野良犬転生~犬に転生して人間の女の子をお嫁さんにし、被差別種族を救ってしまう男の話~ 作:XX(旧山川海のすけ)
第10話 俺は覚悟を決めた
夜が明けた。
昨日はフセが気を失うまでセックスを繰り返した。
俺の中で何かが切れたというか。
本能のままに動いてしまった。
俺の横でフセが全裸で寝息を立てている。
股間から大量の精液を垂れ流して。
何回射精したか分からない……
今になって、俺がやってしまったことを思い返し、戦慄した。
俺はフセの傷ついた心を結果的に癒した。
その日に死に別れてしまった伴侶を
……こんなの、許されないのでは無いのか?
だが、俺は……そんなつもりは無かったんだ。
射精の瞬間、
その結果、死んだヨースケへの愛を俺への愛で上書きしてしまったんだ。
本意では無い。
だけど、やったこと自体は卑劣極まりない。
戻せるものなら戻したいが……
この結果は不可逆。
それに……
俺はフセの腹を見た。
この中に……俺の子が入ってる。
出来てしまった以上、命には責任を持たなきゃいけない。
だから俺は……
この状況から逃げられない……!
毒を喰らわば皿まで、ってさ。
覚悟、決めなきゃな。
俺はフセの夫になると決めた。
犬だから、絶対に周囲が反対するだろう。
しかし、それでもしなきゃダメだ……
フセに全責任を押し付けるなんてありえない。
そこは確定事項だろ。
……そのために……
俺は準備が出来たので、フセの顔を舐める。
躊躇いは無かった。
もう、昨日までと違うんだ。
「ん……」
すると身じろぎし。
フセが目覚める。
「あ……あなた。おはようございます。良い朝ですね」
目覚めたフセは、俺に対する愛情が籠った笑顔を向けて来た。
そこには夫である俺を敬い、立てる意思があった。
……本当に、フセは良い女だと思う。
人間だったら確実に惚れていただろう。
……俺は犬だったから、そこで一線を引くものがあって、そういう気持ちにはならないように自分でしてたんだけど。
もうそこは気にしなくていい……というか
しちゃいけない。
俺はフセに口を押し付けた。
フセの唇に。
フセは嫌がらなかったし。
唇を舐めると、フセも舌を出して応えてくれた。
「あなた、一体どこに連れて行くつもりなんですか?」
俺は、フセが自分についてくるまでワンワン鳴いて、俺たちの家である天幕の出入りを繰り返した。
フセは最初理解できなかったみたいだったけど。
最終的に俺はどこかに自分を連れて行こうとしていると気づき。
手早く、この世界のレッサーヒューマン女子の衣装である柄の無いワンピースを身に着け。
俺について来てくれた。
フセを連れ、俺は案内した。
比較的地面が柔らかくて……
文字が書けそうな場所に。
「え……?」
フセは驚いていた。
そこに書かれていたことに。
そう。
俺はフセが寝ている間に書いたんだ。
こういう文章を。
オレニ コトバ カード ツクレ