野良犬転生~犬に転生して人間の女の子をお嫁さんにし、被差別種族を救ってしまう男の話~ 作:XX(旧山川海のすけ)
第二子を身籠ったフセは前と同じ流れを辿った。
妊娠期間はやはり約2か月。
2カ月過ぎて、生まれて来たのは……
おぎゃああああ!
産声は、赤ん坊のものだったけど。
外見が、姉のシノと大きく違っていた。
……顔が犬だったんだ。
シノより獣人要素が強い……!
産んだフセは、生まれた我が子の様子を見て、少しギョッとしてる風に見えた。
……なんでシノは人間に近かったのに、この子は犬に近いんだ?
その理由を探して、股間が目に入ったとき。
なんか、納得してしまった。
……チンチンがある。
男の子か。
俺の孕ませの知識から。
男の子は父親に似るものだという認識があった。
そこからだ。
俺とフセの子は、男の場合、ヒトより犬に近い獣人になるんだ。
多分、そういうことなんだろう。
こうして誕生した俺たちの第二子の長男は
長老たちの話し合いで「ソウスケ」と名付けられることとなった。
そして、半年経ったとき。
ソウスケはシノのときと同じように……
「お母様、父上。ボクは
ドキドキした口調で、自分が神技使いになったことを報告してきたんだ。
……これで2例目……
前世でのビジネス的な事象の確実性の確認方法では……2回続けて同条件下で同じ結果が出たら、それは間違いないと見ていいことになっていた。
だから……
俺とフセの間での子作りは、グレーターヒューマンの間で行われる子作りと同じだ。
そう考えて良いだろう。
「ソウスケ、神技の名前を教えてくれる?」
フセがひとしきり喜んだ後、冷静に確認。
黒狼の顔を持つ俺の息子は、こう答える。
「アマツミカボシですお母様」
うお。
ビッグネーム来たな……。
日本神話で唯一「邪神である」と明記されている星の神だ。
日本書紀で出てくるけど、古事記には載っていない。
俺はそこまでしか知らないんだけど……
星の神だからなぁ。
どういうのか、色々と想像は膨らむが……
ソウスケはフセに神技の名前を告白した後、得意げな様子を見せた。
多分、自分の神技のチカラを見せびらかしたいんだろう。
この辺、男の子あるあるなのか。
……そして。
ソウスケがそういう気持ちになることから予想するに……
ソウスケはキョロキョロし、我が家の天幕に
元々、飲み水入れに使ってたやつだけど、古くなってきたので取り換えようと考えている廃棄品だ。
ソウスケは多分そこまで考えてはいなかったとは思うんだが……
彼は拳を握り、振り上げ。
そして、甕に向かって突き出した。
……その瞬間。
ソウスケから数メートル離れた距離にある甕が、木っ端微塵に砕け散ったのだ。
男の子が興奮したんだ。
ソウスケの神技に攻撃的なものがあることは予想はしていたけど。
……絶句してしまう。
彼は、我が息子は……
「これが流星拳です。あとは、悪いことが起きることについても、その前に知ることが」
遠距離攻撃と、不運限定の未来予知……
得意げに報告する息子に。
俺は頭を撫でてやりたい衝動に駆られる。
褒めてやりたかった。
けど、出来ない。
自分の口では。
そこがもどかしかった。
そして。
その後6年の月日が流れた……