※この作品はR-18です。

個性:落とし物   作:Rオウ

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第2話 限界

 僕は眉毛を一本だけ抜いてみた。

 ぷつっという感覚の後、二本の指の間に1cmくらいの長さの眉毛があるのを確認し、僕はそれをトイレの個室の隅の方に無造作に捨てた。

 

 水を流し、個室を出るとクラスの男子がたまたま小便器で小便をしていた。

 

「なんだ、お前ウンコしてたのか?」

 

「悪いかよ」

 

 まあ実際ウンコしたしな。

 というかウンコしながら思いついたしな。

 

 でも、学校でウンコすることの謎の抵抗感は一体なんだろうな?

 

 そんなことを思いつつ、僕は校舎の1Fの男子トイレから出て自分の教室へ向かう。

 

 

 

 ■実験3 男子トイレで眉毛を1本落とす

 →各授業の休み時間、そして昼休みの間、男子トイレの前で八百万さんがうろうろしていた

 

 めちゃくちゃ男子トイレに入りにくい雰囲気になっていて、うちのクラスの男子はわざわざ2階の男子トイレに行ったらしい。

 

 

 うん。やはりというか、さすがに無理があったようだ。

 八百万さんと言えど、いや、僕の個性の力でも八百万さんを男子トイレに突入させるだけの力はなかったようだ。

 

 

 僕のささやかな実験が失敗に終わった放課後。

 帰りのホームルームも終わり、家に帰ろうと学校の校門を出たあたりで八百万さんが後ろから追いかけてきた。

 

「はい、これ。落とし物ですわ」

 

「……ありがとう」

 

 眉毛を受け取ろうと差し出した手を無視して、八百万さんは眉毛を僕の眉に近づけてくっつけた。

 

 ぷつっ。

 

 衝撃と共に抜いた眉毛が元の位置に戻ったのが感覚として認識できた。

 そして八百万さんは僕に手を振りながらお迎えの車に乗り込んで帰っていった。

 

「男子トイレに……入っちゃうんだ。あの八百万さんが」

 

 生徒の人目が無くなる放課後、隙を見て男子トイレに突入したのだろう。

 なるほど、そのあたりが限界なのか。

 

 僕の胸がドキドキと高鳴っている。

 クラスで一番綺麗な女子が……白状すると僕の好きな女子が周りを窺いながら男子トイレに侵入して床に落ちている1cmくらいの眉毛を探す様子を想像してしまった。

 

 あんなお嬢様にとんでもなくはしたない真似をさせてしまった。

 僕は最低だ。

 

 そう自覚するともっとドキドキした。

 

 

「いや、でもそれよりも……だ」

 

 僕は自分の眉毛に触ってみた。

 いや、分かんないか。

 

 抜いた眉毛が元の場所に戻ったかどうかなんて触ったくらいでは分からない。

 でもなぜか確信はあった。

 

 

 

 ◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 朝。

 

 僕はいつもより早く登校した。

 そして校門の近くで彼女が送迎の車で登校してくるのを待つ。

 

「あら? おはようございます」

 

 車から降りた八百万さんは校門で立っていた僕に挨拶してきた。

 もちろん、僕は彼女のクラスメイトなのだから、普段会話してないとしても挨拶くらいはしてくる。

 

「おはよう、八百万さん」

 

 そして彼女と一緒に教室に向かいながら昨日のお礼を言う。

 

「眉毛……ですか?」

 

 ポニーテールを揺らしながら彼女が首を傾げた。

 すごく綺麗だ。

 

 おっぱいも首の動きに合わせて揺れる。

 すごく大きい。

 

「いや、なんでもない。ごめんね、変なこと言って」

 

 

 

 ■実験3 男子トイレで眉毛を1本落とす

 →眉毛を拾ったことを憶えていない

 

 

 たった1回の実験だけど、僕はもう確信した。

 僕の個性の影響下での行動は、その行動を憶えているかどうかは僕が決めることができる。

 自分でもできるとは思っていなかったので半信半疑で実験3をしたわけだが。

 

「……なるほど、なぁ」

 

 八百万さんの行動の記憶を消すことができて本当に良かった。

 彼女が憶えていたら一生モノの黒歴史になってしまうところだった。

 

 何を考えていたんだ、僕は。

 危なく彼女に消えない十字架を背負わせるところだったじゃないか。

 

 教室に向かって八百万さんの隣を歩きながら、彼女の揺れるおっぱいを凝視しつつ、深く反省するのだった。

 

 

 

 ◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 昼休みの図書室。

 

 あまり人の来ない奥の方で僕は本を広げていた。

 読書をしているというより待っている感覚の方が強いかな。

 

「はい、落とし物ですわ」

 

「ありがとう」

 

 受け取るために手を差し出した。

 でも八百万さんは手に持っている毛を僕に渡してくれなかった。

 

 なぜか周りをきょろきょろと見渡し、誰もいないことを確認している。

 

「あの……」

 

 そして顔を赤らめながらお願いしてきた。

 お願いの内容に僕の胸は過去最高に高鳴って死んでしまいそうだ。

 冗談抜きで心臓が破裂してしまうかもしれない。

 

 そう思いつつも、僕はゆっくりとズボンを下ろした。

 最低な自分を自覚しつつ、最高のシチュエーションに昂ぶりが抑えられない。

 

 八百万さんは顔を赤らめつつも僕の下着(ブリーフ)から目を離そうとしないもの最高だった。

 そして僕はズボンに引き続き、ブリーフもずり下ろした。

 

 ぴんっ!

 

 僕のペニスがガチガチに堅くなってブリーフの中から飛び出した。

 

「お、おちんちんですわ!」

 

 八百万さんは手で目を隠そうとして、だけど隠さずにむしろ僕のペニスを凝視し始めた。

 顔が茹蛸のように真っ赤になってしまっている。

 きっと僕の顔も同じだ。

 

「み、見るの初めて?」

 

「は、はいですわ。こ、ここ、こんなに大きいものなのですね」

 

「触ってみる?」

 

「いいえ! け、けけけ! 結構ですわ!」

 

 だけど彼女の目は僕のペニスにくぎ付けのままだ。

 

「ででで、では……お、お返ししますね」

 

 彼女は手に持っていた陰毛を僕の股間の元の位置に戻そうとした。

 だけど、抜いた陰毛の元の位置はペニス根元の皮膚なのだ。

 

 勃起して反り返っているので、僕のペニスを下に押し下げないとその場所は隠れているので触れることができない。

 僕のペニスに触らずに元の位置に戻すのはめちゃくちゃ難易度が高い、というかまず無理だ。

 

 手を近づけては離れて、それを何度も繰り返すうちに彼女は周りの様子が気になってきたようだ。

 少ないとはいえ図書室内に生徒はいる。

 図書室の一番奥であってもいつ誰が来るか分からない。

 

「し、失礼しますわね!」

 

 八百万さんは僕のむき出しの亀頭に触れるとぐいっと押し下げ、陰毛を根元に接触させた。

 

 ぷつっ。

 

 陰毛が元に戻った感触と共に彼女はバッと僕から離れた。

 目がグルグル回っているようだ。

 

 顔を真っ赤にしつつ、図書室から逃げ出す八百万さんを見ながら僕はすごい達成感に包まれていた。

 女子に自分のペニスを触って貰えたのだ。

 しかも憧れの八百万さんにだ。

 

 僕が調子に乗ってしまうのはもう仕方がないことだろう。

 

 ブリーフとズボンを穿きなおしながら、僕のペニスは当分萎えそうになかった。

 

 

 

 ■実験4 陰毛を落とす

 →眉毛と同じく元の場所へ戻そうとする

 →僕の個性でペニスを凝視させるのは成功

 →触らせるのは強い抵抗を感じているようだ

 

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