※この作品はR-18です。

野良犬転生~犬に転生して人間の女の子をお嫁さんにし、被差別種族を救ってしまう男の話~   作:XX(旧山川海のすけ)

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第74話 俺のこれまでを

 50音表で示された俺の言葉を読んで、フセは

 

「えっと、あなた?」

 

 彼女の言葉には戸惑いがあった。

 そして俺を見ている。

 

 発言の意図が分からないという意味だろう。

 

 俺は続けて。

 

 勘違いしないで欲しいのは、俺はこの戦争を止めろと言ってるわけじゃない。

 俺たちが立ち上がったことに意味が生まれるまで、俺たちは戦い続けなければならない。

 それは確定事項だと。

 

 ……だったらどうしてそんなことを?

 

 フセの目は、俺の告白を読んだ後、目でそう言っていた。

 

 俺は

 

 お前には、俺がここに来る前に何があったのか全部把握していて欲しい。

 お前は俺と共に生きる伴侶なんだから。

 

 そう、50音表で伝える。

 

 すると彼女は涙を浮かべて

 

「……嬉しいです」

 

 フセはフェンリルを抱っこしたまま。

 俺の首を抱いたんだ。

 一緒に抱かれたフェンリルは、母が何をしているのか理解できないのか、キョトンとしていたな。

 

 

 

「あなたの元の飼い主はどういう人間だったんですか?」

 

 俺の意図を理解してくれたフセは、そう訊ねて来る。

 

 俺は

 

 俺の元々の飼い主は、愛犬家だったよ、と。

 俺は飼い主の家の飼い犬から生まれた仔犬の1匹だったんだ。

 

 俺の兄妹は次々貰われていったけど、俺ともう1匹だけが貰い手が付かなくてな。

 俺が1匹で餌を食えるようになったとき、レッサーヒューマン居住区に捨てられることになった。

 

 そう、教えた

 

 すると

 

「何て酷い! 所詮グレーターヒューマンですね! 何が愛犬家ですか!? あなたを捨てるなんて! アイツらに正義なんてひとつもない!」

 

 本気で憤慨してくれる。

 その気遣いは嬉しいけどさ。

 

 俺はそのことに関しては別に恨んじゃいないんだよな。

 

 彼女はギリギリまで飼い主の責任を果たそうとしてくれたし、そのことを今に至るまでずっと後悔してくれていた。

 それに……

 

 俺がお前と家族を作ることが出来たのは、元の飼い主がレッサーヒューマンの居住地に俺を捨ててくれたからなんだぞ?

 

 そう、伝える。

 そしたら

 

「……その点だけは、そいつに感謝してやりますよ。でも、そのせいでこの第2オリハルコン鉱山が、私たちのものになってるんですよね? ざまあみろですよ」

 

 ……まぁ、そうなんだけどな。

 でもあんまり、お前が憎悪を滾らせて、グレーターヒューマンへの怨嗟と侮蔑の言葉を吐いてる姿はあまり気分の良いものでは無いな。

 

 もちろん、お前の気持ちは分かるんだけどね……

 許せるわけがないよな。

 

 ずっと、苦しめられて来たんだし。

 レッサーヒューマンはグレーターヒューマンに。

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