※この作品はR-18です。

野良犬転生~犬に転生して人間の女の子をお嫁さんにし、被差別種族を救ってしまう男の話~   作:XX(旧山川海のすけ)

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第85話 コブンゴの神技

 ソウスケは流星拳の連打を止めない。

 うおおおお、と吠えて踏ん張り、続ける。

 拳を突くたびに、念の流星が竜神サマリーとチィちゃんを襲うんだ。

 

 だけど

 

「いつまで連続パンチしてるのよッ!」

 

 流星の勢いが弱まって来たと判断したのか。

 竜神サマリーに庇われていたチィちゃんが飛び出し、両手のひらをソウスケに向けて。

 

 ……放電が来る!

 

 だが、それは我が子たちも理解していた。

 俺が3人の人類将(アークヒューマン)が持っていると予想される能力を全部話したからな!

 

 放電攻撃から庇うために。

 チィちゃんとソウスケの射線の間に、コブンゴが立ち塞がったんだ。

 神域(シンイキ)では無いコブンゴが。

 

 同時にチィちゃんの手から稲光が迸る。

 ……やっぱり!

 

 電撃がコブンゴを打った。

 だけど……

 

 コブンゴは平然としていた。

 全くダメージを受けた様子が無い。

 

 驚愕するチィちゃん。

 

 ……もう一度言う。

 コブンゴの神技(シンギ)は神域ではない。

 

 これはどういうことか……?

 

 それは

 

 コブンゴの神技「相撲」は

 

 一流の相撲取りとして誰も文句を言えなくなる神技だ。

 

 具体的には、土俵の上では生きてる限り絶対に転ぶことが無くなり、誰かを投げようとした場合、人形を投げ飛ばすみたいに一方的に投げることができる。

 

 ……こういう神技なんだよ。

 だから……

 

 実は事前にこの戦場をぐるりと囲う形で、大きく円を描いておいたんだよ……

 地面に。

 

 つまり今、ここはひとつの大きな土俵になっているんだ。

 

 なので……

 

 感電したら倒れてしまうので、電撃自体が無効化される。

 火炎で焼いても同様だ。

 即死しない攻撃は全て無効だ。

 

 これで、サマリーとチィちゃんに神技でコブンゴを倒すことはまず出来ない。

 頭部を直接攻撃して、即死させてしまった場合はおそらくその限りでは無いけれど、それは2人には分からない……!

 

 コブンゴが突っ込む。

 迎え撃つサマリー。

 

 ガッツリ、プロレスの手四ツの体勢に入るけど。

 数秒持たずにサマリーの身体が宙を舞った。

 

「ぐおおおっ!?」

 

 地面に転がされるサマリー。

 そこに四股を踏んで頭を蹴り潰す体勢に入るけど……

 

「危ないサマリーさん!」

 

 チィちゃんが飛び掛かり、コブンゴの頭に一撃を加えようと拳を構える。

 

 ……頭はマズい。

 

 コブンゴは四股を中断し、肩でチィちゃんの拳を受ける。

 そしてその拳を、右腕を掴んで即投げ。

 

 チィちゃんが宙を舞った。

 

「きゃあああ!」

 

 だがチィちゃんはクルクル回って素早く受け身を取り、体勢を立て直す。

 

 そして慌てて立ち上がり、距離を取って

 

「雷も打撃も無効化する神技……? 信じられない」

 

 そう言って、彼女は戦慄した表情を浮かべていた。

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