※この作品はR-18です。

野良犬転生~犬に転生して人間の女の子をお嫁さんにし、被差別種族を救ってしまう男の話~   作:XX(旧山川海のすけ)

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第73話 母の資格

 ケノに大体のことを報告し、ケノからの鉱山内の近況報告を受けた後。

 

 このオリハルコン鉱山内に設けられた、フセの部屋に案内された。

 

 フセ……もう2カ月近く会っていないけど。

 どうしているだろうか。

 

 天上界に2カ月近く潜伏し。

 娘の報告を受けたり、テレビ番組で情報収集したり。

 生活自体は余裕はあったけどさ。

 

 やはり、大切な妻に会えないのは辛かった。

 フセが居たから、俺は死なずに済んだ。

 そして家族を得ることが出来たんだ。

 

 切っ掛けは歪だったかもしれないけど、今はハッキリと言える。

 

 俺はフセを愛しているし、フセが産んでくれた子供たちは全員が大切だ。

 誰一人欠けることなく、この戦いを勝ち抜いていきたい。

 

 それは、甘いことかもしれないけど。

 

 そんなことを考えながら、俺は妻が待つ部屋に向かった。

 銀色の髪で、高貴さを感じる姿の、最愛の女性の待つ部屋に。

 

 すると

 

「あなた! ご苦労様でした!」

 

 フセが駆け寄って……は来なかった。

 俺がフセの生活している部屋に入っても。

 

 彼女は、小さな犬耳の女の子を抱っこして、毛皮の敷物の上に座っていた。

 女の子……

 

 俺が興味の視線を向けたことに気づいたのか、フセは笑顔で

 

「喜んでください。この子はヒールが産んだ子のフェンリルです」

 

 そう言って、3~4才くらいのその子を見せてくれた。

 

「フェンリル……この方があなたの父上よ。さぁ、ご挨拶なさい」

 

 フセの腕から降りて、少し警戒しながら俺を見て、ぺこりと頭を下げる。

 ……ヒールによく似てるかな。

 目が大きいあたりがヒールの産んだ子らしい。

 

「こ、こんにちはちちうえ」

 

 おお……

 ちゃんと喋れるんだ。

 

「は、ははうえー」

 

 そして言い終えたら、怯えた顔でフセの方に逃げた。

 そう。

 

 フセの方に。

 彼女を自分の母親として。

 

 ……正妻と側室の地位の問題。

 正妻しか、家族の中で母を名乗れない。

 産んだのはヒールだが、ヒールは産んだ人であって、母では無いんだ。

 

 この辺についてはケノに命じて徹底させた。

 絶対にアサとヒールには母の権利は与えるなと。

 

 彼女ら2人は、フセの下の女であり、俺にとっては子供を産んでくれる家臣でしか無い。

 ……非情に思えるかもしれないけどさ。

 俺の前世で、実際に側室が居た時代は、そういうものだったわけだからな。

 それに倣った。

 それで上手くいっていたんだから、そうするべきだ。

 情を交えてはいけない。

 

 

 

 俺とフセは、50音表で会話した。

 離れていた間のことを。

 

 そして、結構迷ったんだが……

 俺は、言うことにしたんだ。

 

 フセ、実は俺

 

 ここから先を50音表で示して伝えるとき。

 俺は迷いがあった。

 

 迷ったけど……

 

 天上界で……お前に拾われる前に、俺を飼っていた女と再会したんだ、と。

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