まだオルフェノクが都市伝説程度にしか認知されていない時代。人間を襲って同族にする灰色の怪人、それぞれが動物をモチーフにしており欲望のままに人間を殺すという噂が広まっていた。あくまでテレビの世界の話であり現実に起こり得る事など万一つに無いと思われていた。
この時はまだ人間は知らなかった。近い未来に起こる絶望と残酷の泥濘にハマっていくことを…
某養成学校。一見普通の学校で端から見ても誰も疑問に思わない。普通はそう思うだろう。
その正体はオルフェノクの養成学校であり、かの大企業スマートブレインが建設した教育施設である。人間に代わる新たな人類の当主になる為、オルフェノクに覚醒した子供を対象に建てられた。
この施設に15歳の男女7人が入所した。来月高校生になる初々しい彼らだが、まだ自分たちの正体に気づいていなかった。
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教室に集まった7人。互いに緊張しているのか中々言葉を発することができない。会ったことを話したこともない彼らにとってこの時間は気まずい以外無かった。
暫くすると20代後半の女性教師が教室に入ってきた。若々しくショートカットが似合う活発な印象を与えた。スーツもビシッと決めており、正に大人の女性を体現していた。
「皆さん初めまして!。講師の幸田 清美と言います。皆さんおめでとうございます!。貴方達はオルフェノクに生まれ変わりました!」
「まずは自己紹介をしましょう。これから皆さんは仲良くなる仲間になりますから。そうね、一先ず円になりましょう!」
突然のハイテンションに生徒たちは困惑する。だが不思議と嫌いにはならなかった。何処か自分たちと同じ仲間に見えた。錯覚なのかはわからないが直感が囁いた。
円になる様に座り生徒たちは順番に自己紹介をした。
「森島 由那です。中学ではテニスをやっていました」
「熊坂 絢子です!。泳ぐのが大好きです。最近写真を始めました!」
「永井 日奈子です。ピアノが趣味です。宜しくお願いします」
「三井 彩菜です。サッカーと旅行が趣味です♪」
「古賀 隼人です。野球が好きです」
「菅原 慎太郎です。美術と登山が趣味です」
「榊 晃です。水泳と音楽にハマっています」
自己紹介が終わりいよいよ本題に入る。清美が言っていたオルフェノクとは一体何者なのか?
「あの…清美先生。オルフェノクって何ですか?。それに生まれ変わったってどういう意味ですか?」
日奈子が清美に対し素朴な疑問を呼びかける。すると清美は妖艶な笑みを浮かべながら答えた。
「聞いたことない?。人間を欲望のままに屠る怪人。あれは都市伝説じゃ無くて本当なの」
「嘘でしょ!?」
「あの話って本当だったんですか?!」
「そうよ。今からそれを証明するね』
コォォォ……
清美の肉体全てが幾何的な模様に支配されていく。彼女の目が白色に光ると濁りに満ち何処か温かみを感じる摩訶不思議な灰波が包んだ。顔は朧気になり、まるで神の愛を得た信者の様に体を委ねる
グジュグジュグジュ
彼女は海老をモチーフにしたオルフェノクに変身した。
『はい、これがオルフェノクよ 。はああ…気持ちいいわ…』
床に現れた青白い影が形を変えると一糸纏わぬ裸体を晒す清美が現れた。大人の女性らしい豊満な花弁が2つ。引き締まったスタイル・整った陰部に茂る海藻・秘部からたれる蜜液が己の存在を誇示した。
「ほ、本当に居たんだ…!」
「信じられない…」
『さあ!、みんなも真の姿になりましょう!。本当の自分を解放して!」
「本当の…自分?。待ってください!、私達は人間で…」
『なら、どうして逃げないの?。人間ならとっくに悲鳴を上げて逃げ惑うわよね?』
「それは…体が動かなくて…」
『いいえ違うわ。本当は感じているはずよ。身体に流れているオルフェノクの力を…。貴方達は恐れているのでは無く戸惑っているの。どうすれば自分の力を解き放てるかを… 』
清美はまるで彼らを煽る様に語りかける。一つ一つの言葉にエコーが掛かり余計に彼らを刺激し滾らせる。やがて彼らの体にも異変が起きた。
『はあ…はあ…何だこれ…?』
『熱い…けど…気持ちいい 』
『感じる…、私…本当の自分になりたい 』
コォォォ…グジュグジュグジュ
7人の顔に清美の時と同じ模様が描かれると、彼らも灰色の怪人に姿を変えた。
教室の床現れた青白い影が全裸の7人に具現化した。男子は筋肉質な腹筋に逞しい陰茎、女子は成熟途中の乳房に綺麗な陰毛、艶めかしい体を堂々と晒した。
『これがオルフェノク…!。凄え、力が漲ってくる!』
『私…生まれ変わったみたいで…気持ちいいです… 』
人間の頃に味わえないエクスタシー。細胞の1つ1つが暴発的なエネルギーによって操作不能の暴走列車の如く暴れ狂うのを感じる。言葉で表せない高次元の快楽に7人は酔狂した。
『おめでとう!、貴方達は立派なオルフェノクよ』
『清美先生、先ほどは余裕が無かったので聞けなかったんですが何故裸なんですか?』
『オルフェノクにとって裸は心そのもの。つまり意思を具現化したものね。包み隠さずありのままの自分を表すことで、同族への敬意を示すのよ。恥ずかしいという気持ちを無くしてありのままの自分を曝け出すのよ』
『ありのままの私達…!、あれ…みんなも裸に!』
『本当だ!。あれ…でも不思議と恥ずかしくない…』
ここで彼らは漸く自分たちが包み隠さず裸体を晒してい事に気づく。何故今まで気づかなかったのか。しかし気にならなかった。不思議と恥ずかしい気持ちは浮かび上がらなかった。
『女の子の裸ってこんなに綺麗なんだ…』
『男の子のおちんちん初めてみたけど、逞しくて素敵 』
思春期の時期である高校生が互いの裸体を褒め合う。人間では到底できない事であり恥ずかしくて仕方ないだろう。
だが、ここにいるのはオルフェノク。人間の羞恥心を完全に捨て去りオルフェノクとして新たな人生を歩み始めたのだ。彼らが今まで抱いていた醜い感情は靄の様に消え去っていた。
『皆んなのオルフェノク姿素敵だな。皆んなとなら必ずオルフェノクの世界を作れる気がする!』
『私も。はああ良かった… 。この解放感は人間じゃあ味わえない 』
『それにしても、オルフェノクってやっぱり皆んな違う形をしてるんですね』
『ええ、オルフェノクにも特徴があるのよ。自分自身の本能と欲望によってモデルの動物に変わるのよ。鳥だったら自由に飛びたいとか。そんな感じね』
『成る程…』
『また、オルフェノクには使徒再生というものがあるの。この能力を使えば仲間を増やすことが出来るの』
『凄い!…それなら家族や友達も…』
『でもね、オルフェノクになれる確率は非常に低い。大抵は失敗して灰になるわね。詳しいやり方は入学後にやるから覚えといてね』
『これでわかったかしら?。皆んなはこれからオルフェノクとして新たな時代を創るのよ』
清美の言葉に7人は頷く。彼らの目には人間など眼中に無い。人間を超えた存在に彼らはなった。
『そうだ!…折角だから皆んな人間の姿で裸になりましょう。まだやってなかったもんね 」
清美達は一度変身を解き人間の姿に戻る。制服を脱ぎ捨てると身につけていた下着も脱ぎ全裸になった。
「私…あんまり胸大きく無い…」
「だ、大丈夫だよ彩菜ちゃん。まだ15歳だからこれからだよ!」
「ありがとう日奈子ちゃん」
「隼人君、凄えな。デカすぎ笑」
「それなら2人もだよ笑」
「ああ〜興奮してるんだ〜。エッチ笑」
「私達の体に興奮してくれたんだ…嬉しい…」
何の躊躇いもなく彼らは互いの裸について語った。そこに人間の時に感じた恥じらいは無い。
新しい船出を喜んだ彼らの笑顔には美しい模様が輝いていた。
‐‐‐‐登場人物
古賀 隼人・・ホースオルフェノク
榊 晃・・ファルコンオルフェノク
菅原 慎太郎・・グリズリーオルフェノク
森島 由那・・シャークオルフェノク
熊坂 絢子・・ウルフオルフェノク
永井 日奈子・・オクトパスオルフェノク
三井 彩菜・・ゼブラオルフェノク
幸田 清美・・ロブスターオルフェノク