※この作品はR-18です。

野良犬転生~犬に転生して人間の女の子をお嫁さんにし、被差別種族を救ってしまう男の話~   作:XX(旧山川海のすけ)

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第52話 神域の神技持ち

 神域(シンイキ)が来る。

 

 神域の神技持ちには銃や爆弾が通用しない。

 俺たちはそのおかげで、ほぼたった8人の神技使いの存在だけでこの鉱山を堕としたんだ。

 

 今度は俺たちがそれをやられる番……

 

 まあ、緊張はあるわな。

 それに……

 

 悠長に待ち受けているわけにもいかない。

 

 

 

 ソウスケの神技の予知で、敵は1人。

 そして北の壁から攻めて来ることが分かっていた。

 ちなみに女だそうだ。

 20代くらいの若い女……

 髪の毛の色は紫色で、一目で鍛えている女だと分かるそう。

 

 そこまで分かっていれば、やることは1つだけ。

 

 そうだね。

 偵察だね。

 

「父様、よろしくお願いします。姉さま、父様をお願いします」

 

 鉱山の北の防壁傍にて。

 ダイカクの力でこれから俺とシノを外に送り出す。

 

 その前にケノがそう言ってくれたんだ。

 

 俺はこれから、ただの犬のフリをしてグレーターヒューマンの神域神技持ちの兵士との接触を試みる。

 それで、何か神域攻略の役に立つ重大な情報を持って帰らないと。

 

 シノが何か言った気がしたけど、シノは今小人化して俺の体毛の中に埋もれているので、何を言ったのか分からない。

 

「ご武運を」

 

 言って、ケノは頭を下げる。

 

「じゃあ姉ちゃん、あとはボクに任せて」

 

 ダイカクが神技を使用し、俺たちを抱えて宙に浮く。

 そして飛行し壁を乗り越え。

 

 俺たち2人を壁外に送り出した。

 

 

 

 鉱山の外は岩が目立つ地形で。

 植物も無いわけじゃなかったけど。

 樹木が無かった。

 

 幸い今日は天気が良く。

 空は晴れているけど。

 

 もし雨が降っていたら、多分地面がぬかるむんだろうな。

 

 数週間前だけど、ここを攻めたときのことを思い出す。

 

 さて、行くか。

 ソウスケ曰く、この北の壁を攻略しに、たった1人で攻めて来るらしいんだけど……

 

 ということは、この近辺に来るはずなんだ。

 ……とりあえず北を目指そうか。

 

 俺は歩き出す。

 

 で。

 

 ……俺にとって幸運だったのは。

 俺の位置が風下で。

 

 向かう先から、女の匂いが漂って来たんだよね。

 これは……!

 

 俺は走った。

 すると。

 

 緑色の大型テント。

 軍用と分かる、ジープっぽい無骨な自動車。

 それが見えて来た。

 

 ……ビンゴ!

 

 そこで、1人の女が簡易椅子とテーブルを用意し、ティーカップで上品にお茶を飲んでいた。

 それは……

 

 軍服を着た髪の長い女で。

 長い髪を後ろで1本の三つ編みにしていた。

 

 顔つきは明るい感じで

 

「ヤマモトさん、ここまでの運転ありがとうね」

 

「サカザキ様、小官はそれが仕事ですので」

 

 自動車の整備をしている男性と、良好な関係を築いているみたいで。

 1人お茶をする女と、自動車整備をする男性は。

 およそマウントとか、そう言うものが無い声音で会話していた。

 双方、笑顔だった。

 

 女の体型はアサのような感じで。

 ムッチリしてるけど、別に太ってるわけじゃない。

 

 鍛えている女……

 

 そして、その髪の色は紫。

 

 この女か。

 この女が、神域の神技持ちの女なのか……!

 

 初めて目にするグレーターヒューマン側の神域の神技持ち。

 それに俺は恐れを感じると同時に。

 

 何故か、懐かしさを感じていたんだ……

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