都内にある某専門学校。今年の4月から僕はこの学校に通い始めた。
この学校は3年制であり、様々な学部が存在している。ファッションやIT、外国語等…
多様な分野を要するため、毎年人気であるこの学校の入学率は激しい競争を繰り広げる様だ。
僕はその中でIT系の学部に入る事になった。表向きはそうだけど、本当の理由は別にある…。それは後に明らかになる。
今日はクラスの初披露日だ。僕はこの日を待っていた。この中から一体どのくらいの子が“仲間“になれるのだろうか…。
想像するだけで興奮するし、そんな壊れかけた自分を自制するのに精一杯だった。
人数は大体30人ほど。比率はほぼ変わらないが女性の方が若干多いくらいの印象だ。大半の子達は人間であり、僕たちの獲物だ。僕は勘付かれない様に周りを見渡す。素質のある子、覚醒する子は誰なのか…使徒再生を何度かやってると、何となくだが直感でわかるものだ。
すると、僕の方を見つめる女の子に気づいた。彼女は嬉しそうな表情でこちらを見る。その時…僕は気づいた。
“仲間だ“
彼女の正体に気づいた僕は同じ様に微笑んだ。彼女は更に喜んだ表情で頷いた。恐らく伝わったのだろう。きっと不気味な会話をテレパシーでしてたかもしれない。人間達が気付くことは無いだろう…。
「皆さん初めまして!…担任の森嶌です。これから3年間皆んなと一緒に頑張っていきましょうね!』
担任を務める森嶌先生が元気よく挨拶した。まだ20代後半の若い女性で活発な印象を与える。引き締まった体型と明るいキャラで生徒らの心を掴んでいく。
ふと森嶌先生と目が合った時、さりげなく近づいて囁いた。
「同じだね 」
僕はこの言葉が何を意味するか一瞬で理解した。
その後、全員自己紹介をして休み時間に入った時だった。
「小田君!…ちょっと良い?…どこかで話さない?」
「青田さん?!…良いよ。場所を変えよう」
僕に話しかけてきた青田さん…先程僕と会話をしていた子だ。
彼女の提案に乗り僕らは目立たない裏道にやって来た。周囲に誰もいないことを確認した後、本題に入った。
「青田さんも…もしかして同じ?』
「うん!…そうだよ。びっくりしたよ!…周りを見てさ、誰を襲うかなって見てたら小田君を見て「あれ?」ってなったんだ。そしたら笑顔で頷いたから凄く嬉しかったよ!」
「僕も見た時、周りと違う感覚になったんだよね。試しに反応してみたら来たから「仲間だ!」ってなった笑。驚いたけど嬉しかったよ」
やはり互いに気が付いてはいた。それを抑えて周囲を観察していた僕たちの気持ちは同じだったのだ。
時間が経つにつれ互いの息遣いが荒くなる。早く真の姿を見せたいという本能が渦を巻いて湧き上がっていくのを感じる。
「青田さん…君のオルフェノク姿を見てみたい…」
「私も…小田君のを見てみたい…見せてくれる?」
「もちろん…」
コォォォ……
僕たちの両眼が不気味且つ灰色に光り始めた瞬間、身体中の細胞が暴発した様な感覚に陥る。体全体に模様が現れると、指先まで覆い尽くす。
余りに気持ち良すぎて、この瞬間が大好きだ。
『うう…ああ…気持ち良すぎる!…』
『あああ…ああん…来る…やっぱり気持ちいいよ…』
グジュグジュ…!
僕たちは真の姿…オルフェノクに変身した。
鋭い眼光、背中に映る黒翼。鴉をモチーフにした僕。
一方、女性らしい体つきに加え可愛らしい尻尾、鋭い爪と聴覚に優れた猫をモチーフにした青田さん。
どちらも灰色の怪人である僕らは、本来持っている本能を具現化させた。
廊下の壁に青白い影が照らされ、全裸の僕たちに変わる。
程よく鍛えられた肩幅と胸板、大きくなった陰茎を晒す僕。
小柄ながらも立派な乳房と整った陰毛を恥ずかしがることなく青田さん。
オルフェノクに恥じらいはない。堂々と自らの裸体を僕たちは露わにする。
『素敵だよ…青田さん…尻尾も可愛いね』
『小田君もカッコいいよ…裸も素敵…。私…あまりスタイル良くないから…』
『そんな事ないよ…綺麗だよ…』
『本当!?…ありがとう小田君…』
僕たちは体を寄せ合うと口から触手を出し絡め合う。オルフェノクは無表情だが、影の僕たちは裸で抱き合いキスを重ねる。
僕の右手が青田さんの秘部に触ると。すっかり濡れており興奮しているのがわかる。
『ああん…あっ…小田君…』
彼女は大きくなった僕の陰茎を触る。心地よい彼女の手遣いにビクンと震える。暖かくて心地よいのがわかる。
『ああ…うう…青田さん…気持ち良いよ…』
『私も…小田君…もっと…!』
キーンコーンカーンコーン…
休み時間終了のチャイムでハッとした僕たちは、我に帰り人間の姿に戻った。
「ハアハア…小田君…気持ち良かったよ!」
「僕もだよ…教室に戻ろうか」
僕たちは急いで教室に戻った。その際、先生に感づかれたのか彼女は笑っていた。
「この数式をプログラムするためには…こうやってすると出来ますよ〜」
森嶌先生の授業はわかりやすく頭に入りやすい。僕でもすぐに理解できる。
青田さんの方を見てみると、時折り肩で息しているのがわかる。そろそろ限界が来てるかもしれない。
「突然ですが皆さん…このプログラムを訳すると…こんな言葉になります」
真の姿を解放せよ
大半の生徒は首を傾げ、何を言ってるんだという顔になる。
しかし、僕らには理解できた。これは合図だと。
「わからない?…なら先生が特別に教えてあげる 』
コォォォ…グジュグジュ
鶴をモチーフにしたオルフェノクに森嶌先生が、生徒達の前に君臨した。
「キャーー!」
「何だあれ!」
教室内は瞬く間に混沌と化す。悲鳴が室内に鳴り響く。
黒板に映る青白い影が一糸纏わぬ彼女に変わる。引き締まった体型に豊満な果実、ラインが整った背中は妖精の様に見える。
先生が変身したのを合図に、僕たちも変身して襲いかかった。何ふり構わず、ただ目の前の獲物を捕食するために。
「辞めて…話して!」
「辞めてくれ!」
『君たちも仲間になろう…』
『一緒に気持ちよくなろう!』
僕たちは彼らの口に触手を通し、心臓を燃やす。その瞬間、言葉に出来ない快楽が襲う。
『ああ…あ…はあ…うっ…堪らない…』
『はあ…あああ…ああん…最高… 』
彼らは痙攣した後、灰の山となった。
しかし、気にする事なく僕たちは次々と使徒再生を行った。気づいた時には、人間は誰一人居なかった。
『ハアハア…あああん…やっぱり気持ち良いわね…』
『はい…この瞬間が堪らないんですよね…』
『本当に気持ち良かった!』
オルフェノク姿で余韻に浸っている僕たち。これこそ、僕たちにしか与えられない感覚だ。
『私の彼氏もオルフェノクなんだけど、セックスする時最高だよ…2人とも相性抜群だし…どう?』
『僕も青田さんが付き合う…良いと思います!』
『私も賛成!…小田君優しいし私の事大事にしてくれそう…』
『ふふふ…じゃあ私は他の所に行ってるね』
先生はそう言うと教室を出て行った。
室内に残された2体の怪人。僕たちはあの時の様に体を寄せ合う。
『青田さん…これからも宜しくね…』
『こちらこそ宜しくね…小田君…』
再び触手を絡めあい、手を繋ぎながら体を重ねる僕たち。
会うべくして合った運命の人…それは間違いなく彼女。
僕はそう思いながら、青田さんの全てを受け止めた。