魔導具の影響で欲望が止まらなくなってしまったあなたがディナとエッチする話 作:ナメクジ次郎
自室のベッドに腰かけているあなたは、隣に座るディナをぼんやりと眺めていた。
今日は訓練も任務も何もない完全な休息日。その平穏を邪魔されたくないという理由で部屋にやってきたディナは、あなたのベッドの上で少しだけ寛いでいた。
隣に座るディナのクールな瞳は普段通り少し眠たげだが、今日は少しリラックスした雰囲気を纏っており、お互い何をするわけでもない空間にディナがゆっくりとガムを噛む音だけが聞こえていた。
「ん……もう味ないな」
ディナが小さくそう呟きガムを口から取り出そうとした時、ふと何かに気が付いたようにその手を止める。
あなたがその様子をじっくりと見ていた事に、気づかれてしまった。
捨てようとした噛んだ後のガムに釘付けになっていたあなたの視線に。
ディナは少しだけ、眉に皺を寄せた。
「めちゃくちゃ見てくるじゃん……そんなにガムが欲しいの?」
呆れたような、でもどこかからかうような声。
彼女は新しいガムを取り出してあなたに差し出そうとしたが、すぐにあなたの視線が向く先がおかしい事に気が付き、手を止めた。
あなたの興味や視線が向いている先が、ガムそのものではないことに。
新しいガムではなく、ディナが今まで噛んでいた、まだ唾液でてらてらと光る噛み終えたガムに、熱い視線を向けていることを。
「ちょっと……あんた、それはダメでしょ」
あなたのその予想外の嗜好に、やや引き気味になりながらも羞恥からかディナの頬が少し赤らむ。
あなたをたしなめる言葉をそのまま続けようとしたが、途中でふと何かを思いついたように口を閉じた。
ディナの水色の瞳が、わずかに細められる。
「……そんなに興味があるんなら、特別に味見させてあげるよ」
そう言うや否や、ディナは噛み終えた後のガムを再び自分の口の中へ戻して、ゆっくりと神始めた。
静かな部屋に、くちゃ……くちゃとガムを噛む音だけが響く。
音だけ聞けば先ほどまでと同じシチュエーションのはずなのに、あなたの耳には今はとても淫靡な響きのように聞こえていた。
そんな状態が数十秒続いた後、ディナは突然あなたの頬へ手を伸ばし……その細い指でがっしりとあなたの両頬を掴んだ。
「んっ……♡」
抵抗する間もなくディナの顔が近づき、あなたの唇にディナの唇が重ねられた。
柔らかく湿った、しかし柔らかい唇が触れた衝撃で思わず硬直したあなたの隙を見逃さなかったディナは、すぐに滑らかな舌をあなたの口内に滑り込ませて来る。
同時に、舌とはまた違った感触がする物体。温かく、唾液にまみれたガムが彼女の舌と共にあなたの口内へと移された。
「ん……ふ……♡」
ディナの舌が積極的に動き、ガムを間に挟みながらもあなたの舌を絡めとる。
僅かに残ったミントの残り香と、ディナの唾液がたっぷり付着したガムは、柔らかく伸びては二人の舌によって形を変える。
くちゅ……くちゅ……と、間にガムを挟んだからか普通のキスよりも大きくなった淫らな水音が部屋に響いていた。
ディナは更にあなたの後頭部に手を回し、逃さないようにしつつも力を込めてより接触を、キスを深くしていく。
ガムを交互にお互いの口に移すように舌を激しく動かす、長い、深いディープキス。
息が苦しくなるほど深くしたを絡め合い、舌と舌の間のガムが二人の間を何度も往復する。
その度にガムだけでなくディナの唾液が大量に流れ込んできて、ガムと混ざってさらにねっとりとした感触を生む。
「はぁ……んっ♡ どう……? アタシの味、たっぷりしてるでしょ」
キスの合間に時折そう囁き、すぐにまた情熱的にあなたの唇を塞いでくる。
彼女の舌はまるで別の生き物のようにあなたを味わい、ガムも巧みに使いながらもあなたの舌を刺激し続ける。
あなたがガムをディナの口へ戻すように軽く押し返すと、ディナはやや嬉しそうに目を細めより深く舌を差し入れてあなたの口へお返しする。
そんなキスを時間を忘れるほど繰り返したところで、ようやくディナは口を離した。
二人の唇の間には、透明な唾液の糸が長く引いていた。
ディナの顔は真っ赤に染まり、瞳は潤んで、普段のクールさは完全に興奮に溶けていた。
そして自分ではわからないがあなたも、そんな興奮に溶かされた顔をしているだろう。
「……ふぅ……♡」
ディナは、あなたの口の中にたっぷりと唾液を含んだガムを残していった。
反射的にそれを噛むと、最早混ざり合ってどちらのものともわからない唾液が、じんわりと口内に広がった。
キスが終わっても口移しされたガムを味わおうとするあなたを見たディナは、さらに顔を赤くしたがなるべく平成を装うように、指であなたの唇を軽く拭いながら、照れ隠しのように小さく笑う。
「堪能するのはいいけど……それ、あんたが捨てといてよね。責任もって処理して」
そう言いながら、彼女は一歩離れて。そして部屋の出口へと歩き出す。
あなたはそれに少しだけ、名残惜しいものを感じていた。
「アタシも……その、結構よかったから。次はもっと長くしてあげてもいいよ」
部屋を出る直前、彼女は顔を耳まで真っ赤にしながらそう言った。