野良犬転生~犬に転生して人間の女の子をお嫁さんにし、被差別種族を救ってしまう男の話~ 作:XX(旧山川海のすけ)
……都合は良いかもしれないな。
俺たちが今やろうとしていることから考えると。
ただ
「ああ、それは私も考えました。父上」
自宅マンションで。
娘と話したときに。
俺が「聖亀スプリス・ビルドとはあまり接触するな。お前の正体を見抜かれる恐れがある」と言ったら。
返って来た言葉がそれで。
シノは
「自分より頭が良い人間の思考の恐ろしさは、ケノを見て知ってますよ。私が思い当たらないことを相手は気づくかもしれない……そんなの当たり前ですよね?」
そう言って、娘はヤマモトの身体で苦笑する。
……なんというか。
兄弟姉妹が多いせいで、この子はこの子で色々積み重ねているんだな。
そこが嬉しくもあったし、多少不憫なところもある。
そして幸運だったのかもしれないな。
自分の能力を過信しないということをこの子は妹から学んだんだ。
親として、嬉しかった。
そして
エックスデーが近づいてくる。
その間、シノはチィちゃんとの関係性を深めていく。
で、ある日。
「あの女の実家に呼ばれました」
シノの報告。
……マジか。
俺が今世で生まれた家……
流れとして、俺も行く形になると思うんだけど。
行きたくないとは言えないわ。
……これまでのデートでも、同伴多かったしな。
犬不可の状況でない限り。
彼女の実家で、実家で犬を飼っているとなれば、多分連れて行くんじゃ無いか?
互いの愛犬を見せ合う感じでさ。
そう思ったから
俺も行くの?
念のため、そう訊ねたら
「ええ。はい。まぁ、いつも基本そうですよね?」
……やっぱりか
そして。
俺は自分の今世で生まれた家……チィちゃんの実家に連れて来られてきた。
ああ……何か思い出して来たぞ。
この、100坪くらいありそうな敷地に、50坪くらいしか土地を使わずに建てられた家。
庭が広かったんだよな。俺の頭の中にある普通の家よりも。
2階建ての家……
確かチィちゃんには兄弟姉妹が居なかったから……
今は両親しか住んでないのかな。
あれは何年前だ……?
シノが今の身体にinしてから、3カ月くらいで……
鉱山を占拠したのが、それより1か月くらい前で……
最初の天上界潜伏が2年間……
フセを奥さんにして、子供たちが全員生まれてくるまで約7年……
そして俺が生まれてからそこに至るまで1年は無いと思うので……
多く見積もって、10年くらい前か?
……結構前だな。
あまり時間が過ぎた感覚が無いんだけど。
果たして。
俺が生まれた家は、今は一体どうなっているんだろうか……?
俺が娘に連れられて、家の玄関ドアを潜ったとき。
ふとそう思い、なんだか感じるものがあった。