野良犬転生~犬に転生して人間の女の子をお嫁さんにし、被差別種族を救ってしまう男の話~ 作:XX(旧山川海のすけ)
俺は妻のフセ以外の2人の女を妊娠させた。
技術者の小柄な女……ヒールの妊娠を確認した後。
軍人女を目覚めさせたら、すっかり俺に従順になっていた。
この反応は……間違いない。
この女も俺の子を身籠っている。
そして今。
この2人のグレーターヒューマンの女性は、正座で並んで座っていた。
無論、脱がされていた服は着用した上で。
2人とも、熱っぽい視線を俺に向けていた。
完全に、俺に恋い焦がれているんだ。
……心が重くなるが、仕方ない。
分かっていたことだ。
責任を持たないとな。
レッサーヒューマンの未来のために、この2人の女性の心を歪めたんだから。
「お前、名を名乗りなさい」
俺の傍で腕を組んで仁王立ちしているのは妻のフセ。
フセは2人に、これから立場を教えるつもりなんだ。
顔つきに高貴さがあるので、こういう態度を取ると迫力が相当ある。
そのせいか。
金髪の軍人女は少し、気圧されそうになっていた。
「私か……?」
「そうです」
鷹揚な感じで頷くフセ。
上位者の威厳たっぷりだ。
軍人女は、少し躊躇した。
人間のクズと見下していたレッサーヒューマンの女に、言われるままに名乗るのは抵抗あるのか。
俺は、ワン、と吠える。
従え、という意味を込めて。
そこに
「私はフセ。彼の……エイトの妻。いえ、正妻です!」
フセの名乗り。
俺に1度視線を向けて、堂々と。
……2人の女は自分の立ち位置がどうなりつつあるのか。
そこを無理矢理に、分からされる。
少しの逡巡があり。
そして
「……アサ・ハマミチだ」
とうとう。
ポツリと軍人女が名乗った。
アサ、か。
フセは名乗りを聞いて。
「では、アサとヒール。お前たちにはこれからは私に次ぐ地位である、側室の地位を与えます」
宣言。
言われた2人の顔色は複雑だった。
人間のクズの下に付けられるのか……
そういう思いがあるんだろうな。
これまでは「下の存在」と見下していたんだから。
だけど
「……安心なさい。側室の地位は保証するのです。あなたたちに、今後グレーターヒューマンの出自で他の者が危害を加えることはこの私が許しません」
そう。
側室になる以上、俺の妻なんだから。
彼女らがグレーターヒューマンだからといって危害を加えれば、そいつが処罰される。
そう言う状況になる。
そして
続く言葉は、フセはホンの少しだけ、言い辛そうだったが
「……そして側室ですから、側室として彼の愛を受けることが保証されます」
言い切った。
その瞬間。
2人の女は幸福そうな笑みを浮かべて、涙を流したんだ。
その様子に俺は罪深さと……
心の底に、どす黒い達成感のようなものを感じた気がした。