※この作品はR-18です。

野良犬転生~犬に転生して人間の女の子をお嫁さんにし、被差別種族を救ってしまう男の話~   作:XX(旧山川海のすけ)

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第33話 デブった!

 シノの操っているボディは痩せて来て、健康的になってきている。

 だけど……

 

 逆に俺は太って来た。

 理由は簡単だ。

 

 ……このハイツがペット不可なので、俺が散歩に行けないからだ。

 

 普通の犬ならストレスでワンワン鳴くんだろうけど

 俺はいい大人の精神が入り込んだ犬だからな。

 

 そのくらいは我慢できる。

 正直、イライラする面もあるんだけど。

 

 ……しかし

 

 太ると、病気にもなりやすくなるし。

 

 娘たちも多分嫌がる。

 

 ケノにガッカリした目で

 

「父様、見ない間にブクブク太りましたねぇ」

 

 なんて、報告に戻ったときに言われたら、俺は相当傷つくぞ。

 それは絶対にマズイ。

 

 なんとかしなければ。

 

 なので、娘たちが仕事に行ってる間にテレビを見ながら部屋を歩き回ってみたりもしたんだけど

 

(あっ、これでもし犬を飼っていることが他の住人にバレると不味いな)

 

 そこに思い当たり、止めた。

 

 とはいえ、だからといって運動止めると俺が不味い。

 なんとかしてぇなぁ。

 

 ……ルームランナーってこの世界にあるんだろうか?

 ああでも……どこに置くんだって問題あるな。

 

 この部屋、あまり広く無いし。

 

 じゃあどうすれば良いんだ?

 

 

 

「父上、だったらゲンパチに深夜散歩に連れて行って貰えば良いですよ。深夜なら人に見られることも無いと思いますし」

 

 自分で良いアイディアが出ないので、娘に相談したら。

 すっかりボディが痩せてしまった娘が、そう返してくれた。

 

 え……?

 深夜散歩……?

 

 良いの?

 

 ゲンパチも仕事あるんだろ……?

 そう思ったので、その辺訊くと

 

「実はですね、ヒルコの強みが長期間潜伏で分かって来たんですよ」

 

 こそこそと。

 娘は耳打ちしてきた。

 

 ゲンパチの神技(シンギ)「ヒルコ」の強み。

 それは……

 

 操作している身体の記憶を読むことは出来ないが、身体の苦痛関係が一切分からない。

 触覚はあるんだけど、痛いとか、しんどいとか、眠いとか。

 そういうのが分からないんだそうだ。

 

 シノは記憶まで読める利点がある反面、キッチリ1日6時間は眠らないと身体に疲れがたまっていく。

 だけどゲンパチは死なない程度に寝ておけば全く問題ない。

(ちなみに寝ている間も意識があるし、身体を寝させることも任意でできるようだ)

 

 そういうわけで眠気に負けて仕事できないとか無いんだよ。

 言うなればアレだ。

 

 シノは一体化する乗っ取りで。

 ゲンパチは文字通り「人形のように」操る乗っ取りなんだ。

 

 双方、その違いで利点と欠点があって、どっちが上とか無いんだな。

 ……ちょっと感動してしまった。

 

 なので

 

 いってきまーす。

 

 深夜0時に。

 こっそりと。

 

 ……ハイツを抜け出して、ゲンパチと一緒に散歩に行くのが俺の日課になったんだ。

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