野良犬転生~犬に転生して人間の女の子をお嫁さんにし、被差別種族を救ってしまう男の話~ 作:XX(旧山川海のすけ)
その後、何度も。
徐々に戦力を増やしつつ、数日ごとに鉱山奪還部隊が送り込まれてきた。
それを俺たちは悉く、全部撃退したんだけども。
彼らが来るたび、多くが狙撃で大打撃を受け、シンベエと他の狙撃兵の狙撃技術の向上に寄与するだけに終わったんだ。
……流石に思ったよ。
グレーターヒューマン軍、司令部が無能なのか? と。
無能って言葉はとても思い上がった言葉だから俺は嫌いなんだけど、流石にこれはそう言わざるを得ないと思う。
彼らがしているのは、戦力の逐次投入だ。
戦争で一番やったらイカンことだろ。
ケノに俺が知ってる限りの戦争のイロハを教える際、一番に教えたのがそれだった。
即ち、無駄に兵隊を投入することだけは絶対にするな、って。
前世の教育で、それがどれだけまずいのかを教えられて来たからね。
兵隊は大切に使わなければいけないけど、同時に大きく使えと。
それが兵士の無駄死にを減らし、結果も呼び込むことに繋がるんだ、って。
そう、俺は娘に教えたんだ。
で、このことについて側室のヒールに思うところを話したら
「それはエイト様。グレーターヒューマンはこの300年間、反乱らしい反乱が起きたことあれへんのですわ。そのせいやと思います」
……そんな答えが返って来た。
ヒールが語るに、300年前に1回1人のリーダーの下にレッサーヒューマン反乱軍が組織され、天上界に攻め登って来た事件があったらしいんだけど。
そのとき以来、後は何にも反乱が起きたことが無かったんだそうだ。
ちなみにそのときの反乱はだいぶ手を焼いたらしく。
その後100年ちょい「レッサーヒューマンの男たちの間で、リーダー適性が高いと思われる人間を事前に間引く」という安全保障的対処法がなされたらしい。
だが200年行く前に、だんだんグレーターヒューマン側が油断しサボっていき、無くなっていったらしいけど。
その安全保障的に重要なシステム。
……まぁ、大変だものな。
レッサーヒューマンの社会を深く理解していないと見抜けないし。そんなもん。
何も問題起きないと、そんな重労働はサボりたくもなってくるさ。
……でもそのせいで、今日のこの反乱があるわけで。
やっぱ「やばいな」と思う前に備えておくのが大事なんだな。
何だかそれを思い知ってしまった。
で、このままグレーターヒューマンに無駄に兵士を送り込んでもらって。
その隙にこちらの人数を増やし、戦力を整えレベルアップさせてもらい。
ゆくゆくは天上界のグレーターヒューマンたちも無視できない勢力に俺たちを……
そんなことを考えていた。
だけど
ある日、とうとう言ったんだよ。
俺たちの長男ソウスケが
「皆、聞いてくれ」
大きな声で
「とうとう、グレーターヒューマンたちが
……その声には大きな焦りが含まれていた。