「いやぁ、今日も飯が美味い」
「毎日言ってない?」
「マジでうめぇんだもん」
本当に美味いんだから仕方ないだろう。突っ込んでくる響香にそう返して、俺は白米をかき込んだ。
炊きたての米。陳腐な表現になるが、味に深みがあって、これだけで米が進みそうだ。一体なんのブランド米を使っているんだランチラッシュ……!
「ね、カツ一個ちょーだい」
「……」
俺の隣に座っている響香をチラッと見て、響香が小さく頷いたので三奈の言葉に答える。
「いいぞ。焼肉と等価交換だ」
「美味しそ!ありがと!」
三奈の焼肉定食から肉を一枚拝借する。これマジで美味いんだよな。今日の授業の話や、近々あるヒーロー基礎学の話をしながら飯を食べていると、肩を叩かれた。
「……真堂くん、放課後時間ある?」
「麗日か、どうした藪から棒に」
そこに居たのは、少し頬を赤くした麗日。
なんの用だろうか。
「発目の……サポート科の工房寄ってからでよかったら行けるけど、なんだ?」
「……ちょっと、
「あぁ、アレか。いいぞ。……なら二人がいいか、ゲロ吐いてるとこ見られたくないだろうし」
「……うん、それで、お願い」
そうとだけ言って、麗日はその場から立ち去った。
麗日も、職場体験を経て更に強くなっている。それなのにまだ上を目指そうとは、向上心の塊だな。
前の訓練で何をしたのかをすっかり忘れてしまった俺は、三奈から貰った焼肉を呑気に頬張ったのであった。
───◇───
「──発目、いるか?」
「メルエムみたいな入り方ですね! いますとも!」
放課後。俺はコスチュームが入ったケースを持って、サポート科の工房を訪れていた。
どうやらパワーローダー先生は留守らしく、工房の中では発目が一人で機械をいじっていた。
「ちょっと作って欲しいものがあってさ。振動の位相とか、どこから発生してるとかが分かるやつ。作れるか?」
「作ります! 時間はかかるかもしれませんが!」
目をキラキラさせながらそう言った発目。
何を頼んでも作ってくれそうな勢いである。ちょっと無茶ぶりしてみるか……。
「訓練の為に重力室欲しいんだけど……」
「──それは無理です!」
流石に無理だった。まぁ、そもそも作れるとは思っていない。作ってくれた振動球のことを話そうと思ったら、発目が「ただ……」と言葉を続けた。
「科学は個性の進化と共に発展していますから、いつかはできるかもしれないですね。その開発者が私とは限りませんけど……」
「発目以外に開発できる気しねぇけどな」
そもそも、昔の漫画に出てきた架空の施設だからな。
それをこの世界に作り出せるとしたら、根津校長に似た個性を持つ天才か、発目くらいだろう。
「……話変わるけど、シャンプー変えたか?」
「な、なんですか急に! 変えましたけど!」
何気なく口にした言葉に、発目は顔を赤くして機械いじりの手を止めた。……前回はかなり汗の臭いがしていたし、言葉を選ばずに言うと全体的に少し汚れていた。
だが、今日はそれがない。良い匂いがするし、小奇麗だ。
「悪い。良い匂いしてさ」
「あなたって少しキモイですよね。……まぁ、私は気にしませんけど」
ぷいと顔を逸らした発目の耳は、少し赤くなっていた。
「次のヒーロー基礎学明後日だから、振動球返しとくわ。溜めとくか?」
「……お願いします。満タンで」
親指サイズの振動球にエネルギーを注入する。
最初は数秒で満タンになっていたのに、今では数分かかる。容量も、初期の100倍くらいになってんじゃないか。
「振動エネルギーを増幅する、とかできたら面白いんだけどなぁ」
「……そんなすぐにはできませんよ」
無茶を言うなと言いたげな発目。
パツパツなタンクトップで強調された乳を横目に、俺は振動球にエネルギーを溜めたのであった。
―――◆―――
「悪い、待たせたな。早速訓練室を──」
「……違うやん」
工房の外で待っていた麗日と共に訓練室へと向かおうとすると、麗日は俺の制服の裾を引っ張りながらそう言った。
何が違うんだ? 疑問に思いながら振り返ると、麗日は顔を赤くしてすこし俯いていた。
「どうしたんだよ」
「…………」
俺が聞いても、麗日は俯いたままだ。恥ずかしそうにスカートの裾を握って、口を開いた。
「……マッサージ、してくれん?」
──完全に理解した。そういえば前にした訓練の後、麗日にちょっとエロいマッサージをしたんだった。それとイラマチオも。すっかり忘れていた。
「場所は? 俺の家でもいいけど」
「……真堂くんの家の方が近いんやっけ」
「電車乗らねぇからな」
「じゃあ、そっちで」
俯いたままの麗日を連れて、俺は家に帰った。
―――◇―――
「お、お邪魔します……!」
妙にかしこまった様子で靴を脱いだ麗日は、ぎこちない動きで家に上がった。
「いらっしゃい。とりあえずシャワー浴びるか?」
「……お借りします」
「服はどうする? 響香の着るか?」
「……それはなんか、めっちゃ悪いことしとる感じにならん?」
「いいだろ別に。どうせヤるんだから」
俺がそう言うと、麗日は顔を真っ赤にして、何かを言おうと口をぱくぱくさせる。結局言葉は出てこなくて、麗日は恥ずかしそうに顔を伏せた。
「あれ、普通のマッサージして欲しかったのか?」
「……ううん」
「ならそんな恥ずかしがんなよ。もう家まで上がってんだからさ」
そもそも、頼んできたのは麗日である。ストックしてあった響香の寝巻きを、まだ固くなっている麗日に渡して、風呂に案内する。
「わ、めっちゃ色々あるやん」
「好きに使っていいぞ」
軽い説明を終えた俺は部屋に戻って、新調したばかりの椅子に腰かけた。そして、スマホを取り出して、響香に状況を説明するメッセージを入れた。
「おっ、はや」
帰ってきたのは「やっちゃえ」という簡潔なメッセージ。
「……はぁ」
小さくため息をついた俺は、麗日がシャワーを終えて出てくるのを、天井を見上げながら待っていた。
―――◆―――
「お、お待たせ」
響香の寝巻き……それすなわち、サイズが小さい。
サイズが小さいということは、まぁ、麗日がそれを着たら特定部位が強調される。つまりおっぱいだ。
「しっかし、麗日の方から誘ってくるとは思わなかった。あん時やりすぎたな〜ってちょっと反省してたんだよ」
「……それは、しかたないやん。真堂くんも分かってて
俺がしたのはただの健全な振動マッサージである。
ぽふんとベッドに腰かけた麗日は、マットレスの柔らかさに感心した様子で腰を動かした。
「おい、途中で脱いできたのは麗日だろ?」
「……うるさい。てかこのベッドめっちゃ柔らかない?」
「爺ちゃんが入学祝いで買ってくれたんだよ。調べたら高すぎてビビったわ」
「……前から思っとったんやけど、真堂くんてお金持ち?」
ベッドにぐでーっと倒れ込んだ麗日。その言葉には、少しの羨ましさというか、そういうものが含まれていた。
「まぁ、地元じゃ少し有名な解体屋の倅だな」
「えー、あん時教えてくれとったらよかったのに」
「貧乏エピを聞いた後にちょっと金持ってますって言えるか?」
たしかにと呟いた麗日はむくりと起き上がった。
「じゃあ教習所のお金も父さんが?」
「……まぁ、会社の仕事手伝って貰ったこづかいから出してはいるが、そうだな」
「いいなぁ……」
しみじみと呟いて、ベッドボードに置いてあったそれを手にとって、見せつけてくる。
「コレも?」
「……まぁ、うん」
未開封のコンドーム。健全な性活を送るための必需品を、指でつまんでゆらゆらとしている。変な気まずさに居心地の悪さを感じていると、麗日がため息をついた。
「てか、飯食ってる時ちょっと様子変だったが、もう大丈夫なのか?」
空気を変えようと口にすると、麗日は少し恥ずかしそうに下唇を噛んだ。
「真堂くんのマッサージってさ、なんか、副作用とかある?」
「副作用? んなもんないが」
「ないんやぁ……」
麗日は天を仰いだ。すくなくとも俺が把握している範囲では副作用などない。
「なんかあったのか?」
「……」
顔を赤くして、黙り込んでしまった。そんなに言いたくないことなのだろうか。しかし、施術する側としては、判明した副作用を見過ごすわけにはいかない。
「……っ♡」
真剣に麗日の目を見つめ、続きの言葉を待っていると、麗日は恥ずかしそうに目を逸らした。
「おい、なんだよ」
「…………あのマッサージしてもらってからさ、なんか変なんよ。一人でえっちなことしても全然イけんし、その……電マとか買ってみても無理で」
ところどころつまりつつも言い切った麗日は、目に涙を浮かべながら俺の様子を伺っている。
「……身体があの刺激に慣れちゃったのかもな」
「ちょ、そんな軽く言わんで。……響香ちゃんはどうなん? やっぱり真堂くんとじゃないと──」
「んなことはない。一人でもできてるよ」
反射的に言葉を返す。ハシゴを外された麗日は、悔しそうに拳を握った。
そして、どこか吹っ切れた様子で口を開いた。
「…………まぁでも、真堂くんのせいでこうなっちゃったんやし、責任は取るべきやと思わん?」
◇
「まだシャワー浴びてないんだが」
「細かいことはもうよくない? はやくしよ♡」
麗日は俺の手を取り──個性を発動した。
身体が宙に浮く。抵抗する間もなく、麗日は器用に俺をベッドに寝かせてその上に乗った。
「はぁ……♡ はぁ……♡」
「ちょ、お前本当に大丈夫か」
荒い呼吸。それと、服越しに感じる高い熱。
恥ずかしさで顔が赤くなっていたと思ったが、それは間違いだったらしい。いや、赤くなる理由に興奮も混ざっていただけで間違いではないのだが。
「しかたないやん。ずっとイってないんやからさぁ♡」
「ずっとって、ずっとか?」
ずっととはずっとなのだろうか。
「ずっと。オナニーする度に余計ムラムラしてほんまに辛かったんよ」
「……性欲くらい我慢しろよ」
「真堂くんだけには言われたくないんやけど!?」
性欲に呑まれていてもツッコミは入れてくるか。
感心していると、ズボンと一緒にパンツが剥かれた。なんの抵抗もできなかった。無重力状態、恐ろしいぜ。
「ぜ、全然勃起してないやん! な、なんで……」
「こう、情緒というか、ね」
こんなにグイグイ来られると、息子も緊張してしまうというか、なんというか。
「あんだけ乗り気やったのにそれはなくない……!?」
「素股したら勃起するかも」
「……っ♡」
通常状態のちんこを勃起させるには、刺激を与えるのが1番である。軽い冗談のつもりで言ったのだが、真に受けた麗日はショーパンとショーツを脱いだ。
「あっ♡」
俺の息子が麗日のまんこに押しつぶされた。
限界を迎えているというのは嘘じゃなかったらしい。既に信じられないほど濡れている。
「こ、これでいいん?」
こすこすと腰を前後させる麗日。
さすがにこんなことをされてしまっては、俺の息子はそれはもう大変元気になる。
「……よし、ゴムつけてさっそく──」
「いや、ちょっとこのままして欲しいかも」
「……挿入せんでってこと?」
「うん」
俺の言葉に、彼女はどんな感情を抱いたのだろうか。
少し顔を顰めた麗日は、ゆっくりと素股を再開した。
しかたないなぁと言わんばかりの腰使いである。どんな腰使いだよ。
「真堂くんってさぁ、やっぱちょっと変態よね?」
「それが俺の
「めっちゃ堂々と言うやん……」
だがしかし、彼女持ちと分かっているクラスメイトとセックスをしようとしている麗日も、かなりの変態なのではないだろうか。口には出さないけど。
「……んっ♡ はぁっ♡」
俺の息子にクリトリスを擦り付けて感じている様子だ。
徐々に呼吸が荒くなってきて、腰の動きが激しくなってくる。
「ねぇ、さっさと
「おぉ……!」
ぶっちゃけもう射精しそうである。そのまま射精しようとして──ふと、とある考えが脳裏をよぎった。
十中八九断られるだろう。それが分かっていても、俺の口は止まらなかった。
「……なぁ、射精の瞬間だけちんこ入れていい?」
「い、いい訳ないやろ……!?」
普通に断られた。だが、押せば行けそうである。
頼む。先っちょだけだから──。
真堂…素股が好き。射精の時だけちんこ入れたい。
麗日…ムラムラが限界を迎えた。性欲解消だからこれは浮気じゃない。だから何も悪いことはしてない。ほんまか?
発目…気になる男の子が出来て身だしなみに気を使い始めたらしい。重力室を本当に作れないのか調べ始めた。
耳郎…自分の部屋で真堂と麗日のセックスを想像して過酷なオナニーをしている。今までのオナニーで一番気持ち良かったらしい。
葉隠…あの後パンツの臭いを嗅ぎながらオナったらしい。拳藤が着替えに来てドキドキしながらイったとかイかなかったとか。