【R18】ヒロインをエロゲー化して悪戯する話【画像付き】 作:きりぼー
俺の部屋に恵と詩羽先輩と出海ちゃんが来ている。みんな学校帰りで制服姿だ。
「あのさ・・・倫也くんさぁ・・・」
恵が不服そうにネチネチと俺に文句を言う。
「ごめん」
「こういう分岐は誰も得しないんじゃないかな?」
「だよね、だよね」
「わかってるならどうして・・・こういう分岐に育っちゃうかなぁ」
机に肘をついて、顔をプクゥーと膨らませている。怒っていても可愛いことは可愛い。
【画像27 恵おこ1】
「だって、俺としても3か月も拘束されるなんて想定してないじゃん。ここ現代の日本だぜ?」
「それはそうかもしれないけど・・・」
恵が怒るようにアナル分岐なんて需要はそんなにないだろうからな。
詩羽先輩は離れたところに座ってこちらの様子を面白そうに伺いながら仕事をしている。
「拘束からSMやスカトロ分岐は当然の帰結よね。倫理君」
「そうですねぇ・・・むしろプレイの一部というか」
「黄金水も飲んでもう少し過激にしても良かったと私は思うわよ」
「霞ヶ丘先輩は黙っててください」
「あらあら、そんなに怒ったってもう夏休みのプロットは変えられないわよ?」
「それだよ、倫也くん!プロット」
「はい!?」
「もう6月だよ?」
「そんなバナナ」
「なのに英梨々ったら、『ねぇねぇ恵~ハネムーンはどこがいいと思う?やっぱり欧州かしらね?』だって、そんなことも決まってないなら全部白紙で作り直しても同じじゃないかな」
「まぁまぁ・・・落ち着け恵。それ・・・何話ぐらいだ?」
「だいたい10話超えたあたり」
「ふむ・・・ということはあと30話か。今は6月だから・・・一日一話ぐらい作ればまぁ間に合うな」
「こっちも迷走しているのに、プロット完成していない作品が作れるわけないよね」
「だよなぁ・・・だいたい最初の10話も適当なんだろ?」
「うん」
「まいったな」
こっちはともかく英梨々の方がしっかり進んでいれば後押しもしやすいのだが。
「詩羽先輩、英梨々のハネムーンって何話割く予定ですか?」
「一話」
「・・・長文で収めろと?」
「さぁ?何も考えてないんじゃないかしら。私のもらった手元のプロットだと11話にハネムーンって書いてあるだけよ」
「なるほど・・・じゃあ恵。後半きり捨ててしまおう」
「どういうこと?」
「後半って経験済になった英梨々がコスプレエッチに挑戦するような内容だろ?」
「これをプロットと呼んでいいならそうみたいだけど・・・」
「だったら、初夜が最期でいいんじゃね?」
「・・・」
「あらあら倫理君。ずいぶんと本質に気が付き始めたじゃないの。やっぱりアナルも経験しておくべきだったわね」
「アナルは関係ないからねぇ!?」
詩羽先輩がカタカタとノートPCを打ち込みながら修正を重ねている。英梨々がのんびりと進行したいなら、それに合わせて作るだけだ。
「倫也先輩、私からもいいですか?」
「はいどうぞ出海ちゃん」
「澤村先輩を中心でいくなら、ターゲット層がR18の読者じゃなくて、初期からの読者になると思いますが」
「ふむ・・・」
「それだと一般版でせいぜい50~100名程度ですよね。R18に合わせようとしてコスプレやエッチを増やすぐらいなら、元に戻してしまってもいいんじゃないでしょうか」
「それも一理ある。英梨々の一般版もUAこそ少ないがポイントは似たようなもんだしな」
「ですよねぇ・・・」
「ただ二番煎じやリメイクはダメだ。前に進まないとな」
「そういうもんですか?」
「波島さんはわかってないわね」
詩羽先輩が見かねて口を挟んできた。一方で恵は再度プロットをチェックしている。ご苦労なことで頭が下がる。
「いいかしら?2022年の『英梨々とラブラブ過ごすエッチな夏休み』があくまでもベースなのよ。23年は大ゴケしているけど澤村さん的には楽しかったのでしょう。プロポーズのための世界旅行ですもの」
「あれは盛大にこけたよな・・・」
「R18に挑戦した24年の『コスプレ英梨々とエッチしたい』の方が、25年の『ハーレムで毎日エッチする倫也の夏休み』よりも少しだけ反応がいいのよ。次の夏休みを澤村さんで作る根拠ができたわ」
「それならRにする必要ってありますか?」
「当然あるわよ」
詩羽先輩がバカの相手をするのは疲れると言わんばかりに溜息をついた。
「ああ、そういうことかぁ・・・」
恵が気が付いたようだ。
「英梨々がエッチしてない作品が、英梨々だけの作品と拮抗するなら、英梨々がエッチすれば上回れるってこと?」
「惜しいわね。加藤さん」
「違うのかな?」
「拙いデータを分析するならそういうことよね。でも作者の能力や題材がすでに頭打ちになっている可能性も否めないわ。実際、流行の作品をちょろっと出した方が10倍以上の読者数になるのよ」
「あっ、それってフリ〇レンでシュ〇ルク竿役にして全員抱いてしまう話しのプロット・・・」
「ふむ。よそ作品の実名は伏せ文字にしておこうな」
もはや何のために書くのかという問いかけになると、登場人物の俺にはメタ推理を超えて答えが出せない。
「だから、そういう『数字』を求めるのは別の話しなのよ。ここで大事なのは一貫性ね。継続と改良」
「英梨々の物語の?」
「そうね。主題のイデアを育てるってことよね」
「それは建前なんじゃないかなぁ」
「そうかもしれないし、そうでもないかもしれないわ。だって加藤さんは澤村さんじゃなくてハーレムものでって主張しているのよね?」
「・・・うん」
「それって、もう加藤恵単体で作るのはおかしいって認めているのと同じよ」
「あっ・・・」
「私達は長い長い6年にも渡るループの中、何度も何度も失敗や試行錯誤をして、ようやく澤村さんが加藤さんに勝つ事ができたのよ。もっとも私達の作品の中の小さな世界での話しだけど」
「・・・そっかぁ」
恵が寂しそうにしている。
「俺もさ、結局は見つけられなかったんだよ。もしくはそのENDは違う気がした・・・というべきかな」
「うん」
英梨々も幸せにするが、恵も幸せにする話。できれば美智留や詩羽先輩や出海ちゃんも幸せにしてあげたかった。
でも、英梨々だけが特別なんだ。しょうがない。
「それなら・・・わたしはこの物語でも倫也くんと結ばれたいとは思わない」
「・・・だろうな」
「だから氷堂さんはもういないんだね」
「・・・だな」
「そっかぁ」
おそらくはこれが最期だ。
「決着が着いたなら英梨々の物語を最期に作らなくてもいいんじゃないのかな」
「うーん。ハッピーエンドってさ、幸福の押し付けみたいになるだろ?」
「そうかもしれない」
「一般ラブコメなら付き合いました。キスしました。みたいな」
「うん」
「英梨々のハッピーエンドが俺と一緒に過ごすことだとすると、ずっとループして夏休みはいつまでも終わらない」
「すでに6年目に突入だもんね」
「ひとつのけじめとしてな・・・」
「英梨々とエッチして終わると」
「そのためのR18だしな・・・」
恵はプロットの書いてあった紙を破り捨てた。どんなに外野の人間が修正しても、作りこんでも意味がないことに気が付いたからだ。
「じゃあね。安芸くん」
【28恵 激おこ2】
恵が立ち上がって部屋から出て行った。もうこっちの俺も追いかけてはいけないのだろう。後味のいい別れ方ができるほど成長はしていない。
「じゃあ、そろそろ3000文字だし、倫理君オチにいきましょうか~」
「倫也先輩、なんで服きているんですか~」
にこやかに詩羽先輩と出海ちゃんが手には極太バイブを持って微笑んでいる。
「ふっ・・・逃げがちだな」
「そうは甘くないわよ、倫理君!」
あっという間に服がはじけ飛んだ。
「あ˝ああああ˝あっ・・・!!」
そして、掘られた。無念。
(了)