野良犬転生~犬に転生して人間の女の子をお嫁さんにし、被差別種族を救ってしまう男の話~ 作:XX(旧山川海のすけ)
アサの産んだ子は人間の姿で生まれて来たらしい。
それがアサの
生まれて来たのは女の子で、目元がアサそっくりだったそうだ。
……ちょっと頭の片隅で考えていたことが、杞憂であることが証明出来て嬉しかった。
ヒールに関しては、意識がある状態で妊娠させたから、心が神技の効果で書き換わる瞬間を目撃したけど。
アサは寝てる間にやった。
そしてアサは軍人だったんだ。
ひょっとしたら、たまたま既に妊娠済みで。
そしてどういうわけか俺の神技の内容を察して、本当は俺の子を身籠って無いのに、グレーターヒューマンのために身籠ってるフリをしていた可能性を考えていたんだけど。
アサやフセと同じく、2カ月で出産したようだから、ケノの報告を聞いたとき、俺はアサに心で詫びた。
疑って悪かった、と。
ただでさえ、無理矢理俺の子供を身籠らせたことが酷過ぎるのに、その上疑われる。
無論口には出さなかったけど、俺はそのことを知ってるわけだから。
……詫びるしか無いよな。
「エイト様、お久しぶりです」
「エイト様、見て下さい。あなたのお子です」
イズミとアサが同じ部屋で娘を育てていた。
俺は部屋に入ると、50音表で娘の名前を訊ねる。
すると
「お名前はルーシーです。エイト様」
イズミが答えてくれる。
ルーシーはイズミに抱っこされていて。
この子は犬獣人としては産まれていないので、成長スピードは普通の人間と同じらしい。
首は座ってるけど、まだハイハイは出来ないし、喋ることもできない。
とても可愛らしい。
育児に苦労を掛ける、とイズミに言うと彼女は
「いえいえ。レッサーヒューマンのために働けて光栄です」
そう、躊躇いなく言ってくれる。
この子とも、色々あったよな。
……最初は死んだヨースケの地位を早々に奪ったと恨まれていたけど。
今はこうして、レッサーヒューマンの未来のために尽くしてくれている。
そう感慨深いものを感じていると。
ウァアアアアン!
ルーシーが泣き出した。
「あらあらルーシー様、おしめでしょうか? おっぱいでしょうか?」
言ってイズミが、ルーシーのオムツの中を覗き、違ったらしく
「アサ様。授乳の様です」
「分かったわ」
……レッサーヒューマンの女性の基本衣装のワンピースは、授乳に適した工夫がされている。
胸を露出するための穴が設けられてるんだ。
レッサーヒューマン女性は、子供を産むことが仕事だからね。
だから基本そうなるわけだ。
アサはボタンを外し、乳房を露出させる。
アサは背の高い女性で、それに見合うくらい胸が大きかった。
ポロン、と豊かな乳房を出してその薄茶色の乳首をルーシーの口に含ませる。
「……さあ、存分に飲んで下さい。ルーシー様」
そういうアサの表情は、少し寂しそうだった。
お前は産んだ人間であって、母ではない。
俺の言ったことだ。
それをアサは泣く泣く受け入れているんだ。
正直、酷いとは思うけど……
これが側室の概念がある家庭での、秩序の問題で。
止む無く、したことなんだよな。
……こういうことは、俺の代だけで終わらせたいよ。