野良犬転生~犬に転生して人間の女の子をお嫁さんにし、被差別種族を救ってしまう男の話~ 作:XX(旧山川海のすけ)
第72話 帰還して
そして数日後。
シノinヤマモトに連れられて、早朝に第2オリハルコン鉱山から約5キロの地点までやってきた。
シノinヤマモトは今日から明日の晩まで、ここでキャンプをする。
俺はここから鉱山に戻り、シノinヤマモトに作って貰ったメモと、俺の見聞きした情報を話し、俺の家族と仲間たちに伝えるんだ。
「では父上。お願い致します」
俺に対してそう言葉を掛け、娘はキャンプの準備をはじめた。
テントを設置して、薪を組み、火を起こし……
ここに来るまでに買って来た、肉や野菜を取り出して、料理をはじめる……
ナイフを使って肉を切り、野菜を刻む……
お前はここで明日までぼっちキャンプを装って、俺を待つんだな。
苦労を掛けるよ。
じゃあ、行ってくる!
首輪の隙間にメモを結わえて貰った俺は、真っ直ぐに駆け出した。
5キロの距離を数分で走破して、俺はオリハルコン鉱山に戻って来た。
結構全力で走って来たから、さすがに息が上がって来ていた。
さて、気づいてくれるかな……?
俺はオリハルコン鉱山の正門に回り、ワンワン吠えた。
そして遠吠え。
……結構キツイな。
で、そんなことを30分くらい続けた。
すると……
正門の門の上から、スーッと。
犬顔の人影が宙を浮いて降りて来る。
……ダイカクだ!
俺は嬉しくなってさらに吠える。
ダイカクは俺に近づいて
「やっぱりお父さんだ! おかえり!」
嬉しそうにそう言い、俺に抱き着いてきた。
「ご苦労様でした。父様」
鉱山に迎え入れられ。
ボブカット犬耳眼鏡美女……次女のケノにお辞儀をされた。
いやあ、こっちもお前には苦労を掛けているし。
疫病なんて起きて無いよな?
シノがいない状態だから、そこだけが気になっていたんだ。
俺がそのことを50音表でケノに訊ねると
「大丈夫です。病気が起きて問題になってることは無いです」
姉様が居ないことで起きてる不具合は今のところありません。
……うん。
ここの運営の統括をお前に任せて正解だったと思うわ。
感慨深いなぁ……
自分が手塩を掛けて育てた子が、こうして他人の役に立って大活躍できている姿ってのは。
前世の俺は、思えばこうして誰かを育てたことは無かった気がするよ。
それなりには稼げる男ではあった気がするけど。
自分のことばっかりで。
俺は孕ませ属性で、子供を作ることに大きい魅力を感じていたけど。
孕ませの先を考えていなかったかもしれない。
ここに生まれ変わって、その先を知って。
その責任の重さと、喜びを知れたことが嬉しい。
そう思っていると
「父様、あと」
アサさんとヒールさんが子供を出産なさいました。
ケノからのそんな報告。
おお!
父親なんだからそれは会いに行かないとな!