野良犬転生~犬に転生して人間の女の子をお嫁さんにし、被差別種族を救ってしまう男の話~ 作:XX(旧山川海のすけ)
ヤマモト氏はハァハァ言いつつ、駆け込んできて。
必死な感じで喚くように訴える。
「そのガスマスクに致命的な不備が見つかりました! 今すぐ外して下さい!」
いつもの落ち着きぶりは無い。
「お願いします! 危険なんです!」
チィちゃんは困惑してるみたいだった。
なんだからしくない、と思ったのかもしれない。
だけど
「ぬぅ、承知した。皆、とりあえず」
率先して、竜神サマリーがガスマスクを外し。
ヤマモト氏に手渡しながら
「お主に手渡せばよいのだな? ええと……」
「ヤマモトです。サマリー様」
頷きながらガスマスクを受け取るヤマモト氏。
なんだか納得いかないモノを感じているのかもしれないけど、仲間のサマリーがガスマスクをヤマモト氏に手渡してしまったので
チィちゃんもガスマスクを外し。
シュウも外した。
そしてサマリー同様、ヤマモト氏にガスマスクを手渡しした。
まずチィちゃんが渡して。
その後、シュウが渡したとき。
突然、サマリーがその手を掴んだんだ。
むんず、といった感じで。
「えっ?」
シュウが驚いた。
いきなりなんだ?
困惑、理解できない?
何のつもり?
そんな表情。
「サマリー殿?」
それが、シュウの言葉の最後だった。
ヤマモト氏が駆け寄って。
その口から不定形のものが飛び出して。
シュウの口に飛び込んだ。
乗り換え……
ゲンパチの、身体の乗り換えだ。
……この戦いが始まる直前に、シノは今まで占有していたヤマモト氏の身体を手放した。
そしてそこに、ゲンパチが乗り込んだ。
数か月ぶりに外界に出たシノ。
その彼女は……
グレーターヒューマンのガスマスクの内部に縮小化して潜り込んだんだよ……
ケノが考案した「
それがこれなんだよな……
俺はガスマスクというものの存在を教えて。
おおよその構造を教えたんだ。
そこからケノが立てた計略……
乗り捨てられたヤマモト氏は倒れ伏し。
乗り込まれたシュウは表情を失った顔で宙を仰いでいた。
「シュウさん! ヤマモトさーん!」
チィちゃんは悲鳴をあげた。
今、何が起きたのか。
……彼女はまだ理解できないみたいだ。
俺はそこで……
彼女の傍に駆け寄って
ワン、と吠える。
彼女はそれどころじゃない。
だけど俺は何度も吠えて。
そこに
「……サカザキ様。降伏勧告を致しますよ?」
サマリーが……いや、シノinサマリーが酷く冷たい笑みを浮かべてそう言ったんだよ。
そこでさすがに気づいたみたいだ。
「……あなた……誰?」
もうここに、