※この作品はR-18です。

野良犬転生~犬に転生して人間の女の子をお嫁さんにし、被差別種族を救ってしまう男の話~   作:XX(旧山川海のすけ)

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第67話 グレーターヒューマンたちの考えは

 新しい部屋の新しいテレビ。

 前より大きい良いテレビだ。

 ブラウン管だけどね。

 

 前のテレビは古(いにしえ)のツマミをガチガチ切り替えるタイプのチャンネルだったんだけど。

 今回のテレビはリモコンがついていた。

 

 ……有線だけど。

 

 片手でギリギリ持てる直方体に、ボタンが何個もついてて。

 そこからコードが伸びてて、3メートルくらい離れた位置でテレビの電源のオンオフ、チャンネル選択が出来る仕組み。

 

 無論、人間用に最適化されてるわけだけどさぁ。

 爪を上手く使って、自分でチャンネルを変えるワザを俺は習得した。

 

 おかげさんで、今回は教育番組だけでなくて、その他のチャンネルも見ることが出来る。

 民間放送なんかね?

 

 スポンサーの読み上げが番組の前後であったし。

 

 

 

 チャーッチャ、チャッチャチャッチャー♪

 

『夜まで委員会』

 

 昼間にやってる言論バラエティで。

 最新の世の中の出来事で、昼半ばから日没までの間、言論人が複数人討論し合う様子を放送する番組。

 

 ……この番組を見つけたとき。

 この番組を見れば、世の中の出来事をグレーターヒューマンたちがどう捉えているのかわかりそうだな。

 

 そう思い、俺はこの番組の視聴者になった。

 

 無論、目当ては俺たちが現在進行形で行っている反乱について。

 

 番組では「第2オリハルコン鉱山占拠事件」って呼び名になってたけど。

 

 

 

「今回の件は、我々の油断ですよ。……反乱鎮圧を命じられた人類軍の将軍、1カ月も上にまともに報告しなかったんですよ?」

 

 眼鏡の痩せた紳士風男性が、発言してる。

 彼は肩書が蕎麦屋兼作家って言ってたけど、多分上級国民なんだろうな。

 身なりと物腰に金持ちっぽい品があった。

 

「僕は再三申し上げてましたけど、安全保障ってのは、必要な無駄であり、手間なんですよ」

 

 手振りを交えて主張してる。

 

 ……うん。

 言うなれば敵国の人間だけど、彼の言ってることはまともだな。

 攻める側から言わせて貰えば、あの鉱山を堕とすのは本当に楽勝だったし。

 

 全ては300年の平和から来る油断だよ。

 ホント、怖いな。

 

 平和ボケ。

 

「そこは本当に反省しなければいけません。二度と同じことが起きないように……」

 

 そう、政府の間違いを批判して

 

「彼らはまだ要求を出してきてませんが、おそらく我々の領土の割譲を要求して来るでしょうね」

 

 ……なかなか、核心的な話題を持ち出して来た。

 実際、こっちはそれを狙ってんだけど。

 

 すると

 

「いや、それは駄目だろ。バンブ君、知っての通り我々の土地は神からの授かりものだぞ?」

 

 禿頭の老人の論客が眼鏡紳士に反論。

 それを受けて眼鏡紳士は

 

「ええそうですね。ですから先生、断じて吞めませんから……」

 

 とても強い眼光で

 

「次の攻撃で、確実に殲滅しないといけません。土地は守り抜くもの。我々の始祖もそういう言葉を残してますし」

 

 その言葉を受けて、中年女性の論客が

 

「いや、殲滅と言っても、こんな大それたことを考えたのは全ての人間のクズたちではないでしょう? それにそんなことをしたら労働力の低下が……」

 

 殲滅という言葉に反応するけど、眼鏡紳士は動じない。

 冷静に反論する。

 

「こういうのは中途半端は駄目なんですよ。デンアイラ先生、始祖の言葉にもあるでしょう……?」

 

 ……色々な意見はあるみたいだけど。

 今回の件で、俺たちを殲滅する。

 そういう意見は普通に出てて。

 俺たちを舐め腐ってる奴らばかりでもないのか。

 

 ……厄介だな。

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