイツ……。

 

『砂藤潰されたァー! こりゃ流石に戦闘不能──おおっ!?』

 

 茨の巨人の拳が、茨が引きちぎれる音を出しながら少し持ち上がった。次の瞬間、茨の拳は内側から爆ぜるように破裂した。ニヤッとした笑みを浮かべた力道が、拳を振り上げてその場に立っていた。

 

「こんなんで終わる力動じゃないぜ」

「お前は砂藤のなんなんだ?」

 

 轟の冷めたツッコミを無視する。塩崎は一瞬驚いたような表情を浮かべながらも、破壊された前腕から拳を即座に再生。なるほどな、ただ集めるだけじゃなくて、茨で筋繊維や関節を再現して巨人を操作してんのか。めっちゃ精神削りそうだなこれ。

 

『茨の巨人復活──した瞬間から破壊されたァ!! 砂藤のパンチ一発で消し飛んでるぞ!? どんなパワーだよアイツ!』

『……茨相手なら、手加減は要らん。手加減をしなくていいアイツは強いよ』

 

 力道の反撃が始まるかと思ったがそんなことはなかった。試合の展開は停滞している。力道が茨の巨人をぶっ壊しても、塩崎はすぐに再生する。こうなると、力道のシュガードープの効果が切れるか、塩崎が茨を再生できなくなるかの根比べになる。

 

「……うーん。惜しいなぁ」

「惜しいって?」

 

 俺のつぶやきを拾った葉隠が(おそらく)首を傾げながら言った。力道の超パワーと茨の超再生の戦いを見ながら、俺は口を開いた。

 

「力道だよ。咄嗟に手加減出来ねぇなら意味ないじゃん。勿体なさすぎるぜ、正直」

「相手が塩崎ってのもアレだよなぁ。やりづらいと思うわ」

 

 切島の言葉に同意する。力道はああ見えて紳士な男だ。女子供は殴らないタイプだろう。(ヴィラン)となれば話は別だろうが、相手は学友。殴らないで勝ちたいと思っているはずだ。

 

『おおっと!? 砂藤、動きが急に鈍くなったぞ!?』

『……決めきれなかったか』

 

 本当に勿体ない……いや、今回は塩崎が強かったな。茨の巨人、楽しみである。

 ボーッとした様子の力動を眺めながら、俺は席から立ち上がり、この場を後にした。

 

 

 

―――◆―――

 

 

『さぁさぁ二回戦最終試合! お前の相手女の子多いな! A組爆豪(バーサス)! 君の個性好きだぜ! 同じくA組、耳郎!』

 

「──お前、振動野郎のツレだな」

「ツレって……まぁ、そうだけど」

 

 芦戸と常闇の戦いは常闇の勝ちで終わった。司も言ってたけど、常闇はこのクラスでもトップ3に入るくらいには強い。だから、芦戸には悪いけど想像通りっちゃ想像通り。

 10m位先には、チクチク頭のヤンキー──爆豪勝己が居る。開始と同時に速攻をしかけてくると思ってたけど、どうやらそうじゃない。

 しかし、ツレて。本当にヤンキーだなこいつ。

 

「……別に、だからって訳じゃない。だが、……死ねッ!」

「情緒どうなってんの!?」

 

 意味わかんない! 爆破の反動で突撃してくる爆豪。

 眼前に迫った手のひらをなんとか交わして、爆豪の脇腹にプラグを刺そうとして──薙ぎ払われた腕によりウチの耳たぶは弾かれた。

 

「お前、()()だけだろ」

「……舐めんなっ、て!」

 

 獣のような凶暴な笑みを浮かべた爆豪に図星をつかれて、ウチは顔を顰めた。でも、プラグを刺して爆音の心音を体内に流したら、それだけで大抵の人間は動けなくなる。

 例外は司みたいに振動そのものへの耐性がある奴か、切島みたいに物理的に頑丈な奴くらい。つまり、当たりさえすればコレは爆豪にも効くってこと……!

 

『爆豪、やはり女子相手にも容赦なし! しかし耳郎もまけてねぇぞ!』

『身のこなしが軽いな。筋力で負けてる以上取っ組み合いは出来ない。距離を測りつつ隙を狙う。良い判断だ』

 

 プレゼントマイクと相澤先生の実況解説を聞き流しながら、ウチは息を整えた。

 

 

 

―――◇―――

 

 

 

「これは厳しい戦いになるな」

「相手バクゴーだしねー」

 

 試合に負けたというのにケロッとしている三奈は頭の上で手を組みながら伸びをした。必然的に胸が前に出る。峰田と俺の視線がそこに吸い寄せられる。おっぱいでけえ。

 

「ほら、試合に集中しないと」

「してるが」

 

 少しだけ口角を上げた三奈の言葉にそう返して、俺は意識を試合に戻す。……普段の爆豪相手なら響香にもワンチャンあったが、今の爆豪はなんか調子が良い。

 パワプロで言う絶好調と言った感じ。

 動きのキレ、読みの精度、個性の出力等、全てが昨日までの爆豪と違う。麗日との戦いが良い刺激になったのだろう。

 

 爆豪が絶好調と言っても、響香も押されてはいるが別に負けていない。爆豪の猛攻をいなしながら、隙を見てプラグを刺そうとしている。まぁ、そのほとんどは手前で叩き落とされて、たまに刺さる寸前まで行っても神がかった動きで避けられるのだが。

 

『耳郎、暴君爆豪の猛攻に耐える耐える! こりゃどっちが勝つかわかんねぇぜ!?』

 

「そりゃない」

「……ちょっと冷めてるね。真堂くん」

 

 俺の言葉を拾ったのは、先程まで俺と戦っていた男──緑谷出久であった。視線を向けると、腕にギプスを、頭に包帯を巻いた緑谷と、特に何の処置もされていない力道が廊下の入口に立っていた。

 

「おぉ、緑谷──に力道も。目覚めたか」

「おう。悪ぃな司、負けちまったぜ」

「アレは塩崎が強かった。仇とるから心配すんな」

 

 実際塩崎は強かった。あの個性の練度はとても高一のそれとは思えねぇからな。シンリンカムイ辺りに鍛えてもらえば更に性能が跳ね上がるだろう。取らぬ狸の皮算用だが、楽しみである。

 

「……手加減、ありがとう」

「デクくん……?」

 

 ステージに視線を戻そうとした時にかけられた言葉に、一瞬固まる。緑谷に訂正の言葉を送ろうとして、それはプレゼントマイクの実況によりかき消された

 

『おぉ! とうとう耳郎のプラグが爆豪に突き刺さる!! 爆音の心音が爆豪を襲う──が! 爆豪気にせず耳郎の腕を掴み爆走! どうなってんだアイツ!』

 

 響香の心音攻撃は決まった。だが、爆豪は止まらなかった。全身を震わせながらも響香の右腕を掴んで、左手の爆破で場外のギリまで移動し、勢いのまま響香を投げ捨てた。

 

『耳郎場外!! 爆豪三回戦進出だ! これでベスト4が出揃ったぜ!!』

 

「……行ってくる」

「うん。頑張って」

 

 クラスメイトの応援の声を背中に受けながら、俺は控え室目指して歩き出した。

 

 

 

―――◆―――

 

 

 

「あ、司……」

 

 ステージに繋がる廊下。その途中に、背中を壁に預けた響香が居た。一瞬目が合ったが、響香は気まずそうに逸らした。プラグの先を合わせてモジモジしている。

 思わず笑みがこぼれた。

 

「ちょ、笑わないでいいじゃん……」

「爆豪との試合、良かったぜ。俺を応援する為にここで待っててくれたのか?」

「うん。もう試合始まっちゃうから、あんま話せないけど」

 

 その気持ちが嬉しいって奴だな。力動の仇をとる為にも、そして響香の仇を取るためにも、ここは勝たなきゃ行けない。改めて心を決めていると、響香が両腕を開いた。

 

「ん」

「……ありがとう」

 

 響香の体は小さい。身長は154cmとかだから、俺とは大体25cm位の差がある。身長もそうだし体型も華奢だから、余計にそう感じるんだろう。

 少し力を入れたら壊れてしまいそうなほどにか弱いが、それでも確かな安心感を俺に与えてくれている。

 

「……もう大丈夫だ。行ってくる」

 

 十数秒かそれ以上か。響香の温もりをしっかりと感じた俺は、そう言って響香から離れた。……このままやってたら試合とかどうでも良くなりそうだったから、仕方ない。

 

「頑張ってね。司」

「──あぁ」

 

 響香の言葉を背中に受けて、俺はスタジアムへと足を踏み入れた。

 

 

―――◇―――

 

 

『──さぁ、とうとう準決までやってきたぜ! A組の色男、真堂司(バーサス)、B組最後の挑戦者(チャレンジャー)、塩崎茨!!』

 

「んだよその紹介……」

挑戦者(チャレンジャー)、ですか。悪くない響きですね」

 

 もっとこう、色々あるだろプレゼントマイク。まぁいい。意識を塩崎に戻す。正に敬虔な信者と行った様子で両手を組んで祈っている。目も閉じてるんだから、余っ程自信がある……というより、これはもうルーティンなのだろう。

 

『START!!』

 

 試合開始の合図が叫ばれると同時に、塩崎の瞼がゆっくりと開かれた。そして、髪──茨が怪しげに蠢く。

 アレ(茨の巨人)を出されても対処出来る自信はある。

 だが、出来ればその前に終わらせたい。地面を振動させた反動で移動する技──瞬歩で高速移動。

 

「──ッ!」

「殴るぞ……っと」

 

 リーチ内に入って塩崎の腹目掛けて拳を振る──が、それは茨によって防がれた。そのまま絡みついてくるソレを、振動を発散することにより弾く。

 四方八方から迫る茨。このままだと捕まって場外にぶっ飛ばされるな。思わず舌打ちが出る。最初の作戦は失敗だ。仕切り直す為にも、瞬歩で元の位置に戻る。

 

『真堂の速攻は失敗に終わる! さぁ、本日二度目、茨の巨人の降臨だァ!!』

 

 その隙を見逃す塩崎ではない。茨はどんどんと質量を増し、巨大な人型になっていく。近くで見ると圧巻だ。10mくらいあんじゃん、これ。

 ここで震界を叩き込んでもいいが、変身中は攻撃しないのがヒーローとしての礼儀だろう。

 

「──荊棘の巨人(ローズ・ゴリアテ)()()()の仮想敵から着想を得ました」

 

 巨人の頭部。額から上半身を出してそこで手を組み祈っている塩崎は、「それと……」と言葉を続けた。

 

「真堂さん。あなた、姦淫を行っているのですか?」

「……いや、全然。なんもしてない。マジで」

「その反応が答え、ですね。──失望しました」

 

 心底軽蔑した様子の言葉と共に、俺を目掛けて巨大な拳が振るわれる。瞬歩で避ける。凄まじい音と共に、先程まで居た地面が割れその衝撃が俺を襲う。

 

『おいおい塩崎! 火力がさっきの比じゃなくねぇか!?』

『何か話してたから、真堂が地雷でも踏んだんだろう。女の扱いには長けてそうだったが……』

 

 明らかに力動の時と気合いの入り方が違うじゃねぇか。衝撃を凌いでいる間に、次の拳が上から降ってくる。

 

「しゃらくせぇ」

「……!」

 

 避けてもキリがない。拳に振動のエネルギーを発現させて、巨大な拳を殴り返す。訪れた一瞬の静寂は、エゲツない爆音と崩壊する拳により破られた。

 

「んで再生……だいぶクソゲーだな」

「それはこっちのセリフ──」

 

 まるで進〇の巨人に出てくる巨人の再生力である。まぁ、道は出来た。瞬歩で飛び上がり、再生したての腕を駆け上がる。茨が足に絡みついて来ようとしてくるが、それを踏み潰して走る──やべ、掴まれた。

 

『おおっと! 真堂足を掴まれる──そのまま宙吊りだ! 滑稽!』

 

 足を掴まれて宙ぶらりんになり、次の瞬間には全身をぐるぐる巻きにするように茨で拘束された。パワーだけじゃなく速度もあるのが厄介なところだな。

 

「何か、弁明はありますか?」

「弁明……あぁ、さっきのか」

 

 淫姦がどうのこうのとか言うやつか。たしか、塩崎はキリシタンだったか。朧気な記憶だが、十戒とかに不貞行為を働くなとか書いてあった気がする。

 ここでウダウダ言い訳をしても、無駄に醜態を晒すだけだろう。ならここは──

 

「──ない。俺は女好きなんだよ」

「……そうですか」

 

 俺の回答を受けて、塩崎は心底失望した様子で言葉を吐いた。そして、巨人の拳を振り上げる。

 おい、まさかこのまま殴るつもり──

 

「──では、さようなら」

 

 緑の巨拳により、視界の全てが塗りつぶされた。

 

 

 




真堂:テレビに声乗る訳じゃないしこれくらいええかという甘い考え。女遊びている噂がある。どこから漏れたんだ……
緑谷:心に修羅を宿している。だけど主人公なので乗り越える。強い男やで
砂藤:強くなってるけど負けた。本当は真堂と戦わせようと思ったけど塩崎と戦わせたくなった。ごめんシュガーマン
耳郎:爆豪に負けた。でもやりきった感ある。悔しさは当然ある
塩崎:B組最強の女。エッチしたい。ちんちんで信仰を塗り替えたい

最近moreの告知見て8年後エリちゃんエッチだなって思ってる。ロリコンではないんだけど
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。