※この作品はR-18です。

艦これ「古鷹の話」琥珀色の幸せ   作:ひびきん屋

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その25

提督達が大和と分かれた翌々日の昼下がり、ある人物が大和を訪ねた

 

 

「御免!」

 

 

「おーい、大和は居るかぁー!」

 

 

黒塗りの重厚な玄関の方から声がする

そして表には、黒塗りの高級車が停まっていた

 

 

 

「あら、閣下・・・お久しぶりです」

 

 

 

奥の方から大和が現れ、懐かしそうな顔で出迎えた

 

「相変わらず、美しいな・・お前は」

閣下はいつもの殺し文句で大和に接する

 

「うふふ・・相も変わらず、お口がうまい事・・v」

大和は口元を押さえ、微笑む

 

 

「悪いな・・上がらさせて貰っても良いかな?」

口角をニヤッとあげて大和に同意を求める、それと同時に顔の高さに、手土産の和菓子の包みも持っていきヒラヒラさせた

 

「あら・・丁度お茶の時間にしようと思ってましたのよv」

嬉しそうにそう答える大和

 

「それは良かった、きんつばにはお茶が合うからな・・」

 

「あら、うそ、やだぁ・・きんつばですのぉv」

大和の目が輝き、少女のような表情で嬉しがる

嬉しそうに身体をウキウキさせながら、軽い足取りで土産を受け取る

 

 

「ささ、お上がりくださいなv」

大和は手土産を受け取ると、客人を奥へと招いれた

 

 

 

 

「どっこいしょっ・・」

 

 

 

やっぱり、何も変わってない・・相も変わらず・・だな、ここは

靴を脱ぎ、大和のあとをついて行き廊下を渡る

 

 

閣下は、昔を思い返しながら、昔と何も変わらない、目の前に居る1人の女性をみて

自分の若き頃の事を思い出していた

 

 

 

 

あの時と何も変わらない時間がやはりここにあるな・・

 

 

 

1人、思い出にふけりながら、大和の後に続き、家の奥へ向かった

 

 

 

仏壇で仏様を拝んだ後、通された客間にあるテーブルの椅子に腰をかける

 

西洋風の丸テーブルに、椅子が4つ・・・こじゃれた彫り物がされていた

閣下は着座し、出された緑茶をズズズと飲んでいた

 

 

 

「うん、美味しいv」

 

 

 

目の前で大和は買って来たきんつばに舌鼓を打ち、ご満悦状態だった

大和は頬を染めて、嬉しそうにしていた

 

「お前は、本当に美味しそうに食べるな・・・買って来た甲斐があるわ、ははははっ」

その美味しそうに食べる大和をみて閣下もご満悦状態だった

 

 

「そういえば、聞きましたわ・・・先日はご迷惑をおかけしたそうで・・」

 

「あぁ・・いや、あれはもういい。済んだ事だ・・気にしないでくれ」

 

先日の会館での騒動を親として詫びる大和

そして友人として気にするなと告げる閣下

 

 

 

 

「それよりも・・・」

閣下は別の話しをしようと切り出し、しばし世間話をしつつ、昔を懐かしんだ

 

 

 

 

 

 

 

「・・で、閣下・・今日の御用向きはなんですの?」

大和から笑顔で切り出した・・

先日受け取った手紙に拘わる事とは思うけど・・と、一応覚悟はしつつの切り出しだった

 

「あ・・あぁ、そうだったな・・どうも歳をとると忘れる」

苦笑いをしながら、とぼけたふりをして頭をかく閣下

 

 

 

「先日の手紙にもしたためた通り、正直に答えて欲しいんだ、大和・・

 お前は自分であとどれぐらいだと思っている?」

唐突にぶしつけな事を聞く閣下

 

 

大和は笑顔で当たり前のように答える

 

 

「さぁ・・あと10年・・もしくは20年?運が悪ければ明日?・・私にも良くわからないの・・

 でも、確実に死に向かっている事は自分でも分かるわ・・昔のように身体が動かなくなって来てるから・・」

 

 

「そうなのか・・もうそんなに悪いのか・・」

閣下は心配そうに大和を見詰める

 

 

「私たちは幼年期と・・確信は持てないけど、老年期がスッポリ無いの・・きっと。

 生まれた時から、死ぬまで容姿はこのままだわ・・きっと

 だから子供と老い、その分がないだけに・・

 人の半分程度の寿命しか・・それしか生きられないと考えた方が、正解かもね・・」

 

そういうとお茶を両手に持ち、膝の上にその手をおき、寂しそうな微笑をする

 

 

「そう考えたら・・私は長く生きているのだもの・・・身体中もう・・ねw

 流石にいつ逝っても可笑しくない・・そう自分では思っているわ」

少し残念そうな顔をして笑顔を見せる大和

 

 

「もうそんなに・・・なのか・・」

 

 

「そうよ・・貴方に出会ったのは、貴方がいくつの時だと思っているの?」

そういうとクスクスと笑う大和

 

 

「そうか・・そうだな・・あの時から数えると、かなり経つな」

自虐的に自分の老いを受け入れる閣下

 

 

「それにしても、本当お前達・・艦娘は出会った時から何ひとつ変わらないな・・

 私も、歳をとったなぞ艦娘本人にそう言われても、ピンと来ない・・

 

 その若々しさを見ると、お前達は人間より2倍も3倍も長く生きるのでは?とさえ感じるわ・・」

お茶を口にして、戯言を言う閣下

 

 

「本当にお前と会うと自分の歳を忘れてしまうよ・・自分がまだ小僧と思えるぐらいにな」

苦笑いをしながら若い時の記憶と、思い出を思い起こし、大和を穏やかに見つめる

 

 

「あら・・そおぉ?まだ殿方を誘惑できるかしらw」

そのふりに、ウインクしながら小娘のようなしぐさをするチャーミングな大和

 

 

「ありがとう・・でもね閣下、外見はさほどだけど、身体はガタガタよ・・

 そして、ここはちゃんと歳相応に変わったわ・・」

そういうと大和は胸に手を当て、そっと目を閉じる

 

 

 

大事な人と出会えたのだもの・・

 

 

 

「そうだな・・お前はいい女になった・・あいつと出会ってから、より良い女になった・・」

昔を懐かしむ閣下はお茶をすすりながら、客間から見える仏壇を見る

 

 

そして、当時を思い返す・・

 

 

 

「あいつと思う存分駆け抜けたお前は、誰もが羨むほど輝いて羨望の的だった・・

 みんながお前を連れて歩くあいつに嫉妬したもんさ・・・・

 いい女を連れて、連戦連勝・・相思相愛で見てる方が熱くなる程だったからな・・ふふふ」

当時の大和と、大和の大事な人・・提督の父親の縦横無尽な活躍ぶりを思い出し、ニカっと口角を上げる

 

 

「あらあら・・貴方達だって相当お熱だったじゃない」

意地悪く微笑む大和

 

 

ん・・・いやはや参った参ったと、自分の頭に手をやりこね回す閣下

 

 

「もう・・あれから何年になるかのぉ・・わしもあの時が1番輝いていた・・そして楽しかったなぁ・・」

目を閉じ、当時の事を回想する・・まぶたには、当時の勇姿が映し出されていた

 

 

戦地を駆け抜ける、あいつと大和・・そしてそれを楽しそうに後から追いかけていた自分達

共に敵を打ち破る勝利の砲撃音、気持ちよい潮風に波を切って進む艦、各地で競って食べた現地の珍味・・

 

 

 

 

あぁ全てが懐かしい・・

 

 

 

その口元は微笑んでいた

またこの老将も思い出は物ではなく、心にあるのだと証明している1人だった

 

 

 

「そうね・・もう何年かしら・・あの時は色々あったけど、生きてるって感じだったわね」

少し苦笑い気味に昔を思い起こし、目の前の男との思い出を思い出す大和

 

 

「うちの人とあなたは良く悪ふざけをしていたわ・・・周りがヒヤヒヤする程に・・・」

 

「あっ・・・覚えてる? あなた、うちの主人と2人で、私と武蔵の裸を見ようと忍び込んで―――」

思い出し笑いをしながら、昔の恥ずかしい思い出を引っ張り出した

 

 

「おいおい・・それは、やめてくれ・・もう謝ったじゃないか」

バツが悪そうにする

 

 

「あの時の貴方達の顔ったら・・・」

 

 

ケラケラと笑う大和に、またその話かぁ~とばつが悪そうに赤面の閣下

 

 

「ほんと・・懐かしいわ」

大和が微笑みながら少し寂しい顔をする

そしてあの人を愛した時間がそこにあると感じ、思い出に浸る

 

 

 

 

この空気間・・多くの思い出が蘇る

 

 

 

 

 

そして、しばしの談笑の後、沈黙になる

 

 

 

 

 

 

 

閣下の顔がかわる

 

 

思い出は話をしにここへ来た訳ではなかった。

仕事で来たのだ・・友人としてではなく、軍人として・・・

 

 

大和もそれを感じ取っていた

 

 

 

 

「大和・・」

顔が険しくなる

 

「何でしょう・・閣下」

先程とまでは違う顔つきに、同じ様に引き締めた顔をする大和

 

 

「改めて聞く」

 

「実際、君は戦場には出れるのか・・?

 そして、それに耐えれるのか?・・それを聞きたい」

先程までとは違い、軍人の厳しい目が大和に答えを問おうた

 

「お望みと有らば、この身を捧ぐ覚悟は有ります、私も軍人です。

 しかし閣下もご存知の通り、やはり身体は歳を重ね、老朽化しております。

 故に昔ほどのご期待の沿える戦果を挙げる事は難しいかと・・」

 

大和が自分の身体の状況を的確に把握した上で、閣下に申し上げる

 

「自分の寿命までは分かりません・・・

 また、私の様に、永らえた者も、過去いませんのでいつ朽ち果てるか・・

 しかし、私も帝国海軍へ席を置く身、望みと有れば、この身朽ち果てるまでご奉公いたします」

 

閣下に決意を伝える

 

 

 

「自分達は・・どうなると思う?」

 

 

今まで誰も、最後まで天寿を全うした事の無い艦娘たち・・

閣下はあえて、大和自身も分からぬ事を問うてみた・・

 

 

その問いに大和が、素直に答える

 

「私たちは生まれいでた時から、姿形(すがたかたち)は少女もしくは成人であります・・

 そして外見はほぼ変わらないまま歳を取り、そしてきっとそのまま朽ちていきます。」

 

「平均的な存命年数も分かりません・・ただ・・許されるのなら、その命尽きる最後まで生きたいとは思っています」

 

 

生き物として、ごくまっとうな自然の摂理を述べるように話をした大和

 

 

 

「・・・・」

 

 

 

「その時が来たら、力借りるぞ・・大和」

閣下は、この話はお仕舞いと言う顔し、お茶を口をにした

 

 

「はい、この命に換えましても、必ず・・・」

笑顔で答える大和

 

 

 

 

 

 

「でも・・・」

 

 

 

 

 

「ん?」

 

 

 

 

「孫が生まれてこの手に抱けるまでは生きていたいと思いますわ」

大和の顔が穏やかになる

 

 

「・・・そうだな」

その表情に、再び、友人としての顔に戻る閣下

 

 

 

「是非、それまではシャンとしていて欲しいものだ・・」

 

「えぇ・・言われなくてもそうするわ・・その時は貴方にも抱いて貰いたいわ・・私の孫を

 だから貴方もシャンとしててねw」

 

そういうと笑いあう2人

 

 

 

「ねぇ・・でも」

 

 

 

 

「本気で私の力が欲しいのなら・・・最盛期の力が欲しいなら・・・

 私が死んだ後に、見つけ出せば良くなくて?」

大和が自虐的に話をする

 

 

その言葉の裏には、私を殺せば新しく産まれ変わった「新しい」大和が手に入ると促していた

 

 

「無理を言うな・・お前ほどの女がそう容易くドロップする訳が無かろう・・」

冗談交じりの顔で、うげ~と嫌そうな顔をして大和のその言葉をけん制する

 

 

「今のお前を見つけ出すのですら、当時は難儀したと聞いているぞ・・

 だいたい、だれがそんな面倒くさい女を捜すんだ?

 俺は嫌だからな・・面倒くさい・・そんな事したら、見つけるより先にわしが死んでまうわw」

 

コミカルな動きをしながら、悪態をつく閣下(苦笑)

 

 

「ひっどーい!」

大和もコミカルに返答する

 

「あ~面倒くさい、面倒くさいw」

それに反応するかのように、コミカルにふざける閣下

 

 

 

お互いの、そのふざけ合いに

あはははははは・・と笑い声が響き渡った

 

 

 

「・・・」

 

 

 

「それに、そうしたら、お前はお前じゃなく成るだろ・・」

少しの沈黙の後、先程のコミカルとは裏腹に真面目に語る

 

 

「そうね・・私は私じゃない私になるわね・・」

 

「俺は・・お前も、そういうのを沢山見てきた・・・もうイヤなんだ、そういうのは・・」

寂しそうな顔をする閣下

 

 

 

「そうね・・私も沢山見てきた」

大和も寂しそうな顔をする

 

 

 

「私も寂しいわ・・・」

 

 

 

「ホント私以外に生き延びてる子は居なくなったから・・・ 

 もう誰も当時の事を知るものは居ないわ」

寂しそうに語りだす大和・・昔を競い合った仲間はもう居ないのだ

 

 

「大和・・」

閣下は寂しそうにする大和を慰める言葉が見つからなかった

 

 

空気は止まり、時間が流れるのが遅くなった・・そんな気がした

 

 

「でも、私には子供達がいるからv」

大和はそんな空気を打破しようと明るく振るまった

 

 

「あ、そういえば・・・あの子!」

突然思い出したかのように閣下に話をふる

 

 

 

「ん?どうした・・?」

 

 

「加古・・そう加古がうちの娘・・息子の艦娘に成ったのよv」

嬉しそうに大和が語る

 

 

「加古が・・・・そうか」

閣下は複雑な顔をした

 

 

「もう・・そんな顔しないでよ」

 

 

「加古か・・・元気にしてたか?」

閣下はお茶の入った湯飲みを覗き込むように下を向いたまま答えた

 

 

「えぇ・・今の加古ちゃんは元気にしてたわ・・・

 もし良かったら、今度戻った時には会って行きます?」

 

 

「・・・・」

 

 

「いや・・やめとこう・・もうあの時のアイツは居ない・・今の加古は、アイツとは違うのだから・・・

 それに・・俺はあの時、加古を・・・守れなかった・・生まれ変わったアイツに・・・顔向け出来る男じゃない」

 

昔を思い出し、寂しそうな顔をする

 

 

「そんな事言わないで・・・」

寂しそうに言う大和

 

 

「お前達は、いつかまた生まれ変わり、わしらの前に現れる・・・

 でも、魂までは・・・生成されない・・もうあの時のアイツはあの時しか居ないんだ・・」

寂しそうに思いを告げ始める閣下・・心なしか先程までの人物とは別人と思えるほど覇気が無かった

 

 

「かつて共に戦い、共に笑い、共に泣いた・・・そしてわしの愛したアイツは居ないんだ」

 

 

閣下は自分が過去に犯した過ち・・そして守れなかった愛おしい娘を思い出していた・・

 

再び再開した時の悲しさ、悔しさ・・そしてその後悔を今も忘れる事が出来なかった

自分の人生は後悔ばかりだった・・と自虐的に微笑む

 

 

 

 

 

「そっか・・」

寂しそうにする大和・・閣下の気持ちを察する

 

 

 

「私たちは、死んだ後、また生まれてくるわ・・でも記憶は・・いえ、魂は蘇らない・・・」

 

 

「なぜかしらね・・・」

 

 

「私たちの魂は何処へ行くのかしら・・天国?それとも虚無の世界?使い捨てかしら・・」

大和が湯飲みを置き、仏壇の方へ身体をむけ、独り言のように語りだす

 

 

「私たちにも分からない・・だから残酷なのよね・・・

 残されたものにとって、目の前にはかつての愛した女が居る・・そして愛した男が居る・・

 でも、その女は姿かたちは同じでも別人格・・もう昔の事は何も知らない・・

 自分が愛した男の事も・・女として愛してもらった事も・・・」

 

 

「これは・・罰かしら?」

上半身だけ閣下の方へ向けて問う大和

 

 

「あぁ・・俺達は罪深いのかもしれないな・・」

大和の先にある仏壇を見詰め、自虐的に答える

 

 

「神様がその罪の償いをまだ終っていない・・残された償いを果すまで苦しめ・・と言っているとしか思えない

 かつて共に過ごした大事な人を、今度は別の誰かが愛し合う・・・それがどれだけ地獄か・・」

 

「理屈は理解できても、感情はそうは行かない・・・何度この胸の中が焼ける思いだったか・・・」

もう・・そういう思いはしたくないな・・と閣下は大和の問いに答えた

 

 

「それは経験から?それとも・・」

 

 

「あぁ・・経験からだ・・」

首の後ろをかきながら湯飲みを置く閣下

 

 

 

「わしは一度だけ、お前達には黙っていたが・・一度だけ・・

 生まれ変わった加古に有った事・・再び共にしたがある・・

 もうだいぶ昔の・・何代か前のアイツに」

 

 

意外な事を聞いた大和は驚いていた

 

 

「わしは身が焦げるようなつらい思いをした・・・

 初めて一緒に過ごした思い出も、戦場を駆け抜け、泣いた笑った記憶も・・・

 何もかも、生まれ変わった加古には・・何も無かった」

 

「そこに有るのは、ただ姿かたち、声だけが同じだけの別人が居ただけだった・・

 自分は後悔した・・・そして最後まで付き添う事は出来なかった・・」

 

閣下の顔は後悔の念に苛まれていた

 

「そんな気持ちには、もう成りたくないのだよ・・」

苦笑いをする

 

 

 

「そんなことが・・・」

大和もつらそうな顔をする

 

 

 

「だから、わしはもうあわん事にしたよ・・生まれ変わっても、もう会わん」

 

 

 

「わしの加古はもう・・・いない」

 

 

閣下は大和の目を見詰め、こう言い切った

 

 

「生まれ変わった加古は、生まれ変わった加古のものだ・・わしの物では無い、そして昔の加古のものでも無い。

 わしはただ自分と、そして一緒に過ごした加古との事を思い出を心に刻み、前に進むだけだ・・」

 

「そうやって今まで生きてきた・・そしてこれからもそうやって死んでいく・・只それだけだ」

 

 

 

良かったわね、今でもあなた愛されてるわよ・・加古

かつて共に戦場を駆け回った頃の加古へ・・昔の友達だった加古へ、大和は心の中で言葉を贈った

 

 

 

「だから、わしはお前が生きていてくれて嬉しい・・・

 わしと、あいつ・・そして加古との記憶を持っているお前が・・仲間が居てくれて嬉しいぞ・・」

うっすら瞳に涙が浮かぶ閣下

 

 

「あらあら・・・やだ・・」

つられて大和が涙目になり、目頭を押さえる

 

 

 

 

「もう・・・しんみりしないでよ・・せっかく久しぶりに会えたんだから・・これじゃお通夜みたいじゃない」

涙目を誤魔化そうとする

 

 

「す、すまんな・・・」

謝る姿は一人の少年のようだった

 

 

 

「もう・・早くお茶飲んで、熱いの入れ直すから・・」

 

 

「あぁ・・すまん・・頼むよ」

 

 

 

2人の思い出は2人にしか分からない・・・

そんな寂しい気持ちになる

 

 

当時を共に生きたものにしか分からない

 

 

 

 

寂しいけれど、そんなのが人生さ・・

そう思った2人であった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく

 

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