野良犬転生~犬に転生して人間の女の子をお嫁さんにし、被差別種族を救ってしまう男の話~ 作:XX(旧山川海のすけ)
「まず食糧ですが」
ケノが、というか俺たち一家が提案する方法。
それは
「兄のシンベエの
シンベエはケノのすぐ上の兄。俺たち夫婦の5男だ。
所持する神技は「イワナガヒメ」
天孫降臨の際に天下りしてきたニニギノミコトが、コノハナサクヤヒメを娶る際、一緒に輿入れしてきた女神の一柱。
それが「イワナガヒメ」
コノハナサクヤヒメの姉だ。
妹と違い、ふた目と見れない醜い容貌の女神であったそうで。
ニニギノミコトは彼女を娶ることを拒否した。
そのせいで、ニニギノミコトは神の命を失い、定命の者になってしまった。
……その理由は、イワナガヒメは岩の特質を持つ女神で、不滅の象徴であったがためだ。
つまり、ニニギノミコトは「不死」を拒否してしまったのだ。
……後の帝の血筋に繋がるニニギノミコトが、神であるのに老いて死んでしまった理由付けをするための神話なのだけど。
神技としてのイワナガヒメは、身体に岩の固さを付与する効果。そしてもうひとつが「不滅」の付与。
具体的に言うと、シンベエが所持するものは絶対に腐敗せず、加えてそれが消耗品である場合は尽きることが無い。
その効果を利用して、野菜を消耗品扱いにして無限野菜を実現しようという作戦だ。
一応、こっちで実験は済ませているので、効果については保証できる。
だが、いつまでも無限野菜で誤魔化すわけにはいかないので
「そしてそれで持たせている間に、我々で野菜を作るのです。そのための知識は今後の情報収集で集めていきましょう」
ケノが並べる俺たちの提案はそこまで考えられている。
そのとき
「……待った。野菜作りはそれほど簡単であるとは思えないのだが?」
長老たちからの指摘。
……うん、そういうのは嬉しい。
なので
「ちゃんと真面目に聞いていただきありがとうございます」
ケノは頭を下げる。
一礼し、その指摘に対して返答する。
「そこに関しては、兄たちの神技を使います。ソウスケのアマツミカボシと、コブンゴの相撲です」
アマツミカボシは、不運限定の未来予知が可能だ。
なのでソウスケが野菜を育てれば、野菜が育たないという不運を察知できる。
加えて……
俺たち夫婦の4男・コブンゴの神技「相撲」は、一流の相撲取りとして誰も文句を言えなくなる神技だ。
具体的には、土俵の上では生きてる限り絶対に転ぶことが無くなり、誰かを投げようとした場合、人形を投げ飛ばすみたいに一方的に投げることができる。
そして四股を踏むことで、土地の農業適性を最大値に引き上げることが可能なのだ。
「長老様方。今後の偵察で知識を得れれば、僕の神技を駆使し、見事野菜を育て上げて見せます」
ソウスケがケノの言葉を保証する。
……長老たちは、ケノの提案に特に疑問点は無い様で
「医療に関しては……それはシノの神技頼みか?」
次の話について訊いて来た。
それに関してケノは頷く。
シノのスクナヒコナは、生物の身体の不調や、外傷を完治させる効果もある。
シノがいれば、医療に関しては大丈夫なんだ。