野良犬転生~犬に転生して人間の女の子をお嫁さんにし、被差別種族を救ってしまう男の話~ 作:XX(旧山川海のすけ)
前日に、俺は俺たちの本拠に戻った。
ここから先は、俺は天上界に居る意味が無いと思ったからだ。
「父様、兄様たちをお願い致します」
俺が先に戦場に出るとき。
ケノがそう、俺に声を掛ける。
もちろんだ。
危なくなったら、俺が犬であることを最大限に活かして、お前たちを助けるさ。
その意味で、俺は吠えた。
エックスデー。
グレーターヒューマンが俺たちの今の本拠地・第2オリハルコン鉱山に襲撃を掛けて来る日。
この日をずっと待っていたんだ。俺たちは。
オリハルコン鉱山の前に。
襲撃を掛けて来る
その前面に出ているのは……
長男・ソウスケと。
4男・コブンゴ。
「コブンゴ、もうすぐ
「分かった。兄ちゃん」
じっと前を見つめ、言葉を交わし合う兄弟。
かなりの数が居たはずなんだが……
理由は、数を揃えても、実力の伴わない神域兵だとダイカクのヌエによる飛行状態からの雷撃乱れ撃ちで狩りまくられるだけ。
そういう結論を出したらしい。
あとは……
万一の事態……こっちが毒ガス兵器を完成させてきた場合を考えると、その対抗手段に数を用意できなかったらしく。
……数を用意するのに時間が足りないなら期限を延ばせという意見もあるかもしれない。
でも、それについては……
それだけのために決行日時を伸ばすのは得策じゃないと結論。
理由は、相手に時間を与えれば与えるほどレッサーヒューマンが毒ガス兵器を完成させる危険性が高まる。
毒ガス兵器はこの世に無い方がグレーターヒューマンとしては都合が良いんだ。
だから
大丈夫だ。
そういう心境の結果だそうだ。
狙い通りだったので、助かる。
それが正直な気持ちだった。
だからシノを通じて、レッサーヒューマンが毒ガス兵器を研究している可能性を吹き込んだんだ。
チィちゃんに。
毒ガス兵器の研究は禁忌の研究だから、グレーターヒューマンたちはしていないようだけど。
こっちはそんなものに従う理由は無いんだから。
対抗手段を考えないと、万一の事態で詰んでしまうからな。
「そろそろ来るぞ。気を引き締めろ」
「分かった」
兄弟の会話。
ソウスケの不運予知が察知したんだろう。
その会話が終わると同時に。
3人の人影が現れる。
……
チィちゃんを挟んで、3人。
屈強な赤毛の巨漢と、青髪の優男。
あれが竜神サマリー・ガルシアと神獣シュウ・ヴィリアスか。
ここからでも伝わって来る、圧倒的な強者のオーラ。
……彼ら3人に、油断は無かった。
本気で来るところが伝わって来る。
軍服姿の最強の男女3人……。