※この作品はR-18です。

野良犬転生~犬に転生して人間の女の子をお嫁さんにし、被差別種族を救ってしまう男の話~   作:XX(旧山川海のすけ)

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第36話 最初に攻略するのは

 ……分かった。

 

 これまでの活動で得た情報で充分である。

 それはちょっと言えないが。

 

 それはどれだけ調べても拭えたりしないはず。

 どこかで決断は要るもんだ。

 

 だから俺は頭を縦に振った後、短く吠えた。

 それでケノに意味は伝わったらしい。

 

 娘は振り返って宣言する。

 

「皆! いよいよアタシたちが立ち上がるときだよ! 絶対に勝とうね!」

 

 オオオオ!

 

 傍で聞いていた、レッサーヒューマンの精鋭たちがケノの呼びかけに応えて吠えた。

 

 ……俺も燃えるものはある。

 けれど

 

 勢いだけで行動するのは危ない。

 そこは肝に銘じなきゃな。

 

 

 

「2年ぶりに生身に戻れたわ」

 

 決起が決まったので、もはや天上界に潜り込む必要が無くなった。

 そのためようやく、2年間乗っ取り続けていたボディから抜け出しても良くなり。

 ボディを廃棄して。

 シノは伸びをしていた。

 

 ご苦労様と言ってやりたいよ。

 女の子だから、美醜は特に気にするだろうに。

 

 特に綺麗でもない男の身体に2年も潜んでいたんだから。

 本当によくやってくれた。

 

 この能力はまだまだ出番があるので、まだシノの活躍する場はあるんだけどな。

 

 まあとりあえず

 

 良くやったな。

 そう言うつもりで1回吠えた。

 

 シノには

 

「父上、褒めて下さって嬉しいです」

 

 ……伝わったみたいだ。

 

 

 

 俺たちはこれまでに得た情報を突き合わせ、どこを攻めるべきかを話し合った。

 俺たち夫婦の子供が8人生まれて、自陣営に9人の戦力が生まれたとき。

 最初は長老たちは天上界を攻めようとしていたが。

 

 今は流石にその無謀な考えは引っ込めている。

 

 ……俺個人としては

 

 グレーターヒューマンの社会は強い。

 格差社会ではあるけど、依怙贔屓は無いからな。

 ちゃんと優秀であれば、上に行けるし。

 しかも大概の人間は、それで納得をしている。

 

 そういう相手に強気で攻めていくのは自殺行為だと思う。

 

「オリハルコンの鉱山エリアを攻めましょう」

 

 最初にそう提案したのはケノだ。

 

 オリハルコン……

 ファンタジー作品でよく登場する超金属だけど。

 

 鋼鉄以上の強度を持ちながら、重さは鋼鉄の8分の1。

 金属でありながら磁力を拒み、熱伝導率が異常に高いため、触ると常に冷たく感じる。

 

 そういう金属だそうだ。

 有用な上に、レア度が高く。

 無論、グレーターヒューマンの社会でも重宝されている大切な地下資源だ。

 

 資料を突き合わせ、攻めて最初の俺たちの領土にするのに相応しい場所の選定を行い。

 最終的に候補地に残ったのがここだった。

 

 場所の重要性もだけど。

 周辺環境もすごく良いんだ。

 

 水場も確保しやすいし。

 耕作をすることに向いた土地もある。

 

 で。

 レア度の高い地下資源を得ることが出来るので、グレーターヒューマンとしても無視できない。

 

 最初に手に入れるべきは、ここだ。

 ケノのこの結論は、皆に受け入れて貰えたようだった。

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