魔性ショタ in 犯罪都市 作:BSS滅ぶべし
寧ろ、何かしらの通報を受けなかったのが奇跡ですね、はい
後、今回は説明回です。エロは次回となります。
深く沈んでいた意識が、戻って来る。
「ん……」
艶のある小さなうめき声と共に、身動ぎによって生じる布の擦れる音が静かな室内に転がった。
「こ、こは…………ッ!」
目が覚めてもぼんやりとした意識のまま、視線を虚空に彷徨わせていた所で視界のピントが合うと同時に頭の中も覚醒したらしい。
跳ね起きるようにして、毛利蘭は意識の底から舞い戻ってきた。
起きた反動によって
思わず、肌寒さを感じて蘭は身震いをした。
「えっと……わたし…………」
体を掻き抱くようにして、意識が途切れる前の事を思い出そうと思考に沈む。
窓の外からは、小雨が世界を叩く音が聞こえてきていた。
「…………ッ、下野くんに謝らないと……!」
結果的には、合意ありの行為であったと言えるだろう。
だが、彼女は高校二年生で、相手は小学一年生。歳の差、10歳は大きなものだ。
許してもらえるだろうか。もし仮に許してもらったとして、今まで通りに接する事など不可能な事は確か。
悶々としながら、蘭は手早く着替えを済ませて居間へと向かった。
果たして、件の少年は未だにこの家に留まってくれていた。
「やあ、お目覚めかな」
見知らぬ来客と共に。
自室へと通じる扉を閉めて、蘭は油断なく右拳を握ると闖入者へと言葉を投げかけた。
「……どなた、ですか?」
「私かい?私は、下野カナタ。気軽に、カナタさんと呼んでくれて構わないよ」
そう言って、ウェーブのかかった長い黒髪で右目を隠した女性、下野カナタは笑みを浮かべた。
「下野?」
蘭が反応したのは、闖入者の苗字。
それは、今の彼女にとっては地雷であると言えた。
喉が引き攣り、唾が詰まりそうな感覚を覚えながら恐る恐る蘭は目の前の女性に伺う。
「し、下野くん……のお姉さん、ですか?」
「家族、という点はYESさ。ただ、血のつながりは限りなく遠い。まあ、この子の保護者だよ」
言って、カナタはまるで宝物を愛でる様にして自分のふとももに頭を預けて寝息を立てる少年の髪を梳くようにして頭を撫でた。
安心しきった寝顔。元々幼い彼の幼さを更に際立たせる。
だからこそ、蘭は罪悪感が刺激されていた。その無防備な寝顔を見るだけで、下腹部が締まる様な感覚を催している自分自身に対して嫌悪の感情すら生まれようとしている。
そんな、蘭の内心を知ってか知らずか、カナタは柔らかな笑みを浮かべたまま口を開く。
「どうだった?この子とのSEX。気持ち良かったでしょ?」
「ッ!?な、ななな何をいきなり言うんですか!?」
「そう脅えなくて良いよ。この子の経験人数、結構凄いんだから」
顔を真っ赤にして怒鳴る蘭だったが、その羞恥から生じた激情はカナタの言葉によって一瞬で鎮火していた。
「け、経験人数……?」
「そうさ。忠司は、特別なんだ」
恐る恐る尋ねる蘭に、カナタは柔和な笑みと共に頷く。
視線が下ろされ髪を梳いていた手が移動して、少年の胸元をゆっくりと優しくあやすように叩き始める。
「紅顔の美少年、という言葉を知っているかな?」
「えっと……?」
「ようは、血色の良い若々しくて生き生きとした少年って事さ」
「…………ソレが、下野くんと関係あるんですか?」
「大いにあるとも。不思議に思わなかったかな?君は、
「それは…………」
カナタの言葉に、蘭は黙り込む。
既に致してしまった故に説得力は無いが、そもそも毛利蘭という少女は善良な人間性を持ち合わせた心優しい人間だ。犯罪行為なども、思い至る事も無い。
だが、今回は違った。まるで光に寄せられた羽虫のように、酩酊した泥酔者のように。理性という枷が緩み、頭に霧が掛かった様な感覚のまま快楽を貪った。
常の彼女からは考えられないほどの、獣性だった。それ故に、蘭の口は重く閉ざされて次の言葉を絞り出す事が出来なかった。
そんな少女に、カナタは笑みのまま答えを示す。
「それが、この子の下野忠司という子の異常性なのさ。この子は、老若男女問わずに魅了する」
「魅了?」
「ああ。それも女という存在には滅法強い。同い年だけじゃなく、年上年下問わず。物心ついたばかりの少女から、閉経した後のご婦人まで。実に様々さ」
「…………」
「ああそれと、コレを飲みなさい」
黙った蘭へと、カナタは何やら上着のポケットから取り出して相手の少女へと投げ渡した。
受け取ったソレは、半透明のピルケース。中が小分けされたシンプルなデザインで、その中には錠剤が詰まっている。
「アフターピルだよ。君も、小学生の種で妊娠したくは無いだろう?」
「ッ…………」
未だに警戒は解けない。しかし、その一方で散々に中に子種を注がれたことも事実。
僅かな逡巡を挟み、蘭は大人しくピルケースのふたを開けその中身を一粒取り出した。
「一錠で、良いんですか?」
「ああ。それは特別性でね。通常のピルよりも避妊効果が高い上に数日の空白があっても効力を発揮する。勿論、副作用は0さ」
「…………」
半信半疑。しかし、飲まないという選択肢も採れない訳で、蘭は大人しくピルを手にキッチンへと向かった。
一錠を口に含み、水道水で一息に飲み干す。
喉を異物が通る様な違和感を越えて、しかしそれだけ。何かしらの不調を、身体が訴えかけてくるような気配はない。
ピルを飲み、ケースを手に再び蘭は居間へと戻ってきた。
「…………ありがとうございました」
「ん?ああ、返さなくて構わないよ。それは、君にあげるから」
「っ、どういう…つもりですか?」
「はっはっは、そう警戒しないで……といっても難しいかな。そうだね、私の目的を今から話そうか」
座って座って、とカナタは蘭を手招いて傍らに座らせる。
そして徐に、その胸の内に秘めた願いを語り始めた。
「私はね、この子に幸せに生きていてほしいと思うんだ」
「幸せに……?」
「少し、踏み入った話になる。とはいえ、この子と関係を持った人には語ってる話だから素直に聞いておきなさい」
「……」
「まず、この子の両親についてだ。父親の方が、私の遠縁でね。まあ、根っからのプレイボーイでヒモって奴なんだけど」
「ぷ、プレイボーイ……ヒモ……」
「先が分かるだろうけど、この子の母親はその父親が引っ掛けた女性の一人でね。子供が出来たから、と無理矢理に籍を入れたみたいなんだ」
「……」
「それで、忠司は予定日の通りに生まれたんだ。すくすくと育って――――転機は四歳の終わりごろ。今から一年と少し前かな」
間を挟むように、カナタは膝枕に眠る少年の頬を撫でた。
「この子の初めての相手は、
「ッ……それって……」
「どうにも、この子の陰茎は異常らしくてね。三歳の頃までは幼児としてのサイズだったのが、四歳に差し掛かったところで日に日に肥大化。件の事件の時には今より少し小さい程度だったようだね」
「それで、どうなったんですか?」
「結果を言うと、挿入までは行ったけど直後に父親の方が戻って来て息子を襲った母親を暴行。父親は傷害罪で刑務所に。母親の方は顔を損壊してそのまま病院行き。自身の子供を襲ったことから接触禁止令が出て、山奥の精神病院に放り込まれたよ」
「そんな……」
カナタの言葉を受けて、蘭は顔色を暗くした。
最終的に嵌め潰されたとはいえ、やった事はレイプ同然の行いだと思い忠司のトラウマを抉ったのではないかと考えてしまったからだ。
だが、そんな少女の内心を見透かしてカナタは首を振った。
「待って待って、別に忠司は性行為にトラウマを抱えていないよ」
「え……?で、でも、お母さんに襲われたって……」
「確かに襲われたらしいけど、それは女が恋人にするような愛情ばかりの行為だったらしいからね。常日頃から猫かわいがりされていた所に+αでSEXが上乗せされただけだから。だから心配する事はないさ」
「そう、なんですか……」
「寧ろ、こちらとしては推奨する位だよ?だから、そのピルケースもあげるんだからさ」
「……え?」
思わぬ言葉に下がっていた顔を上げて、蘭は目を見開く。
そこにあるのは底を悟らせないチェシャ猫の笑みを浮かべた女が一人居た。
「さっきも言ったように、忠司は老若男女問わずに魅了してしまう。そして、女に殊更強い。ここまでは良いね?」
「は、はい」
「で、だ。ハッキリ言って、君含めて忠司の竿姉妹は多い。この子自身も善良だからね。困っている人がいれば誰彼構わず声を掛けてしまう。それで、疲れた女というものにこの子は劇毒だ」
「劇毒……」
「偉そうに語ってきたが、かく言う私もその一人さ。疲れてる所に、この子は効き過ぎた。そして、君もね。とっくに中毒者、といった所かな」
「中毒?」
「分かるだろう?あれほどの快楽。一切萎える事の無い絶倫に加えて、サイズと固さを兼ね備えたマラを咥えて――――他の人間とのSEXに満足できると思うかい?」
「そ、れは……」
カナタの言葉に、蘭は生唾を飲み込みながらチラリと未だあどけなく眠る少年を、より正確にはその又坐を見やった。
蘭自身初めてだった。処女膜は無くとも、性交の経験自体は無い。
そこに気絶するほどの快楽をぶつけられ、そしてそれは他人ではもう味わえないともなれば、成程カナタの言う中毒者というものだろう。
少女の様子を観察しつつ、カナタは言葉を紡ぐ。
「それこそ、外国人AVに出てくるような巨根の持ち主を探さなくちゃならない。それと比べれば今私の手を握る方が建設的だとは思わないか?」
「……」
「っと、話の続きさ。忠司とヤッた女は成功者になるんだ」
「え?成功者、ですか?」
「ああ。何というべきか、この子とのSEXの後には不思議と爽やかさが残ってる。精神的な澱が排出されて、デトックスされたかのような、ね。実際、何人も既に忠司に対して貢いでる女が居るしさ」
「み、貢ぐ!?お、お金を、ですか?」
「金銭も権力も技術も、かな。さっき渡したピルだって、忠司と心置きなくSEXをしたいがために共同研究と出資で出来たんものなんだよ?」
「えぇ……」
途方もない話だ。蘭が背後に宇宙を背負うのも無理はない。
補足をすると、カナタの話は本当。彼女自身も20代の若さで成功者と呼べる権力基盤を有している。
更に面白いのが、下野忠司とSEXを行った女性は、一様に精神的な余裕が出来るらしくヒステリーが治まり、その一方で作業効率が増した者が多くいた。
同時に、彼女らには暗黙のルールも敷かれている。
一つは、下野忠司を独占しない。それをしてしまえば、女同士の血で血を洗う戦争に発展しかねないから。場合によっては国の経済基盤が壊れる可能性すらあった。
もう一つは、他者に彼の存在を広めない事。もしも下手な広まり方をすれば忠司に危害が及び、場合によっては自分達が割を食うからだ。
総括すると、下野忠司を味わった女たちは一種の親衛隊の様なものだった。そして、下野カナタはここに蘭を引き込もうとしている。
「さっきの続きだけど、毛利蘭さん。君には、忠司を守るボディガードを頼みたい」
「ボディガード、ですか?」
「ああ。勿論、四六時中引っ付いてもらう訳じゃないよ。ただ、一緒に行動する時にはこの子を守ってほしいのさ」
そう言って、カナタは忠司の頭を撫でた。
善良さは美徳だが、少年の場合はそのまま誘拐事件に発展しかねない異常性を持ち合わせている。
これが女性相手ならばそのまま篭絡してしまうのだが、男の場合はあくまでも友愛止まり。下手な相手では身の危険につながるのは明らか。
蘭は、迷った。自分がとんでもない事に巻き込まれていると思ったからだ。
だが、彼女の思考に反してその視線は真っすぐに眠る少年へと向けられている。
猫が笑う。
「……勿論、ボディガードの時には思う存分SEXしてくれて構わないとも」
「っ」
耳元へと寄せられた口から発せられた誘惑は、容易に少女の理性へと亀裂を走らせた。
思う存分。初行為は勢いのままに、だったが。また機会を得る事が出来るのなら、もっと違うアプローチも出来る事だろう。
最早、少女に断る選択肢は無かった。
「……分かりました。そのお話、受けさせてもらいます」
「本当かい?助かるよ。ああ、勿論君のプライベートは優先してくれて構わない。それと、今のうちに私とそれからこの子の連絡先を登録しておいてくれるかい」
「はい」
素直に頷く蘭。
かくして、魔性の少年の周りにはまた一人女が加わった。
爛れた日常は続く。