野良犬転生~犬に転生して人間の女の子をお嫁さんにし、被差別種族を救ってしまう男の話~ 作:XX(旧山川海のすけ)
そしてその後。
長老たちと今後の計画について話し合い。
家に、俺たちの天幕に戻って来た。
子供たちは、長女のシノを中心に今後のことを話し合っている。
俺は何もできない。
子供たちに頼るしかないのが情けない。
……父親としてどうなんだ、と思ってしまう。
そこに
「あなた」
フセが俺に後ろから抱き着いてくれた。
妻の優しく柔らかな身体が、俺の身体を包み込んでくれる。
フセ……
愛する俺の妻。
8人も俺の子供を産んでくれた女性……
俺は唸る。
返事ができないのがもどかしい。
けれど
「決起のとき、子供たちをお願いしますね……」
フセは俺に言葉をくれた。
俺が意味ある返答を返せないことを気にもせずに。
俺は、ああ、と言ったつもりで唸り。
首を捩じり……
フセとキスをした。
……次にグレーターヒューマンたちがこのレッサーヒューマンの居住区にやって来たとき。
そのときが、決起のときだ。
そしてそのときは。
意外に早くやってきた。
「はーい人間のクズども」
「どいつを殺そうかなぁ?」
数日後。
俺たちのレッサーヒューマンの集落に。
2人のグレーターヒューマンがやって来た。
成人男子2人だった。
肥満した男と、ガリガリに痩せた男。
肥満男はぴっちぴちの青いシャツと、ゴムの黒ズボン。
痩せた男は黒いシャツにジーパンで。眼鏡。
肥満体は丸坊主で。
痩せは長髪で、その髪を後ろで括っていた。
……そして2人とも、若い男だった。
グレーターヒューマンが現れたという連絡を受けて。
俺たちはすぐに天幕を飛び出し。
今、物陰から襲撃のタイミングを伺っている。
好都合。
グレーターヒューマンの政府じゃなく、個人で来てくれた。
目的は多分、ウサ晴らしのための殺戮目的だろうけど……。
「いくよみんな」
俺と一緒に物陰に隠れて。
シノが兄弟たちに呼びかける。
この場に居る子供たちは……
長女シノ
長男ソウスケ
次男ドウセツ
3男ゲンパチ
次女ケノ
6男ダイカク
……6人だ。
絶対に失敗できないからね。
神技が明らかに有用に使えないと判断される兄弟以外は全員投入。
戦力の逐次投入はしない。
ここに、俺の背後に立つ俺の妻のフセを加え、7人で攻める。
あの、ニヤつきながら誰を殺すかを物色しているグレーターヒューマンの負け組男たちを。
……自分たちが逆にやられることなんて想像もしていないだろう顔だ。
それを見て、何故だか……
あのときを思い出した。
ヨースケを無惨に殺されたときのことを。
なんだかあのときの2人に面影がある気がした。
ヨースケを真っ二つにして、その死体を焼き払ったあいつらに。