※この作品はR-18です。

野良犬転生~犬に転生して人間の女の子をお嫁さんにし、被差別種族を救ってしまう男の話~   作:XX(旧山川海のすけ)

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第17話 娘の成長

 イズミはそれから、本当に誠心誠意フセに仕えるようになったし、俺に対しても礼を示すようになった。

 

 俺は複雑なものがあったよ。

 俺はイズミの兄のヨースケは好きだったし。

 最初は家族になるつもりだった。

 

 イズミはそんなヨースケのことを思って、気持ちを暴走させてしまった。

 そのことについては……

 

 なんか、嬉しかったんだよな。

 

 俺が好きだった男が、きっちり妹に想われてて。

 命を賭けて、俺を攻撃したんだ。

 

 だからまぁ俺はイズミが嫌いじゃ無い。

 むしろ大切な世話係だと思っている。

 

 ……フセはあの日以来、イズミにちゃん付けするのを止めてしまったがね。

 

 フセはフセで、伴侶に対する愛が深い女だから、自分の伴侶や家族を攻撃した存在を決して許さないんだろう。

 

 

 

 俺たちの第一子・シノは黒髪の女子で。

 顔はフセに似た高貴さを感じる美貌。

 ただ、犬耳と犬尻尾がついている。

 

 3週間で授乳期間が終わり、1カ月でハイハイを止めて立ち上がった。

 そして発語。

 

 最初の言葉は「かか」だった。

 

 ……まあ、母親を意味する言葉の母音が「あ」なのは、赤ん坊が最初に口にする言葉だから、って説を前世で見た覚えがあるんだけど。

 多分、正しいんだろうね。

 

 で、さらに1か月経つと「かか」が「お母さん」になり、俺に対しては「お父様」と言うようになった。

 ただ、フセは「ママ」とは言わせなかった。

 

 理由はどうも……グレーターヒューマンの家庭でよく言わせているらしいんだ。そのせいらしい。

 奴らと同じ呼称は使いたくない……そういう思いなのかね。

 

 ……俺の中では、前の飼い主の家で飼われた記憶があり。

 あのときは、グレーターヒューマンがレッサーヒューマンたちを虐げる、残虐な支配種族だとは想像もしていなかったよ。

 

 前の飼い主……ええと、なんて名前だったかな……?

 今が重要なのか、昔のそういう記憶はどんどん曖昧になっていく……

 

 最終的に俺を捨てた人間だけど。

 俺を殺処分にしなかったし。去勢もしなかった。

 

 だからまあ、こういう言い方は良くないかもしれないけど……

 

 俺は別に、グレーターヒューマン全体を憎んではいないんだ。

 フセが困るから、伝えてはいないんだけどね。

 

 

 

 そして6カ月が経ったとき。

 

 そのときが来たんだ。

 

「お母さん! お父様!」

 

 レッサーヒューマンの女の子衣装の、ワンピースを着せられた我が娘・シノ。

 犬耳犬尻尾を持つ、7才くらいの可愛い上品な娘になっていたのだけど。

 

 その俺たちの娘が天幕の中に駆け込んできて、言ったんだ。

 

「私、神技(シンギ)に目覚めたよ!」

 

 握りこぶしを作って、興奮気味に。

 

 ……とうとう来たか!

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