※この作品はR-18です。

野良犬転生~犬に転生して人間の女の子をお嫁さんにし、被差別種族を救ってしまう男の話~   作:XX(旧山川海のすけ)

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第55話 霊鳥

 神域(シンイキ)が攻めて来ることは想定はしていた。

 いつかは投入されるだろうと。

 

 でもな……

 

 最初、たった1人かと思い、まだ戦力の逐次投入を止めてないのかと少し安心していたんだ。

 ノーマル神技持ち、つまり普通の兵士投入を止めただけで、戦力の逐次投入路線は継続か、と。

 

 ……だけど。

 それは実は違ったんだ。

 今回、天上界住まいのグレーターヒューマンのお偉方は、正しい兵士の運用をしてた。

 

 このチフユとかいうグレーターヒューマン、人類将(アークヒューマン)で。

 天上界で人類王(ヒューマンロード)を除いた全ての神技持ちの中で最も優れた4人。

 その1人らしい。

 

 アサとヒールの話に出てきたことがある。そういえば。

 人類将という、最高に優れた4人のグレーターヒューマンが居るって。

 それは竜神、神獣、霊鳥、聖亀の称号を持ち、人類王の次に尊敬されていると。

 

 でも、正直舐めていた。

 侮っていたよ。

 グレーターヒューマン全体で、最も優れた4人ってことの意味が分かって無かったんだ。

 

 どんだけ優秀か知らないが、こっちには神域が8人も居るんだ。

 しかもどう考えても当たりの神域が8人もだぞ、って。

 

 フセのタケミナカタは言うに及ばず。

 シノのスクナヒコナ、ソウスケのアマツミカボシ、ゲンパチのヒルコ、シンベエのイワナガヒメ、ケノのリョウメンスクナ、そしてダイカクのヌエ。

 ほぼ蜘蛛の能力であるドウセツのツチグモはちょっと地味かなと思うけど、他はどう考えてもA級だ。

 そう思っていたんだ。

 その力で、このオリハルコン鉱山をかなり余裕で奪えたから。

 これは神がレッサーヒューマンに加護を与えたからこそ実現した、神クラスの8人なんだ、って。

 

 だけど

 このチフユは次元が違っていたんだ。

 

 最初に出撃したのはダイカクで。

 空から雷の雨を降らせたんだ。

 

 でも……

 

 チフユには一切通じなかったんだ。

 いくら電撃を浴びても、平気な顔をしているんだ。

 

 ば、馬鹿な……!

 

 俺は見てて思ったね。

 信じられない、って。

 

 ……本来は思い上がったり、楽観視できる立場じゃ無いのに。

 かなり楽にここまで来たから、そんなことを思ってしまった。

 

 そんな俺たちに、チフユは絶対の自信に満ち溢れた声で

 

「お生憎様。私に電気は通じない!」

 

 空を飛ぶダイカクにそう宣言し。

 続けて

 

「そこの空飛ぶ犬覆面! あなたがどこの誰でもどうでもいい!」

 

 腕を組んだ仁王立ちのまま、大声を張り上げる。

 そしてこう言ったんだよ。

 

「私の前に、戦える神域を固めてこい! 全部ブッ倒してやるから!」

 

 その言葉は実力に裏打ちされた正しい自信に満ち溢れていて。

 そのまま彼女は俺たちに

 

「この人類将(アークヒューマン)の霊鳥を拝命した……チフユ・サカザキがね!」

 

 そう、名乗りをあげて自身の勝利を予告したんだ。

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