野良犬転生~犬に転生して人間の女の子をお嫁さんにし、被差別種族を救ってしまう男の話~ 作:XX(旧山川海のすけ)
「チフユがこの家に来るらしいです」
ある日。
娘が仕事から帰って来ると、そう教えてくれた。
マジか……
理由を訊いたら、俺を見に来るらしい。
何故に?
……まさか、俺が怪しいと思ったのか?
俺の中身が40近い人間のオッサンだということがバレてしまったのか!?
そう思い、焦っていたら
「……犬飼い者の先輩として、私の飼い方のチェックをしてあげると。そういう話になりまして」
娘が教えてくれた。
ああ、そっか。
バレたわけじゃ無いんだ……
まぁ、
そして約束の日がやって来て
「どうぞ」
「お邪魔します」
……ホントに紫髪の女
彼女は上品な白ブラウスと灰色スカート。そして黒いストッキングを穿いていて。
以前見た、軍服……厳めしいいでたちと違って見えた。
彼女は玄関ドアを潜って家に入って来た。
「なかなか綺麗な家ね……男の人の部屋だから、もう少し汚いのを想像してたんだけど」
「それは偏見というものですよ。サカザキ様」
チフユの言葉に、軽く微笑んでシノinヤマモト。
部屋を見回して
「ヤマモトさんはエッチな本は何処に置いてるの?」
シノinヤマモトに顔を向けて。
それを受けて、娘は
「それは書斎に」
……一般的って言って良いのかなぁ?
にこやかにそんな会話をする2人。
まあ、だいぶ仲は良いんだろうね。
親密で無いと出て来ない会話なのは分かるし。
で、俺の存在に気づく。
「おお、キミは幸せに飼われてますかー?」
ニコニコしながら俺に近づいてきて。
頭を撫でて、首を撫でた。
何故か、あまり悪い気はしなかった。
チフユは俺を撫でながら
「餌は何を与えているの?」
娘……シノinヤマモトにそう訊いた。
シノinヤマモトは
「え、オーソドックスな固形飼料ですけど……」
ちょっとドギマギしながら。
すると
「ちょっと見せて」
娘の言葉にチフユが食い気味に反応。
シノinヤマモトは、言われた通りに俺に与えている固形飼料の入った箱を持ってきてくれる。
可愛い犬のイラストが描かれた箱だ。
キャッチコピーは「食いつきが違う!」
マッシグラーっていう固形飼料なんだけど。
口当たりが良いんだよな。
そして後を引く美味さ。
前に食べてたのはマズかったから、そこも嬉しいポイントで……
そう、俺がその固形飼料について脳内でべた褒めしていると。
「この餌は駄目。捨てた方が良いわ」
いきなり。
チフユがその固形飼料マッシグラーを否定してしまったんだ。
……えっ?