※この作品はR-18です。

個性:落とし物   作:Rオウ

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第6話 尿道球腺液

 膝立ちして待っている八百万さんの口元に過去最高に張り詰めた状態の亀頭を差し出した。

 

 亀頭が限界まで膨らんで、敏感な粘膜がギリギリと引き伸ばされて心臓の鼓動に合わせて上下にビクンビクンと揺れている。

 

 こんなことしたくはない。

 こんな真似を八百万さんにさせたくもない。

 

 だけど返したいのに返せない状況になった時のことなんて僕は想像もしていなかった。自分の個性のことなのに。

 今となってはバカみたいな実験に使った時間を、こういう時どうすればいいのか考える時間に充ててたら良かった。でも今更後悔しても遅すぎた。

 

 

「んっ」

 

 僕の葛藤を他所に、彼女が躊躇いもなくペニスを口に含む。

 あの八百万百さんが、僕の大好きな彼女が僕のペニスの先端を咥えこんでいる。

 

 信じられない光景だ。

 そして信じられないくらい熱い。

 ぬるっとしてぬめっとして、モゾモゾと動く舌が唾液を擦り付けるように亀頭を這い回る感触に腰が砕けそうになる。

 

「なに……んっ……コレ、あっ、ちょっまっ」

 

 彼女の頭が微妙に動くせいで狭い口の中で粘膜と亀頭が擦れあっている。

 

 変な声が出て膝がガクガクと揺れる。

 

 なんだコレ。

 なんだコレ。

 

 ぬるぬるとした熱いものが僕のペニスの先端で這い回っている。

 手の時と全然違う。

 僕の貧相な想像の遥か上を突き抜けて、眼の前でフラッシュがチカチカと焚かれているようだ。

 

「待って、あっ、まっ、百さん、だめっ、あひっ!?」

 

 こんなの耐えられない!

 慌てて腰を引く!

 

 ムリムリムリムリ、無理すぎる。

 こんな刺激に耐えられるようにペニスはできていないのだ。

 そうとも、物理的な問題だ。

 

 ぐいっ!

 

「あひっ!」

 

 腰を引いた分だけ八百万さんが首を伸ばした。

 舌の先端が亀頭の先端をにゅるりと舐める。

 ぞくぞくとした感覚が背中を走り抜ける。

 

「ああぁああ!?」

 

 八百万さんの両手が僕の腰の後ろに回された。

 がっちりホールドされる。信じられないくらい力が込められてる。

 

 に、逃げられないっ!?

 

 ぐぐぐっ!

 

 僕が逃げようとしたのを察知したのか八百万さんの手が僕のお尻に食い込んできてる。

 

「待って!? 本当に待って!」

 

 僕がジタバタしている間も舌が動き回り続けている。

 亀頭の上面から裏面にぐにゅりと八百万さんの柔らかいような堅いような、火傷しそうなほど熱い舌が這い回る。

 茹だるような唾液が亀頭に擦り付けられて、皺の一枚一枚まで隙間なく刷り込まれていく。

 

 まるで僕のペニスは八百万さんのものだってマーキングされているみたいだ。塗り残しがないように念入りに刷り込まれながら最後に密着して熱さを伝えてくる。

 

 膝だけじゃなく腰までガクガク揺れ始めた。

 

 まずいまずいまずい!

 

「中止! 中止にしよう!!」

 

 僕の建設的な意見が即座に却下されて、まるでそれに抗議するように舌の動きが激しくなった。

 

 執拗にカリ首ばかり狙ってくる!

 なんで男の弱点を知ってるんだ!

 

 ああ、僕が派手に反応するから一発で学習したんですね!?

 

 じゅばっ♡

 じゅるるっ♡

 

 八百万さんの口から卑猥な水音が鳴り響く。

 

 最低な僕は自分のペニスが更に堅く膨れ上がるのを自覚した。

 膨れ上がった分だけ亀頭がもっと敏感になる。

 

 その僕の亀頭を八百万さんの舌が舐(ねぶ)り回し、ちゅるちゅると吸いまくる。

 

 堪らず仰向けに床に倒れこんだ。

 立っていられるわけがない。

 腰に手を回され、スッポンホールドされているので倒れても八百万さんの口から逃れられない。

 

「あ、まずい」

 

 尿道を熱い何かが昇ってきてる。

 我慢汁だ。

 カウパー腺液とも言う。

 

 それがドロりと亀頭の先端から溢れ出る。

 次から次へと八百万さんの口の中に溢れ出ていく。

 

「あっ!?」

 

 分かった!

 これだ!

 これなんだ!

 

 僕が一週間前に八百万さんの口の中に落とした物はコレなんだ。

 陰毛を派手に引っこ抜かれて僕が悶絶した時、なんか飛んだ気がしていた。

 

 僕が衝撃の事実に気づいて目を丸くしている間に、鈴口から溢れ出た我慢汁を八百万さんが舌で一舐めしてきた。

 

 んで一発でお気に召したらしい。

 亀頭の先端を穿り返すように舐(ねぶ)り回してきた。

 

 亀頭の穴に潜り込んでくるあまりの刺激に仰け反りながら、僕はあることに気づいて顔から血の気が引いていく。

 

 まずいまずいまずい!

 絶対まずい!!

 

 だけど童貞クソザコの僕のペニスはもう陥落寸前の敗北主義者だった。

 

「無理! もう無理! 絶対無理!!」

 

 ヒエラルキー最下層のモブの僕のペニスは八百万さんの突撃を食らって完膚なきまで叩きのめされ、百さんの口腔内に敗北感と共に白濁液を大量放出した。

 

 

 ドビュッルルルルルルゥーーーー!!

 

 「んっ♡ んっ♡ んっ♡ んっ♡ んんっ♡♡」

 

 敗北感に打ちのめされる僕と、勝ち誇った顔で一滴残らず飲み干していく百さんが対照的だった。

 

 

 

 ◇◇◇◇◇◇

 

 

 

「返せました?」

 

 達成感を滲ませながら八百万さんが今まで僕に見せたことがないような顔を向ける。

 大量に射精した僕のペニスはふにゃふにゃになって、今も彼女に弄ばれ続けている。

 

「……うん」

 

 個性の感覚で分かる。

 八百万さんの体内に散らばっていた僕の落とし物である水分子が僕のペニスを通じて返ってきていた。

 

 ……1万分の1くらい。

 

 つまり今日みたいなことを30年続けないと返せないペースってことだ。身体の中に散らばってる僕の我慢汁由来の水分が唾液を経由して1万分の1でも返せただけ逆にすごいと考えるべきか。

 

 でももっと最悪なのは。

 

「どうして飲んじゃったの?」

 

 僕の個性:落とし物は自分の意思で落としたものにも適用されるけど、本来は意図的でない落とし物が対象なのだ。

 

 つまり僕がさっき八百万さんの口の中に出した我慢汁と精液が問題なのだ。止める間もなく彼女が全部飲んでしまった。彼女の体内に収まっているのが個性で感じ取れる。

 

「ああ、もっと早く気付けていれば」

 

 1週間前に彼女の口の中に偶然飛び込んでしまった僅かな我慢汁なんか比較にならないほどの量だ。もう今の時点で彼女は──八百万百さんは一生かかっても僕に返せない量の落とし物を抱え込んでしまっていた。

 

「どうしてって?」

 

 彼女は僕の疑問を反芻しながら、柔らかくなった敗北主義者の僕のペニスを楽しげにおもちゃにしている。

 

「……教えてあげませんわ♡」

 

 そう言った彼女は普段より輝いて見えた。

 

 

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