※この作品はR-18です。

野良犬転生~犬に転生して人間の女の子をお嫁さんにし、被差別種族を救ってしまう男の話~   作:XX(旧山川海のすけ)

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第100話 嫌な予感

 そのとき、畑を作るための農作業をしていたらしい。

 

 この新天地では鹿が取れるし、近場に山もあるから、ひょっとしたら山菜も取れるかも。

 

 レッサーヒューマンで労働奴隷をしていた男たちは、農作業経験や山林での山菜やキノコ採取の経験があり。

 かなり有能な男たちで。

 

「グレーターヒューマンにこの部分は感謝だな!」

 

 早くもそんな冗談が出るくらい、希望に満ちていたんだけど。

 

 

 

「いきなり来たんです!」

 

 命からがら、逃げて来た若者が怒りに顔を引き歪ませながら俺たちの天幕で訴えたんだ。

 

 俺たちはそれを囲んで聞いていた。

 厳しい表情で。

 

「警告も何もなく、いきなり弓で!」

 

 鍬を持って畑を耕していた若者が射殺され。

 

 別の若者が槍で突き殺された。

 

 そして……

 

 若者たちの食事の準備で、一緒に居た女たちが残らず攫われたらしい。

 

 ……この新天地の先住民に。

 

 彼らは獣の毛皮で作られた粗末な衣服を身に着け、弓と槍で武装した男たちだったそうだ。

 

「フセ様! エイト様! ケノ様! どうか!」

 

 俺たちに這いつくばって、若者の訴え。

 

 

 

 ……先住民が文句を言ってくるかもしれないとはちょっとは考えていたけど。

 いきなり男を殺して女を奪う暴挙に出て来ることは……

 

 恥ずかしい話だけど、考えて無かったよ。

 

 俺たちは文明化された、人間相手に戦争してて。

 本物の野蛮人を相手にすることを分かって無かったんだ。

 

 俺はフセとケノ、そして一緒に聞いている子供たち全員に視線を送る。

 

「すぐ人をやって報復しましょう。もう遅いかもしれないけど、攫われた女たちも助けないと」

 

 ケノが冷静に言葉を発する。

 

 ……誰も反対しなかった。

 

 

 

 ぐぎゃああああ!

 

 うほおおおお!

 

 

 ヒールの産んだ子・フェンリルの神技は「探索」で。

 その内容は「自分が判別がつくもの限定だが、探したいものを探し出せるチカラ」

 

「母上、我らの仲間はあちらです」

 

 13才くらいの少女の姿に成長した我が娘・フェンリルが、フセに女たちが居る場所を指差し教えた。

 その瞳には、家族の役に立てていることに対する喜びと、自尊心が光っていた。

 

 それを受けて我が妻フセは

 

「ありがとうフェンリル。あとは母たちに任せなさい」

 

 娘を労い。

 兄ジンベエはフェンリルの頭を撫でつつ

 

「よくやった妹よ。後は俺たちが片付ける」

 

 同じくフェンリルの頭を撫でながらダイカクは

 

「兄ちゃんたちに任せるんだ。フェンリルはもう下がって」

 

 母と兄2人に褒められて、フェンリルは笑み崩れていた。

 

 

 そして

 スナイパーライフルを持ったシンベエ、飛行能力を持つダイカク、そして大金槌を肩に担いだフセ。

 ……3人体制。

 

 結果は圧倒的で

 

 空から先住民の集落に雷撃の雨を降らせ。

 シンベエの無限銃弾で狙撃を連打。

 そしてフセが飛び込んで、先住民の男を狙って大金槌でぶちのめしていく。

 

 30分くらいで。

 

「タパラプト ポポルト プロリット パロ!」

 

 泣きながら。

 簡単な藁の家から。

 彼らのリーダーと思しき男が。

 俺たちに分からない言葉で全面降伏をしてきたんだ。

 

 手を広げて、うつぶせに倒れる仕草。

 多分、彼らにおける土下座のポーズなんだろうな。

 

 ……この様子に。

 俺は少し、遠い未来に嫌な予感を覚えた。

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