※この作品はR-18です。

五条悟なオリ主とDOLLS   作:雨曝し

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DOLLSとの出会い

 

 

 

 俺は転生者である。

 それも五条悟の肉体と才能を持って生まれることができた。

 

 五条悟と言えば呪術廻戦に登場する主人公の担任教師にして現代最強の呪術師である。

 五条家に受け継がれてきた特異体質六眼と相伝術式無下限呪術の使い手である。

 

 そんな存在に俺はなったのだ。

 そうなったからには原作のような終わり方ではなく、勝利して老衰で死にたいと思うのが普通であろう。

 当然俺もそう考えたし、その為に鍛える心構えもした。

 

 しかし転生してすぐに違和感に気付いた。

 俺が名前も呪術の才能も容姿でさえも五条悟であるのに対して。周りは明らかに呪術に関して知らないのだ。

 親に六眼とかについて話しても何それ知らん、という返答であった。

 

 そこで俺は漸く理解した。

 この世界には呪霊も俺以外の術師も存在していないのだと。

 そこから俺は暫く塞ぎ込んだ。

 折角作中随一の才能を手に入れたのに使い所がないのだ。

 虚しくもなろう。

 

 それでも暫く経てば立ち直って修行に励んだ。

 使い道なんてなくても作れば良いのだ。

 海外に行ってギャングやマフィアを潰して回ったり、他に術師がいないか探し回った。

 

 結果として誰一人として俺と同じ力を持つ者は現れなかったが正義を振り翳すのは大変気分が良かった。

 大義名分が此方にはあるので一方的に叩き潰すのは羽虫を潰すみたいで楽しかった。

 

 銃弾の雨を防いだり、寝込みを襲われたりしても無下限呪術なら問題ないし、敵もいない。

 そうして俺は海外を放浪し、悪党から金を巻き上げて生活していた。

 

 裏社会では兵器が通用しない化け物として有名になり、世界の犯罪件数は劇的に減った。

 表社会でも急激な犯罪の減少と警察の元に自首する犯罪者の意味不明な供述に熱い議論が交わされている。

 

 犯罪者達の供述に共通する白髪碧眼の謎の青年こと俺の埒外の能力に関しては薬物による幻覚を疑われている。

 陰謀論としては国の特殊部隊の比喩表現である説や神罰だとかいう説がある。

 中には実在する超能力者が正義を執行しているという真実を言い当てる者もいるが信じられてはいない。

 

 そうして高校卒業から海外をふらふらしていた俺は活動も一通り終わったとして日本に帰国していた。

 そしてスイーツ店巡りや新作ゲームの購入などをして過ごしていた。

 勝手に出て行ったことにキレた親にはちゃんと本当のことを話して事情を説明すれば渋々納得してくれた。

 

 そうして莫大な貯金を消費しながらだらだらと過ごしていた俺はある日とあるアイドルグループを知った。

 DOLLSというアイドルである。

 三つのチームに分かれており、所属する子達は皆魅力的で個性がある。

 

 グループ結成からあまり時間の経過していない新人達でありながら歌や踊りといったパフォーマンスは洗練されており、俺は強く惹かれた。

 ライブには当然行ったし、グッズも沢山購入した。

 気が付けばDOLLSに夢中になっており、日々の楽しみと化していた。

 

 特に目標も目的もない俺にはアイドルという偶像がどうしようもなく眩しく見えたのだ。

 

 そうして今日もライブに向かう途中である。

 今回は一周年記念ライブということで規模も大きく期待は凄まじい。

 特に推しているのはチームCのヤマダである。

 青い髪の少女であり、グループ内で最もやる気のないアイドルである。

 その怠惰っぷりはダラドルと呼ばれる程のもの。

 ライブ中に布団を引っ張り出して来た時は何故かライブ会場が沸いたものだ。

 

 そんな怠惰さが売りの子である。

 人生適当でも何とかなるんだな、とか思ったものである。

 俺も見習って適当に生きようと決めた。

 案外その場のノリと勢いで乗り切れるものであると学んだ相手である。

 

 

 そんなことを考えながら道を歩いていると突如として頭痛に襲われる。

 思わず膝をついて座り込み、頭を押さえる。

 

「あの……大丈夫、ですか?」

 

 そこに手を差し伸べる人物がいた。

 桃色髪の少女で優しそうな顔つきをしている。

 

 俺は手を取って立ち上がり礼を口にする。

 

「ありがとう。ちょっと頭痛がしてね。もう大丈夫だよ」

「それなら良かったです。後これ落としましたよ」

 

 少女が差し出して来たのはライブのチケットである。

 俺はチケットを受け取って深々と頭を下げた。

 

「本当にありがとう。君は良い子だね。名前を聞いても良いかな?」

「丘咲桜です。貴方は…?」

「俺は五条悟。DOLLSのファン同士仲良くしよう」

「え?何で私がDOLLSのファンだった知ってるんですか?」

 

 桜は目を丸くして疑問を口にする。

 俺は桜が手に持つチケットを見て答えた。

 

「君も同じチケットを持ってるから。それと俺のチケット見た時の表情の変化だね」

「そうでしたか。よく見てるんですね」

「人より目が良くてね。折角だしライブ会場まで一緒に行こうよ」

「はい!着くまでに誰が推しなのかとかお話しましょう!」

 

 桜はそういって了承してくれた。

 人を疑うとかいう感情のなさそうな良い子である。

 

 

 そうして俺達はDOLLSについて語りながらライブ会場に向かったのだった。

 

 

◇

 

 

 ライブが終わった後のこと。

 俺は入り口で桜と再会して話し込んでいた。

 

「ライブ楽しかったですね!」

「あぁ、最高だった。ヤマダも真面目にやっていたし、皆の息が合っていて圧巻のパフォーマンスだったね」

「同感です!…あの良かったら連絡先交換しませんか?」

 

 桜はそう言ってスマホを取り出す。

 俺も了承してスマホを取り出して連作先を交換した。

 交換した後に桜は再度DOLLSについて熱く語り出した。

 

「やっぱりDOLLSは素敵ですね!益々ファンになっちゃいました!特にレイナさんの─」

 

 そこまで言ったところで桜と俺の間を青白い蝶が通り抜ける。

 見たことない気配に俺は寒気を感じて咄嗟に引いた。

 

 それが悪手だった。

 

 直後に揺れが襲い、そしてすぐ近くから巨大な口だけの化け物が襲い掛かって来た。

 化け物達は町を破壊して回り、瓦礫が落ちて来る。

 それに桜が巻き込まれた。

 

 腹に直撃して倒れ込み、すぐに瓦礫で見えなくなった。

 俺は慌てて蒼で瓦礫を破壊して除き桜を探す。

 

「桜!」

 

 桜を見つけて駆け寄る。

 腹から大量に出血しており、直に死んでしまうのは目に見えていた。

 俺は反転のアウトプットが使えない。

 このままでは桜は─。

 

「逃げて…下さい。ここは…危ない…ですよ?」

 

 俺は思わず押し黙った。

 死に際で他人の心配なんてどこまで優しい子なんだ。

 この子は絶対に死なせてはならない。

 原作を超えて反転アウトプットを習得するしか方法はない。

 いや、それでも臓器の損傷はどうにもならない。

 

 俺は迷いを振り切るように桜の腹に手を当てて反転術式で生み出した正の力を流し込もうとする。

 微量ながらそれは成功し、何とか桜の命を繋ぐ。

 

 しかしそれもいつまで保つか。

 そんな不安に駆られる中で唐突に声が掛かった。

 

「漸く見つけたぞ」

「誰だ、アンタ」

 

 現れたのはスーツ姿の黒髪の女性だった。

 女性は俺の疑問に取り合わず桜と意味の掴めない会話を交わす。

 そして桜が生きたいと願うと女性は俺にハート型の物体を手渡す。

 

「せめてもの手向けだ。生前の知り合いである貴様が楔を打て。それを心臓に差し込め」

「良く分かんねえけど、これを差し込めば桜は助かるんだな?」

「あぁ。命だけは助かる」

 

 妙な言い回しだ。

 この女性が何者かも、本当に助かるという確証もないが今助けられる道筋はこれだけだ。

 賭けるしかない。

 直感に従ってそれを桜の心臓に差し込む。

 

 瞬間、桜の傷が癒え、黒い装束を身に纏う。

 そして感覚的に先程までとは生物として根本的に違うのだと理解した。

 きっと桜は人間とは違う何かになった。

 それでも変わらないことがある。

 

「大丈夫か?桜」

 

 俺がそういって桜の手を取ると妙な感覚が全身を通り抜ける。

 それは桜へと伝い、何かしらの変化を齎す。

 

「私は大丈夫です。五条さんは?」

「俺なら平気。しっかし、まさか本当に助かるとは」

「馬鹿な…!」

 

 俺が安堵していると、背後から驚愕の声が聞こえて来た。

 それに振り向くと先程の女性が目を見開いていた。

 

「感情も記憶も保持されているだと!?そんなこと…!」

「あぁー何かイレギュラーがあったっぼい?」

「異常も異常だ!小僧、何をした!」

「さぁ…分かんないことだらけだ」

 

 俺がそう口にすると女性は悩ましげな顔をした。

 そうこうしていると町を襲った口だけの化け物が再度姿を現す。

 それに対して女性は冷静に桜へと命令する。

 

「娘、コイツらを倒せ」

「た、倒す?そんなことできません…!」

「何…?」

 

 女性は再度驚愕して考え込む様子を見せる。

 その隙を突いて化け物が女性を襲おうとしたので割って入る。

 無限の障壁に阻まれた化け物は俺の名前で静止する。

 そして術式反転赫を発動して指先に赤い光球を生み出し、それを化け物達へ向けて炸裂させる。

 放たれた赫は化け物達を跡形もなく消し飛ばした。

 

「何だ、今のは…!」

「俺の呪術です」

「呪術だと…?そんなものが実在するのか?いや、今の力とその特徴的な外見。まさかお前があの白い怪物か?」

「その呼び方ダサいからやめて!五条悟って立派な名前があるから!」

「そ、そうか。すまない」

 

 俺が抗議すると女性は素直に謝った。

 そこで此方へと近付いてくる気配を感知した。

 それは女性の後方から姿を現した八つの影。

 見覚えのあり過ぎる姿に俺は目を剥いた。

 

「何でDOLLSがここに…!?それにその格好は桜と同じ…さっきの戦闘命令と言い、何が何だか分からねぇ」

「さっきの赤い光はアンタが出したんすか?」

 

 青い髪の少女ヤマダがそう口にした。

 俺は一先ず理解を後回しにして、推しの疑問に答えることにした。

 

「あぁ。俺は五条悟。白い怪物だとかダサい異名付けられてる呪術師だ」

「へぇ…そりゃ面白そうっすねぇ」

 

 ヤマダはそう言って好戦的な笑みを浮かべる。

 俺はその笑みに魅了されながら、状況理解の為に目まぐるしく思考を回すのであった。

 

 

 





・オリ主
ギャングやらマフィアやらから金を巻き上げているので金はある。
最推しはヤマダ。

・桜
人形になってから即座にオリ主が触れたことで生前の記憶も感情も取り戻している。
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