野良犬転生~犬に転生して人間の女の子をお嫁さんにし、被差別種族を救ってしまう男の話~ 作:XX(旧山川海のすけ)
「ウチは、オリハルコンの採掘と加工に関する技術者やねん」
ヒールが自分の技能に関することを報告する。
その言葉をメモするケノ。
彼女は俺の視線を気にしながら、自信満々に報告を続ける。
「一応、主任やっとった。室長付きの主任研究員や。自分で言うのもなんやけど、仕事は出来る方やったと思うで」
……ふーん。
室長付きか。
ということは、この鉱山の技術について大体把握してる可能性あるってことよな。
これは頼もしい人材じゃないか。
そう、俺が感心していると。
「ヒールさん、大学校って奴には行ってらしてましたか?」
そこでメモを取る手を止め、ケノの質問。
その質問を受けたとき。
ヒールの顔色にテレが混じった。
グレーターヒューマンの世界は。
こども園という、7才までの子供を保育、教育する施設があり。
これは親の自由意志で入れるタイミングを決められる。
だけど7才から入学できる「尋常学校」
これは18才まで国民に基礎教育をする教育施設で。
ここに入学するのは義務になっている。
そしてその上にあるのが「大学校」
尋常学校は複数あるが、大学校は1つしか存在しない。
尋常学校の成績優秀者か、希望者が試験を受けることで入学出来て。
卒業者は社会に関わる重要ポストへの就職が約束される。
ヒールはそんな大学校の卒業者らしい。
……ホント、拾いものだよ。
この世界の科学教育の基礎部分をさ、彼女から受け取ることが出来るじゃ無いか。
そうすれば、こっちと向こうの知識差が縮められる。
「ヒールさん?」
ヒールが突然黙ったから、ケノはそう声を掛けた。
それでヒールは口を開き
「ああ、スマンな。大学校の存在知っとったんや? ケノちゃん?」
軽い調子のそんなヒールの言葉に。
「アタシたちも行動を起こす前、グレーターヒューマンの社会を2年ほど調査し、把握してから挑んだんです」
「へえええ」
ケノの言葉に、ヒールは本気の驚愕と感心が籠った声をあげる。
……すっかり、彼女はレッサーヒューマンの側の人間に鞍替えしてるんだな。
危機感を覚えたり、悔しさを感じてる様子が無い。
喋ってる感じから、元々は明るくて探求心強めの知性の高い女性なんだなと思うけど。
俺の神技で、彼女に何の
正直、罪悪感がある。
だから許されるとは思って無いし、もう2度としないとは言わないけれど。
……でも。
引き換えに彼女の、彼女たちの側室の地位は絶対に確保してやらないとな。