※この作品はR-18です。

野良犬転生~犬に転生して人間の女の子をお嫁さんにし、被差別種族を救ってしまう男の話~   作:XX(旧山川海のすけ)

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最終章 新天地へ
第91話 戦い終わって


 こうして。

 グレーターヒューマンの最高戦力との決戦は俺たちの勝利で終わった。

 

「皆、ご苦労様でした」

 

 鉱山の中に戻る。

 ……ここ数カ月のピリつく感覚がいくらか和らぎ、何だか肩の荷が下りた感じだ。

 まだ気は抜けないけどな。

 

 フセが子供たちを労う。

 並んで座る子たちの頭を撫でていく。

 

 ……中に人間の男が2人混じってるのがなんか……

 

 さすがに、その2人の頭を撫でるとき、フセの顔が少し引き攣ってた。

 

「奥様、エイト様」

 

「我々の勝利、ご苦労様でございました」

 

 そこに。

 お腹が大きくなった2人の側室アサとヒールが駆け付けて来る。

 

 臨月か。

 

 ほぼ2カ月前だもんな。

 お前たちをまた身籠らせたのは。

 

 俺の神技の効果で、難産は絶対にしないし、母体へのダメージも最小限になるのは決定されているけど。

 それでも苦しいものは苦しいはずだ。

 

 比較対象が普通のお産で、それよりは楽ってだけで。

 一般感覚で楽な行為では無い。

 

 言葉は難しいね。

 

 ……だからまぁ、俺は孕ませに惹かれた。

 あの2つの大きなお腹に入っている俺の子供を、彼女らは必死で生み出してくれるのか。

 

 すまない。ありがとう。

 

 そこに

 

「アサ、ヒール。あなたたちは休んでいなさい。大事な身体なのだから」

 

 正妻として。

 夫の子を孕んだ側室たちへのこの態度。

 

 ……この2人を側室にすることに決めたとき。

 

 彼女は泣いていたけど。

 今は普通に、正妻として振舞ってる。

 

 無理をさせているのが申し訳ないけど。

 未来を考えて私情を封印している彼女の姿に、俺は深く感じ入るものがあったね。

 

 

 そして数日後。

 白旗を上げているグレーターヒューマン側の使者がこの鉱山にやって来た。

 

 俺の前世ではどうだったか知らんけど、この世界では白旗を上げることは「話し合いを求めています」ということの意思表示なんだ。

 なので俺たちも狙撃等の対抗手段はとらずに、警戒はしたが、正門を開けた。

 

 ……トロイの木馬が怖く無いのか?

 

 それをするなら、向こうはその一撃でこっちを仕留め切る覚悟が要る。

 当たり前だよな。

 

 そうしなければ、あとはもう殲滅戦だ。

 会話が出来ないんだから当然だろ。

 ならば、こっちも正真正銘の本気で行く。

 

 まず、捕虜の命は全部無くなる。

 

 そしてフリーになったシノとゲンパチが、天上界に入り込んで殺戮の限りを尽くすことになる。

 

 大打撃だ。

 それで最終的に勝てたとしても、実質負けてるのと一緒なんだよ。

 

 使者は、天上界の文官の衣装……青い色の、どこか平安時代の役人に似た衣装……を身に纏った男性が数人と。

 

 チィちゃん。

 

 そして、痩せた眼鏡の男。

 髪型は男としては長めで、伸びた髪を後ろで括ってる。

 ファッションとして伸ばしているというより、切るのをサボってる印象だ。

 

 肌の質感が綺麗で……何才か良く分からない。

 白髪は無い。黒い髪。

 

 着ている服は、チィちゃん同様軍服……

 

 こいつが聖亀スプリス・ビルドか……

 シノが前に言ってた通りの男じゃないか。

 

「ようこそいらっしゃいました。天上界の方々」

 

 そしてそんな彼らの応対を、俺の娘のケノが引き受けたんだ。

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