※この作品はR-18です。

野良犬転生~犬に転生して人間の女の子をお嫁さんにし、被差別種族を救ってしまう男の話~   作:XX(旧山川海のすけ)

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第30話 グレーターヒューマンたちの創世神話

「それじゃ父上。仕事に行ってきますから留守番よろしくお願いします」

 

「父さん、テレビでの情報収集よろしくね」

 

 そう言い残し。

 デブとモヤシの身体を乗っ取ったシノとゲンパチが外出して行った。

 

 宿主が勤めている勤務条件が厳しい会社に出向くんだ。

 金は必要だからサボるわけにはいかないしな。

 あと、社会的な問題も。

 

 どういう仕事なのかは聞いてない。

 嬉しくも無いだろうし。

 

 ただ、帰って来たらグチくらいは聞いてやろう。

 俺だって経験が無いわけじゃないしな。

 

 そんなことを思いながら、俺はテレビの前に戻る。

 俺の前世でも普通だったけど。

 

 この世界でも、貧困層であってもテレビは持てるんだ。

 無いと不便というか……

 

 音が無いと正気を保っていられないんだな。

 気持ちは分かる。

 

 

 

 合わせているチャンネルは教育チャンネルで。

 前世でもあったけど、こっちでもあるみたい。

 

『ひらけー! ポソキシキー!』

 

 ……時間帯的に、幼児番組をしている。

 恐竜の着ぐるみを着た人と、毛玉の着ぐるみを着た人が、自分の棲息する町がどういうものかを調べるために、職場に突撃する内容で。

 

 特に異常な内容に思えなかった。

 

『ガチャピソ、この仕事は労働条件がとても厳しいですぞ』

 

『しょうがないよ。運送業はねぇ』

 

 テレビ画面に、汗を流して一生懸命働く男たちが映されている。

 運送業の荷物運びだ。

 

 着ぐるみ2人は、運送業における労働条件の厳しさを語り合い、それを潜り抜けた男たちがどんな風に鍛え上がっていくのかを語り合い。

 

 素晴らしいですな、と褒めて会話を終える。

 

 ……ここだけ見るとホント、住みよい世界に見えるんだけどな。

 労働者に対する敬意も十分にあるように見えるし。

 

 で、その幼児番組が終わって。

 次の番組が歴史番組。

 

 どうも今日が初回放送らしく

 

 創世神話をやっていた。

 

『今から約2000年前。世界には野蛮な言葉を持たぬ原人しか居らず、文明など無いに等しい状況でした』

 

 まず、そんなナレーションから入り。

 

 語られていく。

 

 ……一応、シノから宿主の記憶を読んで、中途半端には聞いてはいるんだけど。

 こうして教育チャンネルで、正式に学ぶことには意味がある。

 

 

 ……一通り番組を視聴して。

 まとめると。

 その内容はこんな感じだ。

 

 今から約2000年前、世界はレッサーヒューマンしか存在しない状況だった。

 けれどもそのとき、同時発生的に神技(シンギ)を持つ人類・グレーターヒューマンが多数生まれ。

 彼らは瞬く間にレッサーヒューマンたちを掌握し、言葉を日本語に改めさせ、様々な素晴らしい知恵を齎(もたら)した。

 

 ……これさ。

 ようは2000年前に、日本人の転生者が多数この世界に現れて。

 彼らが世界を乗っ取り、支配種族として君臨したと。

 

 そういうことなんじゃないのか?

 どうりで日本語が通じるし、街並みも何か日本っぽいわけだよ。

 

 納得がいった。

 

 あと……その最初のグレーターヒューマン……始祖たちのリーダーの末裔が、今の人類王(ヒューマンロード)らしい。

 だからまあ、グレーターヒューマンたちは深く尊敬しているようだ。

 

 ……仮に手を出したら、双方どちらかが死に絶えるまでの戦いは避けられないだろうな。

 テレビを見つつ、俺はそう思った。

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