野良犬転生~犬に転生して人間の女の子をお嫁さんにし、被差別種族を救ってしまう男の話~ 作:XX(旧山川海のすけ)
「わー! ラブリーが7匹子供を産んだよ!」
「そうかそうか、じゃあ2匹余るな」
……気が付くと俺は、見知らぬ狭い小屋に居た。
俺の傍には、まだ目も開かないような仔犬が居る。
え……?
俺は周囲を、そして自分自身を確認し。
やがて、確信した。
俺……仔犬になっている。
そして多分、俺は今生まれたばかり。
俺はどうも……犬に転生してしまったらしい。
俺は、親犬の姿から判断するに、所謂狼犬って言われる犬のようで。
父、母、娘の3人家族のペットの産み落とした仔犬として生まれた。
親犬の名前はラブリー。
この家の家族として大切にされているようだ。
俺の兄弟たち。
他の兄弟は目が開いていなかったけど。
俺は何故か最初から目がキッチリ見えていて。
色々観察できたよ。
まず、ここは……
絶対に日本じゃない。
というか、地球でも無いかもしれない。
俺の飼い主の一家が、髪の色と目の色が変だったから。
家の夫婦の髪の色が赤と青で。
娘の髪の色が紫だった。
そして瞳の色も同色。
で。
……何か日本語を喋ってる。
いや、俺が理解できるからそう思ってるだけかもしれないけど。
変過ぎるだろ。
これ。
それを確信するに至ったのは、俺の兄弟たちを引き取りに来た別家族が次々と訪問して来たときで。
色々あったよ。
緑とか、ピンク色とか。
無論、金髪や黒髪もあったけどさ。
普通、こんなに髪を染めるのって一般的か?
そんな国、多分無いと思うんだが。
……髪を染めるの、身体に悪いわけだし。
文明レベルは、俺の転生前の状況とあまり変わりない。
テレビはあったし、電気もあった。
固定だけど、電話もあるみたいだった。
いや……テレビはブラウン管テレビに見えたので、若干古いか?
昭和?
部屋の様子も、特に目を引くものが無かった。
靴を脱ぐ文化で、玄関の三和土の概念があった。
そんな家で、俺は親犬と一緒に室内で飼われていた。
犬小屋があるのは……三和土。
犬小屋が置けるだけあって、かなり大きな家だ。
……富裕層かな?
俺を飼っていた一家は、夫婦の名前は分からなかったが。
娘の方はどうもチィちゃんと言うらしい。
愛称なのは間違いないが……本名、確かめようがないからな。
言葉は分かるが、喋れないもの。
年齢は女子高生くらいで。
結構可愛い少女だった。
無邪気、というか。
ネアカという言葉がしっくりくる気がする。
結構長い紫色の髪を、頭の横でサイドテール? でまとめている。
着ている服装も特に変には思えない。
フレアスカートだとか、ジーンズがある普通の現代ファッション。
チィちゃんが愛用しているのは、黒いタートルネックのシャツと、白いチェック柄のスカート。
可愛い感じだ。
……あ、あとさ。
言葉のことなんだが。
ここで使われてる言葉、やっぱり日本語らしい。
テレビのニュースで日本語の文字が映ってたから。
……ますます、俺はここが異世界であるという想いを深めた。