※この作品はR-18です。

野良犬転生~犬に転生して人間の女の子をお嫁さんにし、被差別種族を救ってしまう男の話~   作:XX(旧山川海のすけ)

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第45話 アサの神技とヒールの神技

「あの、最後にひとつ」

 

 一通り聞き終えた後。

 まだ疑問点があったのか。

 

 ケノから最後の質問が。

 それに対して

 

「ケノさん何かな?」

 

 アサはそれを受けた。

 何でも訊いてくれ。

 そう、表情が言っていた。

 

「……神技(シンギ)・クローンは神域(シンイキ)ですか?」

 

 ……ああ。

 そっか。

 

 クローンと言われても、科学技術がそこに至って無いと意味不明の言葉だから、神域かと思うわな。

 そこにも疑問を持って詰めるあたり、さすがだわ。

 

 さすがケノ。

 ケノのそんな質問に対し

 

「……私もその疑いを持ったことはあるんだが」

 

 言って、少しだけ躊躇って

 

 アサは、上を脱いだんだ。

 すると……

 

 その左肩に、素人でもそうとわかる、銃創があったんだ。

 

「……神技のせいで嫁の選択肢が消えたので、思い切って軍に入って……」

 

 少し悲しそうだった。

 アサは俺に視線を向けながら

 

「そこでの訓練中、訓練兵に馬鹿がいて、そいつの流れ弾を喰らってしまった……治療の結果、能力的には健常者で問題ないところまで回復したけど……こんな感じなんだ。申し訳ない。エイト様」

 

 身体に傷があってごめんなさい。

 そう言って、俺に詫びる。

 

 ……純粋に、胸に来るものがあった。

 

「……なるほど。ありがとうございます。アサさん」

 

 メモを取るケノ。

 女性であるのに自分の身体の傷を他人に晒して、自分の神技の種別をハッキリさせてくれたことに対する労い。

 

 脱いだ服をまた身に付けながら、アサの方は内心喜びを感じている風に見えた。

 他の息子や娘たちとも上手くいけばいいんだが。

 

「次はヒールさん、お願いします」

 

 ケノはメモを終えると、次の報告をヒールに促した。

 ヒールは頷く。

 

 そして、話し始めた。

 

「ウチの神技は分離。無生物限定で、混合物から特定物を分離する神技や」

 

 なんでも。

 ヒールはオレンジジュースとグレープジュースを混ぜた場合、オレンジジュースを分離することができるらしい。

 使い方は、分離した物質を受け取る器を視界内に用意し。

 分けたい物質を含んだものに触れ、念じる。

 これでOKなんだと。

 分離したい物質がその器に転送されるらしい。

 

「器は皿やコップでないと駄目なんですか?」

 

 メモをしながらのケノの質問。

 ヒールはそれに

 

「受け止めさせるというイメージが付くものであればOKや。ただ、それが生き物の場合は……その体内、を指定できへん」

 

 つまり生き物に器の役割を求めたら、ぶっ掛けるような形になるってことなのか。

 

「……毒を盛られた生物から、毒の成分だけを分離するのは?」

 

「急性アルコール中毒になった奴から、アルコールだけ分離するのは出来たで」

 

 テキパキと答えるヒール。

 技術者らしく、返答は適切だと感じた。

 

「生き物の体内から、酸素を分離することはできますか?」

 

「……それはやったことあれへんから分からんけど……多分、できへんとおもう」

 

 理由は、酸素はヘモグロビンと結びついているから、生物扱いになりそうな気がする。

 あくまでも感覚の話だけど。

 そう言う話。

 

 ……このときのヒールには、返答に滑らかさが無かった。

 まぁ、殺人に繋がる神技の使用法について確認されたからだろうな。

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