保健室のベッドを抜け出し、小夜は廊下を急いでいた。
先ほどまで付き添ってくれていた薫子には、「少し寝たら楽になったから、顔を洗ってくる」と嘘をついた。
親友への罪悪感?
そんなものは、今、股間を濡らしている熱い疼きの前では塵のようなものだった。
(早く……早くご主人様に会いたい……)
授業中に強制絶頂させられた身体は、鎮まるどころか、より強い刺激を求めて火照っていた。
太ももの内側を、自分の体液がぬるりと伝う感触がする。
一度壊された理性の堤防は、もう修復不可能だ。
小夜は誰もいない女子トイレに滑り込み、一番奥の個室のドアをノックした。
コン、コン。
ガチャリ。
鍵が開く音がして、ドアが僅かに開く。
隙間から、獲物を待ち構える肉食獣のような瞳が覗いた。
「遅いじゃない、小夜」
「っ……! ごめんなさい、ご主人様……!」
小夜は個室に飛び込み、素早く鍵をかけた。
狭い個室。二人の吐息と、甘い香りが瞬時に充満する。
そこには、サボりの常習犯のように便座に座り、ニヤニヤと笑う柊うてなの姿があった。
「……うわ、すごい匂い。雌の匂いがプンプンするわよ」
うてなは鼻をひくつかせ、小夜の下半身に視線を落とした。
小夜のスカートの裾からは、白濁した蜜が糸を引き、靴下にまで垂れ落ちそうになっていた。
「授業中にあんなに潮吹いて……。委員長がこんなに汚して、どうするつもり?」
「あぅ……っ、すみません、我慢できなくて……」
うてなは無言で小夜の手を引き、自分の目の前に立たせた。
そして、スカートを乱暴に捲り上げる。
露わになった太ももは、愛液でぐっしょりと濡れそぼり、光を反射してテラテラと輝いていた。
「汚い。……責任取って、綺麗にしなさい」
うてなは小夜の秘部に指を這わせ、溢れる蜜をたっぷりと掬い取った。
そして、その濡れた指を、小夜の口元へと差し出した。
「なめなさい」
「え……?」
「自分の淫らな汁よ。全部舐めとって、自分がどれだけ変態か味わいなさい」
小夜は息を呑んだ。
自分の排泄物にも似た体液を舐める。それは、人間としての尊厳を捨てる行為だ。
だが、ご主人様の命令と、目の前の指から漂う濃厚な雌の香りが、小夜の理性を粉砕した。
「……はい、ご主人様」
小夜は震える舌を出し、恐る恐るうてなの指に触れた。
じゅるり。
しょっぱくて、甘くて、少し生臭い。
それが、堕ちた自分自身の味だった。
「んっ、ちゅ……れろ……」
小夜は夢中で指に吸い付いた。
指の股から手のひらまで、自分の蜜で汚れたご主人様の手を、犬のように懸命に舐め清めていく。
「美味しい? 自分の味は」
「は、ぃ……♡ すごく、濃くて……恥ずかしい味がします……」
口元を自分の愛液で濡らして微笑む小夜。
その姿は、完全に雌犬のそれだった。
「ふふ、いい子。……でも、まだ足りないわね」
うてなは綺麗になった指で小夜の顎を持ち上げ、妖しく微笑んだ。
「貴女のせいで、私の下着もぐちょぐちょなの。……責任取って、こっちも綺麗にしてくれる?」
うてなは自らのスカートを捲り上げ、黒いレースの下着を指で横にずらした。
そこからは、透明な蜜が溢れ、太ももを艶やかに濡らしていた。
授業中、小夜の痴態をリモコン越しに監視していたご主人様もまた、興奮に身体を震わせていたのだ。
「さあ、ご主人様の味も……しっかりと舌に刻み込みなさい」
命令に従い、小夜は狭い個室の中で、恭しく跪いた。
目の前には、愛おしいご主人様の秘部。甘い匂いが鼻腔をくすぐる。
小夜は恍惚とした表情で顔を近づけ、その濡れた花弁に舌を這わせた。
「んっ……ぁ……」
うてなが小夜の頭に手を置き、甘い吐息を漏らす。
小夜は夢中で舌を動かし、溢れる雫を啜り上げ、秘核を優しく吸い上げた。
自分の味とは違う、高貴で甘美なご主人様の味。
それを口にすることで、身体の内側から「所有される」喜びが満ちていく。
「ん、あ……っ、もういいわ。立って、小夜」
うてなに促され、口元を二人の愛液で濡らした小夜は再び立ち上がった。
うてなは小夜の乱れた髪を梳き、その潤んだ瞳を覗き込んだ。
「あんな真面目な顔して授業受けてるのに、机の下ではビクビク震えて……。あんな無様な姿を見せられたら、私だって疼いちゃうじゃない」
うてなもまた、小夜の痴態によって嗜虐心と欲情を煽られていたのだ。
サディストとマゾヒスト。需要と供給がカチリと噛み合う。
「して……ください。私を、めちゃくちゃに……」
「ええ。してあげる。……次は直接、貴女のその淫らな身体で感じさせて」
うてなが小夜の腰を掴み、自分の方へと引き寄せる。
小夜は下着を穿いていない。うてなの下着もずらされたままだ。
二人の最も柔らかく、熱い部分が、遮るものなく向き合う。
「ぁ……っ、くぅ……!」
ぺたり。
湿った粘膜同士が触れ合った瞬間、小夜の喉から声にならない悲鳴が漏れた。
熱い。柔らかい。そして、堪らなく気持ちいい。
うてなは小夜の首に腕を回し、体重を預けるようにして腰を押し付けた。
クリトリスとクリトリスが重なり、秘唇と秘唇が噛み合う。
ぐり、と腰を回すように擦り付けられると、電気ショックのような快感が背骨を駆け上がった。
「んっ……ぁ、ご主人様ぁ……ッ!」
「はぁ……っ、いいわね……。直接擦れると、こんなに……っ」
二人は夢中で腰を振った。
ジュプ、グチュ、ヌチュ……。
静かなトイレに、卑猥な水音が反響する。
互いの愛液が混ざり合い、糸を引き、太ももを伝って床に滴り落ちる。
それは、究極の「貝合わせ」だった。
小夜の豊満で肉付きの良い秘部と、うてなの未成熟だが敏感な秘部。
異なる形の「雌」が、パズルのピースのように密着し、互いの快楽貪り合う。
「すごい……っ、ご主人様の中、ぬるぬるして……っ、私のと混ざって……」
「喋らないで……っ、もっと、強く押し付けて……ッ!」
小夜は理性を完全に手放した。
彼女はうてなの腰を強く抱きしめ、自分の恥丘をガツガツと打ち付けるように擦り上げた。
痛みに近いほどの摩擦。だが、それがいい。
自分が「雌」として扱われている実感。ご主人様と同じ快楽に溺れている一体感。
鏡に映る自分たちの姿は、制服を着崩し、スカートを捲り上げ、腰を密着させて喘ぐ、どこにでもいる女子中学生同士の情事だ。
だが、その中身は「悪の総帥」と「堕ちた魔法少女」。
この世で一番背徳的なカップル。
「あ、あっ、だめ、また……きちゃ……!」
「私も……っ、いく……ッ、一緒に……!」
二人の呼吸が重なる。
動きが激しくなる。水音が早くなる。
チャイムの音が遠くで聞こえた気がしたが、もう止まれない。
「――んあぁぁぁぁぁぁッ!!」
「――っ、くぅぅぅッ!!」
同時に、絶頂が訪れた。
小夜の身体が大きく跳ね、膝から力が抜ける。
うてなもまた、小夜の肩に爪を食い込ませ、全身を痙攣させた。
二人の結合部から大量の蜜が溢れ出し、互いの太ももを白濁した液で汚していく。
しばしの間、二人は抱き合ったまま荒い息を整えていた。
狭い個室。濃厚な雌の匂い。
小夜は、うてなの首筋に顔を埋め、幸せそうに微笑んだ。
その唇には、先ほど舐めた自分自身の味と、今味わったご主人様の甘美な味が混ざり合っていた。
「はぁ……はぁ……好きです、ご主人様……」
「……ん。私もよ、小夜」
うてなは汗ばんだ小夜の髪を撫で、意地悪く笑った。
「でも、まだ休み時間は終わってないわよ? ……次は保健室のベッドで、続きをしましょうか」
「はい……♡ 喜んで……」
小夜は蕩けた瞳で頷いた。
親友が待っているはずの保健室。そこもまた、彼女たちにとっては新たな「背徳の教室」でしかなかった。
スカートを下ろし、身嗜みを整える二人だが、その太ももには混ざり合った二人の体液が、乾くことなく張り付いているのだった。
(第6話 完)