※この作品はR-18です。

野良犬転生~犬に転生して人間の女の子をお嫁さんにし、被差別種族を救ってしまう男の話~   作:XX(旧山川海のすけ)

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第8話 突撃の理由

 そして、何十日も経ち。

 

 俺は成犬になった。

 

「もう、完全に大人の犬ね。今度こそ、狩りが出来るかしら?」

 

 しゃがみ込み、俺を抱いて。

 完全に成犬に成長した俺を、フセは祝福してくれた。

 

 ありがとう、フセ。

 

 

 

 フセとの生活は、決して楽では無かったけど。

 

 俺は幸せを感じていた。

 優しい飼い主に、その飼い主のパートナー。

 

 ヨースケも俺を家族と認めてくれていて。

 

 それは2人と1匹が、3人と1匹になり。

 それが4人と1匹になっても変わらない……。

 

 そう思っていたんだ。

 

 あの日までは……

 

 

 

 その日、俺とヨースケ、そしてフセの2人と1匹で人間のクズ居住地を歩いていたら。

 

「この偽妊婦がぁ!」

 

 少年の声がした。

 

 え、と思った。

 

 なんか、向こうに居るんだよ。

 2人。

 

 ……柄のある服を着た少年たちが。

 年齢は中学生くらいに見えた。

 

 見たところ、学生服……ガクランみたいな服で。

 腕のところに星のマークが入ってる。

 

 その数、1個。

 

「……グレーターヒューマンの下級国民」

 

 それを見たヨースケの声は震えていた。

 

 妊婦を装う関係で、レッサーヒューマンの女性で妊娠していない女子は、ワンピースを着ておなかに詰め物をするのが一般的なのだけど。

 

 どうやら、それがバレてしまったらしい。

 

「すみませんすみませんお見逃しをグレーターヒューマン様方!!」

 

 その女子は土下座していた。

 年齢は若く、高校生くらいに見えた。

 緑色の髪の普通の少女だ。

 

 そんな少女が、真っ青になって泣きながら、謝り続けて慈悲を乞う。

 

 自分を囲む自分より年下の、中学生くらいの少年たちに。

 

 少年たちは

 

「人間のクズの分際で繁殖をサボってんじゃねぇぞ!」

 

「お前らが繁殖しねえと俺らが困るんだよクズが!」

 

 嗤いながら、その女の子の頭を踏みつけている。

 そして

 

「なぁ、どうするタロウ」

 

「なんだよジロウ」

 

 グレーターヒューマンたちは会話していた。

 この少女をどうするのかについて。

 

「犯してからぶっ殺す? 俺、首を刎ねるよ?」

 

「……血の匂い嫌いなんだよ。俺が焼き殺すわ……あ、でも」

 

 万一生き残って、孕んでしまうとコトだな。

 バレた場合、親が学校に呼び出されて、停学喰らっちまうよ。

 

 ……面倒くさそうに、恐ろしいことを相談していた。

 

 彼らグレーターヒューマンにとって、レッサーヒューマンを殺すのは虫を殺すのとマジで大差ないんだ……!

 それを自分の目で見て、理解してしまった。

 

 そして彼らの間で、意見がまとまったようで。

 それは……

 

「じゃあもう焼くってことで」

 

「ん、じゃあそうしよっか」

 

 言って、タロウと呼ばれている少年が、高く手を掲げた。

 その手の中に吹き上がる炎。

 

「じゃあなゴミ」

 

 そしてその炎を少女に浴びせようとしたとき。

 

「やめろおおおおおおお!!」

 

 ヨースケが突如飛び出した。

 

 え、と思った。

 可哀想だけど、これは見捨てるしかないと思っていたのに。

 

 ヨースケは飛び出した。

 

 そしてグレーターヒューマンの少年たちはそれに気づき、なんだかギョッとしたけど。

 

「うわっ!」

 

「てめえ!」

 

 タロウが炎を浴びせ、ジロウが手刀を振り下ろした。

 

 炎はヨースケの身体を瞬く間に飲み込み、手刀から迸った波動が、ヨースケの身体を頭頂から股間までを2つに割いた。

 

 その場には、燃え上がる2つの肉塊が残された。

 

「ヨースケ……!」

 

 フセが真っ青になって、震える。

 そして口に手を当て、目からボロボロと涙が零れる。

 

 ヨースケ……どうして……!

 

 ヨースケが突っ込んだ理由。

 分からなかったけど。

 

 それが次の瞬間、殺されそうになっていた少女が叫んだ言葉で分かった。

 

「おにいちゃーーーん!!」

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