「緊張するね」
「もう受かったんだし、気楽に行こうぜ」
時は流れて雄英高校の入学式当日。響香は少し固くなっている。倍率300を超える雄英といえど、そこまで緊張する必要は無いだろう。
しばらく廊下を歩いていると、俺たちのクラス……A組の教室が見えた。
「ドアでか」
「バリアフリー的なやつだな」
俺の3倍くらいの高さがある扉に手をかけて、開いたた。教室の中に居た生徒たちの視線が集まる。その中の一人、メガネをかけた生徒がコチラに歩いてきた。
「俺は私立聡明中学出身の飯田天哉だ。君たちは?」
「ウチは耳郎響香」
「俺は真堂司だ。出身はどっちも辺須瓶中。よろしくな、飯田」
「あぁ、これからよろしく頼む! 耳郎さんに、真堂くん!」
「よろしく」
飯田は新しく教室にやってきた生徒に挨拶をしに行った。気の良い奴だな。好感が持てる。黒板に貼られた座席表を見た。俺たちの席は……。
「げ、ウチ一番前なんだけど」
「はは、ついてないな。俺は響香の後ろか」
一番前ということでうげーとししている響香。教卓の目の前だからな。気持ちは分かる。できることなら、後ろの方が良かったぜ。
まぁ、最初は出席番号でも、後々席替えあるだろうし、それまでの我慢だな。
「てか一クラス20人って少ないよね」
「たしかに。中学ん時の半分だぜ。すくねえ」
席に座って響香とだべっていると、ガラッと勢いよく扉が開かれた。入ってきたのは、金髪トゲトゲの男。早速制服を着崩してる。アイツも受かったんだな。
お、また目が合った。
「チッ」
舌打ちはないだろうが。男は黒板の席表を見て、スタスタとコチラに歩いてくる。響香の横を通って、トゲトゲ男は俺の隣の席に座った。早速机に足を乗っけている。凄いな。
「真堂司だ。あんたは……爆豪か。よろしくな」
「あぁ!? 誰がお前とヨロシクすんだよデクモドキが!」
「デクモドキ? なにそれ」
「入ってくんな耳女!」
おいおい。性格までトゲトゲしてるじゃねえか。てかマジでデクモドキってなんだよ。そんなことを考えていると、爆豪は教室の入口を見て口を開いた。
「デク……」
視線をそちらに向ける。そこには、飯田と話している二人の生徒がいた。爆豪はどうやら、緑髪のもじゃもじゃくんをデクと呼んでいるらしい。
「あれが本家デク? 全然似てないじゃん」
「……うっせえよ」
「お、急に元気なくなったな。なんだ、デクにイジメられてたのか?」
「逆だわクソが!」
「ヒーローがイジメとかしちゃダメでしょ……」
響香はドン引いている。うむ。ガチでイジメてたなら、かなりのカスである。まぁ、売り言葉に買い言葉な感じもあるしな。多分ノリで言ったんだろう。
「お友達ごっこがしたいなら他所へ行け。ここはヒーロー科だぞ」
教室の外から、もごもごとした声が聞こえてくる。デクと少女の後ろに、寝袋に包まれた不審者が居た。凄いな、雄英。こんなのも居るのか。
「ハイ。静かになるまで8秒かかりました。君たちは合理性に欠くね」
寝袋から出ながら、不審者はそう言った。髭がすごいことになってるぞ。何日剃ってないんだ。
「担任の相澤消太だ。よろしくね」
まさか、この不審者が……いや、相澤先生が、俺たちの担任なのだろうか。清潔感の無い大人だ。だが、どこかで見たことがある気がする。どこだろう。
「早速だが、
相澤先生は寝袋から体操服を取り出してそう言った。どこに入れてんだよ……!
―――◇―――
「いやぁ、個性把握テストは大変でしたね……」
「何その口調」
「気分」
飯田の爆走や、緑谷の指骨折。爆豪の暴走など、色々なことがあった。最終的に、俺は5位だった。まぁ、そこそこ健闘した方だろう。
「ね! ずっと気になってんだけど、あなた達はカップル?」
下校の準備をしていた俺と響香に、そんな声がかけられた。視線を向けると、そこにはピンク色の肌と髪、そして黄色い触覚が特徴的な少女──芦戸三奈が居た。
芦戸は多分このクラスの女子の中で一番運動神経が良い。50m走で見せた、酸で滑りながら全力疾走する姿には凄まじい身体能力を感じたぜ。
あと発育が良い。おっぱいもデカいし、なにより太ももが太い。制服のスカートから見える足に目を向けないのは、並の精神力では不可能だろう。
「か、カップルとかじゃないけど」
「へ〜、そうなんだ……ね、連絡先交換しよ!」
足に夢中になってると会話が進んでいた。
どうやら、連絡先を交換する流れになったらしいので、ヒンスタで繋がった。お、早速DMが来たぞ。なになに、「足見てる?」、だと?
顔を見て話しているつもりだったが、どうやら俺は無意識のうちに足を盗み見ていたらしい。恐る恐る芦戸の顔を見ると、いたずらっぽい目が俺を見つめていた。
「よし。それじゃ、また明日ね!」
「うん。また明日」
「あ、あぁ。またな」
芦戸は元気良く去って行った。なにも言われなくてよかったぜ。どうやら、響香にもバレてない様子だ。
しかし、これから芦戸と会うのちょっと気まずいな。エロい目で見てることがバレちまったよ。
「よし、ウチらも帰ろ」
「あぁ、今日は疲れたぜ……」
肉体的にも精神的にも疲れた俺は、響香とだべりながら帰宅した。
―――◆―――
「わーたーしーがー!! 普通にドアから来た!!!」
雄英高校二日目。ヒーロー基礎学を担当するのは、あのオールマイトである。
「オールマイトだ、すっげぇ!」
「
俺は今猛烈に感動している。オールマイトだぞ、オールマイト。言わずもがな俺の憧れ。ヒーローを目指したのも、彼がきっかけと言っても過言では無い。
「ヒーロー基礎学、ヒーローの素地を作るため、様々な訓練を行う科目だ!! 早速だが今日はコレ、戦闘訓練!」
オールマイトは「BATTLE」と書かれたプレートを見せながらそう言った。戦闘訓練、個性把握テストはぼちぼちだったが、こっちは自信があるぞ。
「そしてそいつに伴って……こちら!!」
オールマイトがそう言うと、ゴゴゴという音を立てて壁が動き出す。
「入学前に送ってもらった個性届と要望に沿ってあつらえた……
「おおお!!」
「着替えたら順次グラウンドβに集まるんだ!」
「「「はーい!!」」」
―――◇―――
「……あんた、筋肉すごいな」
「んお、そうか? サンキュー!」
男子更衣室。俺は、隣で着替えていたマッチョメンに思わず声をかけてしまった。名前はたしか……砂藤力道。
個性はシンプルな増強系で、昨日の個性把握テストではそれなりの成績を残していた。
まるで彫刻のような上半身。分厚い胸板に、盛り上がる肩と首周り。無駄な贅肉は一切無く、腹筋は綺麗なシックスパックだ。腕は太く、見るだけで安心感を覚えてしまう。
俺が女だったら惚れていただろう。
「あんたも中々いい身体してるぜ」
「真堂司だ。司でいいよ。俺も、尊敬を込めて力動と呼ばせてもらう」
「おう! これからよろしく頼むぜ、司!」
サムズアップしながらそう言った力動。既に様になっているな。彼はきっと、オールマイトのようなヒーローになることだろう。
「おーい、そろそろ出るぞ〜!」
「悪い、今行く」
戦闘服に着替えた俺たちは、グラウンドβへと向かった。
―――◆―――
「お〜、……八百万やべえな」
「な。あれはハレンチですわ……」
「誰だお前」
紫色のぶどう頭が話しかけてきた。いやはやしかし、八百万百。彼女は半端ない。なぜ谷間を露出しているんだ。というかへそまで出してるんだ。
「始めようか有精卵共!! 戦闘訓練のお時間だ!!!」
「有精卵……オールマイトってちょっとエッチだよな」
「派手にエロいよ」
「おま、そっち系かよ……」
ぶどう頭はうげえとした顔を浮かべて俺から距離を取った……と思ったら、のそのそと戻ってきた。
「まぁ、性癖は十人十色。オイラは、お前も認めてやるぜ」
「なんだお前……。名前は?」
「峰田実。エロの伝道師、さ……」
キメ顔をしている峰田。悪い奴では無さそうだ。むしろ良い奴そう。
「──君らにはこれから、敵組とヒーロー組に別れて2対2の屋内戦を行ってもらう!」
「話聞いてた?」
「ああ」
「マジかよ……」
どうやら峰田は話に夢中でオールマイトの言葉を聞いてなかったらしい。ふざけた野郎だぜ。
「基礎訓練もなしに?」
「その基礎を知る為の実践なのさ! ただし、今度はブッ壊せばオッケーなロボじゃないのがミソだ」
人間相手だもんな。個性ぶっぱなしてはい終了とは行かないってわけか。話に食らいつこうとしている峰田をほっといてそんなことを考えていると、おっぱいのデカイ八百万を皮切りにみんな質問をし始めた。
「勝敗のシステムはどうなりますの?」
「ブッ飛ばしてもいいんスか」
「また相澤先生みたいな除籍とかあるんですか……?」
「このマントヤバくない?」
「んんん〜聖徳太子ィィ!! いいかい!? 状況設定は敵がアジトに核兵器を隠していて、ヒーローはそれを処理しようとしている! 勝利条件は、ヒーローは制限時間内に敵を捕まえるか、核兵器を回収する事。敵は制限時間まで核兵器を守るか、ヒーローを捕まえる事!」
メモを見ながらそう言ったオールマイトは、いそいそと箱を取り出した。
「コンビ及び対戦相手はくじだ!」
「適当なのですか!?」
「プロは他事務所のヒーローと急遽チームアップすることが多いし、そいうことじゃないかな……」
「そうか……! 先を見据えた計らい……。失礼いたしました!」
「いいよ!! 早くやろ!!」
本家デクと飯田は相性が良いな。まず、コンビを決めるくじ引きが始まった。俺の番が来て、引いた。お、「I」だ。
「響香とは別だな」
「ね。せっかくなら一緒が良かったのに……お、アイツが私のコンビか……」
「俺のコンビは──あんたか」
足音も立てずに近づいてきた相手に対しそう言う。多分、静音性のある靴かなんかを履いてたんだろうが、俺には効かない。
少しキメ顔をしながら振り返ると、そこには手袋が浮かんでいた。あれ?
「……君、よく分かったね」
この女、服を着ていない。
呼吸や筋肉の動き、そしてコチラに歩いてきた事で感じる空気の揺れで、少し興奮してしまう。全裸の人間から伝わる揺れに興奮するのは、俺と兄貴くらいだろう。
「俺は真堂司だ。よろしく頼む」
「私は葉隠透! ねね、なんで分かったの?」
首を傾げながらそう聞いてくる葉隠。無垢な仕草をしているが、俺はそれどころでは無かった。
正直に言うと、エロすぎる。全裸ということで、当然おっぱいを支えるものは何も無い。ぶるんぶるんのぶるんぶるんだ。おまんこだって丸出しだぜ。
「……個性の影響だ。俺は、空気の揺れを感じられる。この距離だったら、筋肉の揺れやらなんやらで人の有無を感じられる」
「はえ〜、そうなんだ。私の天敵じゃん!」
「続いて最初の対戦相手はこいつらだ!!」
葉隠と話している間に、どうやら全てのコンビ決めが終わったらしい。
「Aコンビがヒーロー! Dコンビが敵だ! 敵チームは先に入ってセッティングを! 5分後にヒーローチームが潜入でスタートする。他のみんなはモニターで観戦するぞ!」
お、AとDって、本家デクと爆豪の戦いじゃん。面白いことになったな。まぁ、麗日がどっちも触ったらそれで終わりだ。勝敗は目に見えているだろう。
―――◇―――
「いやぁ、えぐかったな。緑谷」
「ね。頭良いわ」
「でもやっぱ爆豪の戦闘センスは頭抜けてるぜ。俺がアレ持っててもあそこまで使える自信ねーわ」
「私もー」
前言撤回である。爆豪の戦闘センスと緑谷の頭脳を見誤っていた。興奮しちまったぜ。
響香と響香のコンビである上鳴、俺のコンビである葉隠と一緒にだべっていたら、緑谷以外の戦っていたメンツが戻ってきた。緑谷はどうやら保健室に行ったらしい。まぁ、ボロボロだったし仕方ないと思う。
「まぁつっても……今戦のベストは飯田少年だけどな!!!」
「勝ったお茶子ちゃんか緑谷ちゃんじゃないの?」
「何故だろうなぁ〜〜〜? わかる人!?」
「ハイ、オールマイト先生」
八百万が一番に手を挙げた。オールマイトが続きを促すと、八百万は堂々とした様子で言葉を続けた。おっぱいでけえ。
「それは飯田さんが一番状況設定に──────ヒーローチームの勝ちは訓練だと言う甘えから生じた反則のようなものですわ」
それとなくおっぱいを眺めていたら話し終わっていた。やべ、なんも聞いてねえ。
「ま、まあ、飯田少年もまた固すぎる節はあったりする訳だが……まあ、正解だよ。くぅ……!」
「常に下学上達! 一意専心に励まねければトップヒーローになどなれませんので!」
お嬢様っぽいな。なんか。そんなお嬢様がどうしてこんなにエッチな戦闘服を着ているのだろうと考えていると、次の試合の組み合わせが発表された……俺らじゃん。
「がんばろ、真堂くん!」
「あぁ。勝つぞ」
腕を上げておー、という葉隠。
おっぱいがぷるんと揺れた。
コミュ障なのであまりコメントへの返信はしませんが、コメントや評価が励みになりこの二次創作は書かれています。ありがとナス