第3話:蜜月の教育と、制服の下の秘密
――それは、水神小夜にとって、世界が裏返るような夜だった。
エノルミータのアジト。天蓋付きのベッドの上。
視界が涙と涎、そして溢れ出る愛液で白く霞む中、小夜は自分の最も恥ずかしい姿を、クラスメイトに見せつけていた。
「あぁっ、ひぅ、ぎぃ……っ! 柊さん、そこっ、壊れる、おかしくなるぅ……ッ!」
部屋には、卑猥な水音だけが支配的に響き渡っていた。
グチュ、グポォ、ズリュ……。
小夜の秘部は、うてなが召喚した無数の触手と、ピンク色に発光するローターによって徹底的に蹂躙されていた。
敏感なクリトリスは容赦なく振動を与えられ、未開発だった窄まりは、ぬるぬるとした粘液を垂れ流す触手によって強引に押し広げられ、掻き回されている。
「すごい……。委員長の中、すごく熱くて、ドロドロじゃない……」
うてなは興奮で頬を紅潮させながら、その光景を食い入るように見つめていた。
クラスでいつも澄ました顔をしている優等生が、今は自分の手の中で、白目を剥いて涎を垂らし、獣のように腰を振ってイき狂っている。
その冒涜的な背徳感が、うてなの嗜虐心を暴走させていた。
「いや、いやぁっ! もう無理、許して、あがっ、あああああッ!」
小夜が首を振って拒絶の言葉を吐く。だが、その腰は快楽を求めて自ら触手を飲み込もうと、卑しく吸い付いていた。
真面目な理性が「駄目だ」と叫ぶほど、開発された淫らな身体は「もっと汚して」とねだる。
シーツには彼女から溢れた大量の潮と汗が染み込み、濃密な雌の匂いを放っている。
「壊れていいのよ、小夜さん。……ほら、こっちを見て」
うてなが小夜の汗ばんだ顎を掴み、無理やり目を合わせさせる。
眼鏡を外した小夜の瞳は、焦点が合わず、とろりと濁りきっていた。
「貴女を犯しているのは誰? 貴女のご主人様は誰?」
「あぅ……っ、貴女です……柊さん……うてなちゃん……! 私の、ご主人様ぁ……!」
名前を呼んだ瞬間、小夜の中の何かが完全に決壊した。
雲の上の存在だった「マジアベーゼ」ではない。
毎日教室で顔を合わせる、地味で大人しい「柊うてな」。
彼女に、身も心も、処女(はじめて)も、尊厳も、すべてをドロドロに溶かされる。
「んっ……ぶる、ああぁぁぁぁッ!!」
限界を超えた絶頂が小夜を襲う。
シーツを握りしめた指が痙攣し、背中が弓なりに反り、喉からは人間とは思えないような甘い鳴き声が迸る。
頭の先から爪先まで、電気ショックを受けたような快感が駆け巡り、小夜の意識を白く、粘っこく塗り潰した。
「はぁ……はぁ……ご主人、様……♡ もっと、もっと……」
事切れたように脱力した小夜は、うっとりとした目でうてなを見上げ、だらしなく舌を出して求めた。
その表情にもはや羞恥の色はない。あるのは、所有されることへの深い安らぎと、底なしの依存だけだった。
「いい子ね。……今日から貴女は、私のものよ」
うてなが小夜の額にキスを落とす。
その夜、聖女は死に、忠実で淫らな雌が生まれたのだった。
◇
翌朝。
カーテンの隙間から差し込む朝日が、昨夜の情事の残り香――精液に似た花の香りと、強烈な雌の匂い――が漂う部屋を照らしていた。
キッチンから、トントントン……と、小気味よい包丁の音が響いている。
だが、その光景は異様だった。
「ふふ、上手ね小夜さん。腰の使い方がとっても素敵」
「は、はい……ありがとうございます、ご主人様……っ」
コンロの前に立つ小夜は、顔を真っ赤に染めながら味噌汁を作っていた。
その身に纏っているのは、うてなが用意したフリル付きの白いエプロンのみ。
昨夜たっぷりと愛でられた背中からお尻にかけての曲線は丸出しで、動くたびに豊かな胸がエプロンの横から零れ落ちそうに揺れている。太ももには、昨夜の触手の跡が赤く生々しく残っていた。
そして首には、黒革の首輪が所有の証として鎮座していた。
(恥ずかしい……。キウィさんたちも見てるのに……私、中がまだヌルヌルしてる……)
リビングでは、レオパルト(キウィ)が「うわぁ……朝から濃いな……」とドン引きし、ネロアリス(こりす)が無言で目を輝かせてスケッチしている。
衆人環視の中での裸エプロン。
だが、昨夜開発された小夜の身体は、その視線すらも快感に変えていた。秘部は昨夜の感覚を思い出してひくつき、エプロンの裾から愛液が糸を引いて垂れそうだ。
(見られている。ご主人様の所有物として、無様な姿を晒している……)
その事実が脳髄を痺れさせる。
小夜はお盆を持って、うてなの待つテーブルへと運んだ。
完璧な手際で作られた朝食。だが、小夜はそれを置くと、そのまま床に這いつくばった。
「……何してるの?」
「ペ、ペットは……床で食べるのが作法だと、本で読みましたから」
小夜は潤んだ瞳でうてなを見上げ、スカートを履いていないお尻を高く突き出した。
一度「ペットになる」と決めた以上、彼女は誰よりも優秀で卑しいペットであろうと努力してしまうのだ。
「……っ!?」
(すごい……! 私の想像を超えてくる……!)
うてなは顔を赤くしながらも、震える手でスプーンを持ち、残った味噌汁を小夜の口元へ運ぶ。
小夜は嬉しそうに舌を出し、犬のようにハフハフと音を立ててそれを啜った。
「んっ、じゅる……♡ 美味しいです、ご主人様……」
口の端から汁を垂らしながら微笑むその顔は、完全に理性が溶け落ちていた。
◇
朝食を終え、登校の時間が迫る。
うてなの部屋で、小夜は制服に着替えていた。
「……小夜さん。今日から学校に戻るわけだけど」
「はい」
「分かってるわね? 貴女の心臓も、その体も、全部エノルミータのものだってこと」
うてなはベッドに座り、着替え中の小夜を見下ろす。
小夜はブラウスのボタンを留める手を止め、艶然と微笑んだ。
「もちろんです。……そのために、これを着けていくんですよね?」
小夜の手には、昨夜も使用された怪しげに光る二つの「玩具」が握られていた。
一つは、胸の先端を挟んで刺激する、ピアス型の魔力クリップ。
もう一つは、下着の中に仕込むための、遠隔操作可能なローター。昨夜の愛液でまだ少しぬめっている。
「……ええ。下着は禁止よ。素肌にそれを着けて、一日過ごしなさい」
「はい……♡」
小夜は躊躇うことなく、清潔な白いブラジャーとショーツをゴミ箱へ捨てた。
そして、うてなの目の前で脚を広げ、自らの手でそれらを装着していく。
「あぅっ……! つめた、い……んんっ……!」
秘部に異物が埋め込まれる感覚に、小夜が甘い声を漏らす。
まだ敏感になっている粘膜に玩具が擦れ、新たな蜜がじわりと滲み出す。
胸元では、敏感な突起がクリップによって強く挟まれ、すでに充血し始めていた。
「ふふ、似合ってるわよ委員長。……制服を着てみて」
言われるがままに、小夜は制服を纏う。
鏡の前に立つ彼女は、どこからどう見ても「清廉潔白な優等生、水神小夜」だった。
きっちりと留められた第一ボタン。膝丈のスカート。整えられた髪 。
だが、その制服の下では。
ノーブラの胸が擦れて痛みと快楽を発し、股間には常に振動する異物が埋まり、太ももには昨夜の情事の跡が隠されている。
「どう? 感想は」
「……最高です。服が擦れるたびに、昨夜のことを思い出して……自分が誰のものか実感できます……中が、熱いです……」
小夜は自身の体を抱きしめ、うっとりと鏡の中の自分を見つめた。
「学校で、先生と話している時も、授業を受けている時も……私だけが、ご主人様に繋がれている。……想像するだけで、頭がおかしくなりそうです」
その瞳は、完全に「雌」の色に染まっていた。
うてなは、昨日の戦闘で回収した「砕けた変身アイテム(アズールの髪飾り)」を小夜に手渡した。
「マゼンタたちには、こう言いなさい。『エノルミータに襲われて、変身能力を壊された』って」
「はい。……ふふ、あの子たち、きっと泣いて私を慰めてくれるでしょうね」
小夜は壊れた髪飾りを受け取ると、冷ややかに、そして愛おしそうに笑った。
「私がこんなに気持ちよくなっているとも知らずに……。滑稽で、可愛い親友たち」
カバンを持ち、玄関へ向かう二人。
うてなのポケットには、小夜の快楽を支配するリモコンが入っている。
「行きましょう、ご主人様。……私たちの『教室』へ」
ドアが開く。
光溢れる通学路へ足を踏み出した瞬間、小夜の表情は「真面目な委員長」の仮面を完璧に被っていた。
ただ、その頬が微かに紅潮し、内股がわずかに震え、時折恍惚とした吐息が漏れることだけを除いて。
(第3話 完)