※この作品はR-18です。

艦これ「古鷹の話」琥珀色の幸せ   作:ひびきん屋

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その26

んぐっ・・んぐっ・・

 

ひざまつき頭を上下に動かす名取

彼女の頭を提督が髪を掴んではなさなかった

時々喉奥に入り嗚咽をするその顔を見てニヤニヤしていた

 

 

ぷはっ・・・・はぁはぁはぁ・・

 

 

「誰がやめて良いと言った、名取・・」

あごを痛そうに押さえる名取に冷徹な眼差しで見下す

 

 

「は・・はい・・」

もうかれこれどれぐらいしているのだろう・・

時間も分からなくなるほど、口を使い、あごが痛くなるまで続けても

満足をしない提督のものを、ひたすら涙を浮かべながら咥え込んでいた

 

 

 

そしてその咥え込んだ顔には無数のアザが・・

口答えをすれば、それは即ち懲罰である

 

 

 

 

名取にははむかう気力すら奪われたまま、今はひたすら主が満足するまで続けるしかなかった

 

 

 

 

「失礼」

 

 

 

 

「あら・・お邪魔かしら」

表情も変えず、名取のしている行為を見て、冷淡に言葉を発する

 

 

 

「お前か・・しゃぶれ」

 

 

そういうと名取を足蹴にし、ひざまつく様に促した

 

 

先程まで名取が咥えていたものが、いやらしく糸を引き、いやらしくテカっていた

 

 

 

「お断りします・・」

 

 

 

「はぁ?」

提督が不機嫌になる・・名取をはじめ、周りの子がビクつく

機嫌が悪いときの提督の行動が怖いのだ

 

 

「てめぇ・・道具のクセに誰に向って」

 

 

「私の主は貴方のお父様で、貴方は私の主ではないわ

 主を満足させる事は出来ても、貴方を満足させる気は毛頭も無いの・・

 私は主であるお父様の命令により、今は貴方に付き従って居るだけと言うのを忘れないで欲しいものね」

 

最後まで言い切らない内に言葉を遮り、しれっと言い切る

 

 

そして侮蔑した顔で言い放つ

「あと、私たちは道具ではないわ」

 

 

苦虫を噛み潰したかのように、口ごもる・・

父親の名前を出されると何も言えなくなる

 

 

こんなクズでも自分が幅を利かせられているのは父親の存在が有ってからこそと自覚が有る

それに逆らってまで父親の意向に背くのは、即死を意味する・・故に父親の意向は絶対なのであった

 

 

「私は使命を受け貴方の第二艦隊の旗艦となったわ

 そして、随行して策士として貴方の行動をサポートするように仰せつかっただけ・・

 貴方が勝つ為に知恵を与え、サポートはするわ・・でも決して貴方の管轄化に入った訳ではないの・・」

 

 

「あくまでも貴方が操れるのは第一艦隊・・元の艦隊だけよ。私たちはあくまでも友軍でしかないわ」

 

 

冷静に自分の立場を知らしめ、突き放した態度を見せる

 

 

 

 

「勘違いしないでね、ぼっちゃま・・」

提督を見つめる眼差しは冷徹な目をしていた

 

 

 

 

 

くっ・・・

 

 

 

 

くそ・・いつか親父を出し抜きこいつをヒーヒー言わせてやる・・

二度と俺に対して生意気な口が利けない様に・・覚えていろぉ

 

 

提督は腹の底からこみ上げる屈辱に顔の形相を変化させていた

 

 

「名取!」

「はいっ」

 

その声に怯えながら、再び主の股に顔をうずめる・・・

提督は名取の髪をわし掴みにして強く髪を引っ張り乱暴に動かした

 

 

私、いつになったら・・・名取は、悲痛な面持ちのまま、嗚咽し、頭を動かし続ける

 

 

 

「いいかしら?」

 

 

 

その永遠とも思える地獄のような行為を見詰めながら、冷徹に伝える

「お楽しみも良いけど、貴方の獲物があと15分でこの基地に到着するそうよ・・今連絡があったわ

 こんなところで、こんな事してて良いからしら?」

 

 

その報告に、血相を変えて立ち上がる提督、その動きについていけず、咥え込んでいたものに歯があたる

 

 

 

提督の顔がその痛みにゆがむ・・・

「貴様・・」

 

 

 

名取は逃げるタイミングを失い、身体を蹴り上げられた挙句に腹を思いっきりかかとで踏まれ、苦悶に満ちた顔をした

 

 

「満足にしゃぶる事も出来ないのか!いくら仕込んでも旨くならねぇな、お前は!

 ホント所詮軽巡は使えねえな!」

やり場の無いとばっちりを受けてしまう

 

 

クッ・・・うぅぅ

 

かかとに体重をかけ、踏まれ続ける

余りの痛さに冷や汗を出し、顔が痛さにゆがむ名取

そしてその痛さに白目をむき始める

 

 

「名取ちゃん・・」

 

 

思わず、周りに居た娘達から悲痛な声があがる

 

 

 

「やめなさい・・これ以上すれば戦力を失いかねないわ・・ここにはこの娘達の代わりは居ないのよ

 それとも、ここで名取を失っても貴方には相手を倒すだけの潤沢な艦があるというの?」

名取が気を失いそうに成るほど痛めつけられているのを見て、諌める

 

 

 

クッ

 

 

 

いちいち五月蝿い発言に苛立ちを隠せない提督は、名取をもう一度蹴り上げ

面白くなさそうに自分の物をしまいこみ、部屋の外へ向かう

 

 

 

「お前達、行くぞ、陣形は複縦陣以外無しだ!殺すつもりでやれ!」

言葉を吐き捨てるようにして、部屋を出ていく提督

その言葉に名取をおいたまま、付いて行く娘達・・・

 

 

部屋には名取が苦しそうにして残っていた

 

 

 

 

「て・・提督まって・・くださ・・」

 

 

腹を押さえ、青ざめた顔をしながら立ち上がり付いて行こうとする名取が

立ち上がりざま、ふらつき床に打ち付けられそうになる瞬間手を差し伸べ身体を支えた

 

 

「大丈夫・・・?」

 

 

 

「すみません・・・」

名取はつらそうな面持ちで礼をのべた

 

 

「貴方はいいから、ここに居て休みなさい、ついていく事は無い・・」

「そうは行きません・・・私、提督の艦ですか・・・ら・・」

 

言葉を言い切れないまま何とか立ち上がり、ふらつきながら部屋のドアを開け、あとを追う

 

 

 

 

 

「・・・・」

 

 

 

 

「大概にして欲しいものね・・」

 

 

 

一人残され、言葉を吐き捨てるようにはいた

その顔は微動だにしない冷徹さが合った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヴヴヴヴゥ・・

 

 

 

 

 

予定より半日遅れで飛び立った九七式輸送飛行艇が中継基地に滑り込んできた

着水したばかりで、エンジン4基のプロペラが唸りを上げている

 

 

 

周りは日が傾き始めて、空が朱色に染まり始めていた

 

 

飛行艇のハッチが開くと同時に、提督が険しい顔で降り立つ

あたりを見渡す提督・・・

 

 

提督の緊迫感とは裏腹に、事情を知らない

加古と舞風は提督に続いて寝ぼけ眼で機体から降りてくる

 

 

「少しは落ち着いてください・・大丈夫ですって・・」

夕張が提督の落ち着きの無さを諌める

 

 

「提督・・大丈夫です、提督・・」

いつもと違う提督に古鷹も落ち着かない

提督の制服の裾を握り締める

 

 

提督がこんなに心配するなんて・・尋常では無いわ

私まで心配になる・・・祥鳳、大丈夫だよね

 

古鷹は祥鳳が居るであろう方向の空を見詰めた

 

 

 

 

 

「ていとく・・」

 

 

 

桟橋の一番先から声がした

 

そこには戦火を潜り抜けてきた零式水上偵察機が係留されていた

そして傍らに硝煙と埃まみれの祥鳳が立っていた

その脇をパイロットが慌てて駆け抜けていく

 

 

 

祥鳳の立ち尽くすその姿にみなが驚く・・

 

 

「祥鳳!」

 

 

明らかに様子が可笑しい・・

 

提督が駆け寄る、それを追うように夕張も駆け寄った

それに続くかのように、遅れて加古も舞風もそして古鷹も祥鳳の元へ駆け寄る

 

 

「ていとく・・ていとく・・」

祥鳳は涙で目をはらしていた・・

 

 

「どうした?何があった・・その身なりは・・何かされたのか?」

 

祥鳳の顔が涙でぐちゃぐちゃになる

提督はその尋常ではない状況に嫌な予感以上のものをヒシヒシと感じ始めていた

 

 

 

「久住提督が・・・久住提督が・・・」

 

 

 

祥鳳は一生懸命伝えようとした・・

 

「伊勢さんが・・久住さんを・・・お母さんの下へ・・って」

祥鳳は両手で抱え込んだ、純白のマフラーにくるまれた物を提督の前に見せた

 

 

 

 

 

 

「!!」

 

 

 

 

 

 

「祥鳳!まさか・・ま・・・」

提督は言葉を失い、硬直する

 

 

提督はそのくるまれた物が何かすぐに理解した

そして未だに信じられないと、硬直した身体を無理やり動かし、そのマフラーに包まれた物を確認するかのように祥鳳から受け取った

 

 

そしてしっかり結ばれた口をほどく・・・

 

 

 

絶句する提督、そしてそれを間近で見た夕張は青ざめた

 

 

「あれほど、気を付けろと言ったのに・・・」

提督がうつむき、大粒の涙があふれた

 

 

 

「提督・・なになに?・・どうしたの?」

何が起きているのか分からないまま不用意に近づく舞風

 

 

 

 

 

「来るな!」

 

 

 

 

 

 

大きな声で怒鳴る提督の声に、舞風はビクつく、そして今にも泣き出しそうな顔をした

そして古鷹と加古が嫌な空気を感じ取る

 

 

 

「あれほど・・あれほど・・気をつけろと・・・バカヤロ・・」

提督が肩を震わせ、そして力尽きるかの様に両膝を突き、久住の亡骸を前にして声を上げて泣いた

 

 

 

「祥鳳・・これは・・」

状況が読みきれていない夕張が祥鳳に近づき、事情を求めた

 

祥鳳は自分が到着したときの状況を説明した・・・

夕張をはじめ、古鷹、加古、そして泣き止んだ舞風が蒼白となった

 

 

 

「そんな・・・」

 

 

 

もう・・会えないなんて・・

 

 

琥珀艦隊の面々が沈痛な面持ちで、涙する提督を囲むようにうなだれていた

 

 

 

日が落ちて、暮れ始める桟橋・・

 

あたりは暗闇が蔓延り始め、空は燃えるような朱色で染められていた

その朱色で染められた空を、暗闇が後を追うかのように、空を支配し始め、辺りは暗闇が支配し始めた

 

提督達の姿が、ぼんやり確認できるほどの明るさしかなかった・・

 

 

 

 

ザシュン!

 

 

 

 

何かを切り裂き突き抜ける・・そう肉を切り裂くような斬音がした

 

 

 

 

 

「!!」

 

 

 

祥鳳が苦悶に満ちた顔になる・・・

 

 

 

祥鳳のお腹から刃物が突き出ていた、

そしてその刃は、腹から真一文字に・・・

 

 

祥鳳の腹が中心から右へと裂ける・・・

 

 

 

 

 

「え?」

 

 

 

 

提督の目の前で、本人も状況を把握できないまま

その言葉を発して、その場に崩れ落ちる祥鳳

 

 

切り裂かれた箇所からは血があふれ出していた・・・

 

 

事態が把握できないまま、崩れ落ちる祥鳳を周りはただただ見ていただけだった

 

 

 

 

「祥鳳!」

 

 

 

今度は何が起きたのか、判断できないまま、提督の顔が引きつる

 

 

 

崩れ落ちた祥鳳の背後には、槍状のものを携えた不敵な面構えで見下す艦娘が立っていた

「死にたい艦はどこかしら・・・クス」

その冷たい言葉と、その冷たい視線に一同は凍りつく

 

 

 

「龍田?・・・・どうして?」

刃をつきたてたのは、同胞である筈の軽巡の龍田・・

 

 

 

「あはっv 何か気になる事でも~?」

事態が掴めず混乱し、凍りついた提督達にあっさり微笑み、大量に血を流し始めた祥鳳の傍らに立っていた

 

 

 

加古と舞風は混乱しつつも、凍りつく言葉に負けじと艤装を始める・・少し遅れて古鷹と夕張も偽装を始めた!

娘達の身体に青白い粒子が集まり、青く発光し始めた

 

 

 

割かれた傷口から血が噴出し、顔が物凄い勢いで蒼白になっていく祥鳳・・

祥鳳は、言葉を発する事も出来ないまま、意識を失い始めた

 

 

「あら~、もう声も出ませんか?」

不気味に微笑みながら祥鳳に一方的に語りかける

 

 

血の失い方が早すぎる・・・このままではと

提督が蒼白となり、慌てて、祥鳳を抱き寄せた

 

 

 

「祥鳳!祥鳳!起きろ!死ぬな!目を覚ませ!祥鳳!」

 

 

 

提督は自分の身の危険も顧みず、その不気味な艦娘が祥鳳の傍らに立っている中

祥鳳を抱き寄せ、手で傷口を押さえ、止血を試みる

 

 

「私に近寄ると・・危ないわよw」

不適に微笑む龍田、槍状のものを振りかざす

 

 

しかし、何処からとも無く口笛が鳴り、その振りかざそうとした手を止めた

 

そして口笛がなるとほぼ同じタイミングで、物凄い剣幕で加古が拳を構えて飛んでくる

跳んできた加古の顔は怒りに満ちていた

 

「こっの、変態ヤローが!!」

 

 

それを面白そうに見詰めながら加古の攻撃を避ける様に後ろに跳びはね、

提督達との距離を取り、龍田は不気味に微笑んだ

 

 

 

「あら残念・・」

 

 

 

そして飛び跳ねた先には無数の人影が・・

 

 

 

 

 

だめ・・・暗くてよく見えない

 

 

 

 

 

 

 

古鷹は提督と祥鳳の盾になる形で立ちはだかる、そして提督に代わり祥鳳の応急処置に夕張が入る

古鷹はその影に向けて、オッドアイ・・左目の探照灯でその無数の人影を照らし出した!

 

 

 

 

 

 

「!!」

 

 

 

その人影を見て、古鷹はたじろぎ、提督は怒りに満ちた顔となる

 

 

 

その顔には見覚えがある!

決して忘れない、いや忘れてはいけない顔であった

 

 

古鷹を追い詰め、古鷹を玩具にして捨てたクソ野郎・・古鷹の元主であった

会館で始めてみたその顔だが、決して忘れる事の出来ない顔がそこにあった

 

 

 

 

「キーサーマーっ!!」

 

 

 

 

提督は顔を真っ赤にし、誰も見た事の無い、怒りと憎悪に満ちた形相になり、その現れた者への怒りをあらわにした!

 

そしてそのまま飛び掛ろうとする提督の周りに艤装の済んだ加古、舞風が盾になる様に割り込む

提督の前に、古鷹、加古、舞風の3枚の壁が出来る

 

 

「提督!冷静になって下さい!」

 

 

夕張が怒りに任せて突撃をかけようとした提督を、強い口調で諌めた!

「提督!今は、今は、祥鳳の方が大事です!」

怒りに満ちた感情により、提督の耳には夕張の声が届かない

 

「提督!提督!」

古鷹が必死に諌める

 

敵を照らし続ける古鷹は提督の表情が見えない・・

 

 

 

 

-以心伝心-

 

 

 

 

古鷹達にドンドン提督の感情が流れ込んできているのが伝わる

古鷹達も自分の感情が感化され、自分で自分を抑える事が苦しくなっていた

 

 

 

 

古鷹たちが作った、人の壁を押し分け前進をしようとする提督を3人で必死に引き止めていた

 

 

 

「何熱くなってんだ・・・たかが道具の1つや2つで」

古鷹の元主が口汚く侮蔑をした

 

 

提督の血が完全に沸騰した、壁を押しのけ走り出そうとした

 

 

「キサマーっ!!」

 

 

 

 

 

パシンっ!

 

 

 

 

 

提督のほほが赤く染まる・・・

 

 

 

 

「古鷹!」

 

 

古鷹の行為に、加古達が驚く・・・

 

 

 

 

古鷹が駆け出した提督の手を掴み、そして提督の頬をひっぱ叩いたのだ

 

 

 

 

「あなた!」

古鷹が提督に涙目で訴える

 

 

 

突然の事に我に戻る提督

 

 

「あなたが冷静にならなくてどうするんです・・・

 今なすべき事は、祥鳳を・・今は祥鳳を・・」

 

感情が高ぶり最後まで声が出ない

 

 

 

提督は見渡した・・・

 

 

 

倒れこんで虫の息の祥鳳の姿に・・

 

その祥鳳を抱え込み応急手当をする夕張の姿に・・

 

自分の無謀を抑えようとした加古や舞風の姿に・・

 

そして涙目で叩いてくれた古鷹の姿に・・

 

 

 

・・・我を取り戻した

 

 

 

 

 

 

提督の顔が切り替わる

 

 

「夕張!祥鳳を入渠させる!舞風と2人で祥鳳を連れて、ドッグ探せ!

 中継基地といえども、必ずドッグはある筈だ!必ず見つけ出して祥鳳を助けてくれ!」

 

 

「はい!」

舞風が前衛から抜け、夕張と共に祥鳳のサポートに入る

 

「舞風!私たちの乗ってきた飛行艇にタンカがあったわ、取って来て!」

 

「うん、わかった!」

夕張の指示で舞風が先程降りたばかりの九七式輸送飛行艇に乗り込み、タンカを探す

夕張は祥鳳の止血に全力をあげる

 

 

 

「祥鳳!お前は運の強い娘だ!必ず助ける!気力を保て祥鳳!」

提督が祥鳳の方を向き、言葉をかけ、愛おしそうに頬に手を添えた

 

その添えられた手に反応するかのように、提督・・と一言だけ口にした

 

「大丈夫だ・・心配するな、お前は死なせん」

祥鳳に微笑む提督、そしてその微笑に微笑む祥鳳

 

 

 

意識はまだある、大丈夫・・

提督はその微笑を受け取り、祥鳳を背にし、号令をかける

 

 

 

 

 

「古鷹!加古!やるぞっ!」

 

 

 

 

その掛け声と共に、3人並び立つ

言い放った提督の表情は、先程の怒りに任せた顔ではなく、冷静かつ冷徹な表情を浮かべていた

 

 

「古鷹、お前の元主と、元仲間が相手だ・・大丈夫か?」

提督は古鷹に覚悟を問うた

 

「はい、必ず撃破します!」

提督が問うまでも無く、古鷹の腹は決まっていた

古鷹の左薬指には指輪がはまっている、もう私は今までの私じゃない!

問われるまでも無く、今の仲間、幸せを守りたい、古鷹の決意は本物だった

 

 

「やるわよ加古!」

古鷹が左目の探照灯で敵を捕捉し続ける

 

「了解!」

 

加古がいっきに戦闘モードに入る

「よっしゃあ!あたしの出番だね!あいつら全員ブッ飛ばすッ!」

 

 

 

 

 

空が完全に暗闇の飲まれた・・

 

 

 

基地のあちらこちらから外灯がつき始める・・

桟橋も例外ではなく、外灯がつき始めた

 

 

薄暗いながらも敵・・少なくとも今の提督達にとっては敵が確認出来るようになった

 

「敵勢力6、戦艦1霧島、重巡2高雄に羽黒、軽巡2龍田に名取・・そして空母1・・すみませんデータが無くて判別が・・」

古鷹が自分の中のデータベースを元に敵を判別し始める

 

 

 

 

私が居たときの仲間は・・・名取だけ・・後のみんなは・・・

 

 

 

 

古鷹の脳裏に嫌な思い出が横切る

 

 

 

 

「古鷹ぁ~、今は、目の前の奴ら全員ぶっ飛ばす事だけ考えろよな!」

「分かってるって、加古こそ、大丈夫?」

 

「あぁ、あたしは沢山寝たし!やる気マンマンさぁ!夜戦だ夜戦!ブッ飛ばすッ!」

加古がやる気マンマンで不敵な笑顔も見せ始めた

 

 

 

 

「ははは・・無様だな、それで勝つつもりか・・・笑えねえなぁw」

元主は見下したように言い放つ

 

 

 

 

「いつまでもほざいてろ、その面ぶっ飛ばしてやる」

提督が不敵な笑いをし始めた

 

古鷹は少し提督が暴走をしないか心配になるが、逆に加古はその発言に嬉しくなる

 

「提督ぅ~カッコいいよ!愛してるv」

「ははん!加古オレも愛してるぜw」

 

「えぇ!」

古鷹が少し凹む・・愛してるって他の女には・・今まで他の女に使った事はない・って言ったのに

 

「古鷹、どうした?」

少しすねたような表情をする古鷹に声をかける提督・・

 

 

 

「あ」

 

 

 

すねた理由に気付いた(笑)

 

 

「ばーか、お前の事が・・嫁を1番愛してるに決まってるだろ!何凹んでんだよ」

そういうと古鷹の尻をさわり、あごをクイッと持ち上げ唇を奪う

 

 

 

「!!」

 

 

それを見せ付けられた元主のイラつく姿が提督の目に入る

口元がニヤリとして横目で元主のいがむ顔をチラ見して勝ち誇った顔をする

 

 

「ん、んんん~」

 

 

 

唇を突然奪われた古鷹の顔が真っ赤になり、恥ずかしがる

「て、ていとくぅ!ちょっと・・」

 

 

それを見てニヤニヤする加古

「ヒュ~ヒュ~、お熱いねぇ~、お2人さんw」

 

「あったり前だ!」

 

 

 

そういうと加古の尻もさわり、唇を奪おうとした矢先に加古の方から提督の唇を奪った

 

 

 

「あ!」

 

 

 

古鷹が嫉妬した顔をする

 

 

 

「えへへ~」

加古がしてやったりと言う顔をした

 

 

 

 

「か~こ~」

古鷹が加古に食いつく

 

 

 

「戦いが終わったら、ちょっと話有るからね、加古!」

「おー怖い怖いw正妻さんがお怒りだw・・・怖いからあたしは~・・」

 

 

 

 

 

「ぶっ放す!」

 

 

 

 

 

 

 

加古が戦闘の口火を切った!

 

 

 

 

 

 

砲撃した弾を、霧島が着弾予測をして、全砲門をひらき相殺する

 

「なめたマネをしやがって・・・」

古鷹とのキスを見せ付けられた元主が頭に血をのぼらせた

 

 

 

「提督、我々も反撃に出ます!」

霧島が桟橋から飛び降り、海面を滑り始める

 

それに続くように、高雄、羽黒、龍田、名取も海面に降り立ち、波をかき分け攻撃態勢に入る

 

 

 

「雲龍!提督にあれを!」

 

 

元主は、海面の脇に立つ、雲龍の手に青白い粒子が集まり、青く発光し始めた

 

畳2畳ほどの広さの円形の浮遊する土台に、フカフカした真っ赤な1人用のソファー・・

そしてそのソファーの裏側には、起動の為の機械がびっちり詰め込まれていた

 

それに乗り込むと、左に有る土台から突き出ているレバークラッチを動かし、海面に滑るようにその機体は駆け出した

 

 

この乗り物は、提督専用の乗り物であり、艦娘達の偽装する技術を技術転用され作り出されたものである

戦闘海域での指揮をとる為に開発され、普段は艦娘の誰かが所持し、必要に応じて展開される代物であった。

 

人が装備、所持出来る物ではないとされているが、

一部の人間は装備出来るとの報告がある、しかしその有無、信憑性はない

 

またこの機体はある程度の武装はされているが、あくまでも軽く身を守る程度・・気持ち程度の武装であり、

内火艇程度の物と考ええれば間違いが無いほどの代物である・・あくまでも主戦兵器ではなく、移動用の乗り物である

 

 

そんな代物を雲龍は出し一緒に海面に降り立ち追随した、

「提督、危険ですからお下がり下さい」

 

 

身辺につき従う雲龍は提督の正面に陣を取り、他の艦娘達との間に入る

所謂、壁として何かあった時のために立ちはだかる

 

 

陣形は打ち合わせ通り、5隻による複縦陣、その後ろに雲龍をはさんで、元主の提督が布陣した

 

 

 

 

「古鷹!戦果が1番の奴が、今日は提督と寝る!だからな!」

勝手に宣言し、海面に飛び降りて駆け出す

 

「ちょっと!何勝手な事言ってんの!許さないわよ!順番は、今夜は、私なんだから!」

祥鳳の容態を管理している夕張が食いつく!

 

「そうよ、順番は・・・」

祥鳳がうなされるように、声を発する

 

 

「祥鳳!」

どうやら止血がうまくいったようだ・・

少しだけど意識が戻ってきてると、夕張の険しい顔が緩む

 

 

「良かった・・でも・・ほんと貴方もバカね・・・まずは自分の事を心配しなさい・・クス」

夕張が、意識があるのを確認した、ひと安心して舞風がタンカを持ってくるのを待つ

 

 

無意識なのか、それとも意識があっての自己主張なのか・・そう思いつつも、祥鳳の意識があるのを確認できて険しい顔が緩む夕張

涙目で祥鳳がまだ生きているのを嬉しく思った・・

 

 

 

そして、そんなひと安心していた夕張や祥鳳の頭の中にも、ニヤニヤ楽しむ、提督のすごい楽しそうな感情が流れ込んできていた

 

 

 

 

「この戦いが終わったら、お前らみんな纏めて抱いてやる!」

 

 

 

 

悪乗りし始める提督は自ら青白い粒子を手から放ち、青く発光させ

畳2畳ほどの広さの円形の浮遊する例の土台を出した

 

 

 

「よっしゃ~!その言葉忘れないからね、提督!」

加古が海面で踊るように桟橋の周りを滑り出す

 

「今晩楽しみにしてます、でも私を一番に抱いて下さいね!あと祥鳳も!」

祥鳳を抱きかかえたまま、海面に降り立った提督に懇願する夕張

 

「みんな・・・私が、私が・・」

加古に遅れを取られまいと古鷹も、海面に滑り出した

 

 

「おーい!夕張タンカ有ったよぉ!」

舞風がタンカを背負い、よいしょよいしょと駆け寄ってくる

 

 

 

加古、古鷹、提督の順で単縦陣の体制を整え、やる気マンマンの提督が吼えた

 

 

「テメー!よくもうちの大事な祥鳳、ウチの女を傷物にしてくれたな!

 落とし前、きっちりつけさせて貰うぞ!」

 

 

「バーか!何が女だ、こんな奴らは道具にしか過ぎない!

 寝ぼけてるんじゃねーぞ、この乞食ヤロー!

 お前の性玩具諸共この場で沈めてやる!」

ヒャハハハハーと馬鹿みたいに笑う元主

 

 

 

 

提督の目が異様なまでの明るさを放つ・・

その目は獲物を狩る目をしていた

 

 

 

 

 

「いくぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

そして、砲撃戦が始まる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いいねえ・・こういうの

 

 

 

 

砲撃音と硝煙の立ち昇る戦いを・・2人の提督の私怨に満ちた戦いを・・

見渡せる場所から見ている者が居た

 

 

 

「ほぉ~、無能だと思っていたがやるじゃないか・・うちのぼっちゃま」

白い帽子をかぶり、右目に眼帯をしている少女が小バカにしたように言い放つ

 

 

「なんだあいつ等・・面白いなぁw」

左目に眼帯をし、刀を携える少女は元主よりも提督達の動きにワクワクし言葉に出した

 

 

「貴方達、不謹慎よ」

硝煙の匂いに心を躍らせる少女、そして本音を包み隠さない少女に釘をさす

 

 

「俺達はいつまでここに居るつもりだ?動かなくていいのか?」

ワクワクをたしなめられ、少し機嫌を損ねた少女が問うた

 

「・・その時が来たらで良いわよ」

冷徹に戦闘を見続ける

 

 

「出番が来た時に、本当の戦闘ってヤツを、教えてやればいいんだよ・・天龍」

ふふふと左目の瞳を輝かせ、サーベルの柄に両手を乗せながら戦いを見ていた

 

 

「わかったよ、木曽・・それにしてもだ、硝煙の匂いが最高だなぁオイv あぁ~早く夜戦して~!」

天龍は身体がウズウズして仕方なかった

 

 

 

「ガマンなさい・・我々の目的は違う所にあるのだから」

再びたしなめられる天龍

 

 

「へいへい・・分かってますよ」

 

腕を頭の後ろに組み、面白くなさそうにする天龍

 

「そう、腐るな・・戦いはこれからだw」

仁王立ちをして、地面に突いたサーベルの柄に両手を置く木曽

 

 

 

そして、その全てを見渡し、2人の旗艦・・

第二艦隊の旗艦の娘は、冷徹な目で事の成り行きを見続ける

 

 

 

 

 

 

さて、この圧倒的な状況どう切り抜くか・・見せてもらうわ

 

 

 

 

 

 

少し心を躍らせ、その娘は微笑んだ

その瞳は傍観者ではなく、狩りをする側の目をしていた

 

 

 

 

 

 

 

その瞳の輝きに

南洋にしては少し冷たい風が流れた気がした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく

 

 

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