「少将閣下に敬礼!」
並び立つ将校達が、提督に向けて敬意をしめした
提督の脇には甲斐甲斐しく古鷹が寄り添う
加古達はその2人の後ろに陣取り、列をなし提督の動きに合わせて歩みだす
あの人事から3週間後、無事に身体も回復をして病院を退院する事となった提督を海軍将校達が祝う
それと同時に新聞記者達の無数のフラッシュがたかれた・・
先の戦いの唯一の生き残りにして、防衛戦線の英雄にこぞって群がりシャッターを切る
人寄せパンダ・・その勇姿を国民に示す為に上層部が仕組んだ、戦意高揚のプロパガンダである
提督は複雑な顔をしてその現状の中に居た
そんな慌しい中、世話になった病院関係者に謝意をのべ、集まった将校に返礼をし用意された車に搭乗した
「どうだ・・将たる身分の重さは?」
乗り込んだ車には意地悪そうに面白がる元帥閣下が同乗していた、
・・・相変わらず、表情が怖い、仏頂面であった
「気持ち悪いものです・・自分には馴染めません」
率直に感想を述べる提督
「まぁそんなものだ・・・今に慣れる」
その答えに満足して口元がニヤつく
この演出を仕込んだのは明らかに目の前にいる人物であった
その目的は不明であったが、単純に考えても、政治利用をかねた嫌がらせ意外のなにものでも無いとは感じた
「もう少し弄んでお前の困る顔を楽しもうかと思ったが、そんな暇は無いのでな
このままお前を、お前の尊敬してやまぬ人物の所まで連れて行ってやる・・
そこで長門を受領せよ・・・すでに用意は出来ていると連絡があった」
本当に詰まらなさそうに窓の外を見、ふてくされた様に言い放つ
そして表情は相も変わらず怖いままで有った
そんな微妙な空気が支配している車が暫く走り続けた時、ふと声がかかる
「半年、待ってやる・・それまでに長門を使いこなせ」
その言葉に提督は身が引き締まる
「必ず!」
車は暫し走り続け、都内をぬけ、郊外に程近い、海軍士官学校正門に到着し、そこで車が停車した
提督は車から降り、古鷹の手をとり、仲睦まじい姿を見せ付けた
他の車からも加古や夕張たちが下車してくるのが見える
「ワシの手向けはここまでだ・・後は1人で行け」
手をヒラヒラさせ追い出すかのように提督に向ってアッチ行けと促す
車の到着と共に正門内から龍田と天龍が車の前に進み出た
「この度は有り難う御座いました・・」
提督は最敬礼で今回の一件の礼を述べた
「お前に礼を言われる故は無い・・」
不機嫌なまま顔を合わせない
その間に元帥閣下の車にどこからともなく現れた1人の娘が乗り込む・・・
他の車には天龍、龍田、そしてこれもどこから現れたか、木曽が乗り込む
龍田は乗り込む際、提督に不適な微笑を贈った
そんな中、去り際に提督に面白くなさそうに告げた
「あと、お前達の挙式・・アイツが世話をするといっていた・・
存分に甘えて、思い出に残る式を挙げて来い、それが後々、冥土の土産になるからな・・・」
そう言い放ち、車を出せと命を下す
車は士官学校から立ち去り、そして提督達がそこの残された
「提督、古鷹、いよいよだね・・」
近寄ってきた加古が声をかける
「提督」
「提督」
舞風と祥鳳も駆け寄ってきて提督に笑顔を見せる
「いよいよですね、提督・・」
そして最後に笑顔で夕張がやって来た
提督は自分の可愛い娘達を笑顔で見渡す
「さて・・まずは閣下にご挨拶をせねばな!」
「はい!」
提督は校舎の方へ振り向き、正門をくぐる
そしてそれに付き従う第壱琥珀艦隊の娘達
その顔は周りの誰が見ても、いっぱしの将たる顔をしていた・・
しかし、その顔はまだまだ甘ちゃんだったと提督自信が後に振り返るのであった
これから始まる全てが、提督達に圧し掛かる、そう幸せも不幸せも責任全てがだ・・・
提督は全てに決断を迫られるのであった
士官学校を後にした車は快適に走り続けていた・・
「閣下・・あれで良かったの?」
出発前に元帥閣下の車に乗り込んできた娘が口を開く
「ん?あぁ・・」
「ふ~ん、心にも無い事を・・」
その娘は全てを見透かしたように元帥閣下の顔をみて微笑んでいた
「すまんな・・折角一緒にさせてやる機会だったのに」
「あらあらあら・・私はいいのよ・・それより閣下の方が残念だったのではなくて?」
そういうと閣下の手に手を添えて、顔を見つめる
「本当はご子息に長門を贈るつもりだったんでしょ?」
元帥閣下は外を見たまま暫し無言を貫いた
「・・あぁ、しかし奴のものだ、そして奴がものにするだけの大儀もある」
「あらあら・・いつもの貴方らしくない、どうしたのかしらね?」
閣下はその娘と向き合い苦笑いをした
「ふっ・・色々あるのさ、陸奥」
「ふ~ん・・そうなんだ」
陸奥を見て微笑み、陸奥の髪をなでる、そんな元帥閣下に陸奥は寄り添った
「これからだ・・これからが面白くなるぞ」
元帥閣下を乗せた車は色々な思惑を乗せは知り続けるのであった
風もなく、晴天のある日いつもの様に演習海域で轟音が連日鳴り響く
ドォォォォン!
多くの水柱が上がる
「長門型の装甲は伊達ではないよ!全主砲、斉射!て――ッ!!」
「砲雷撃戦、用意!撃てぇー!」
その水柱を縫う様に、第壱琥珀艦隊の娘達が駆け抜ける
「よっしゃあ、あったれーっ!」
「ナイス判断!やるじゃない」
ドォォォォン!
「攻撃隊、発艦始めてください!」
ドォォォォン!
「どーぉ、この攻撃はっ!」
「痛っ・・よくもやったわね!! 第2次攻撃隊も随時発進してください!反撃です!」
「コラッ!お前達まだ展開が遅い!それではお前達皆、轟沈だぞ!」
「はいっ!」
提督の目の前で演習を続ける娘達にゲキを飛ばし続ける提督
先日受領した長門を含めた新しい琥珀艦隊の艦隊戦の模擬訓練をここ半月朝から晩まで繰り返していた
「古鷹・・どうだ?」
提督は傍らで演習を見ている古鷹に艦隊の出来栄えを聞いた
「そうですね・・初日よりだいぶ良くなりましたが、まだ連携が・・やはり長門さんの足が・・」
「そうか・・やはり足が遅いか・・古鷹、秘書艦としてお前にいい案はあるか?」
「いえ・・すみません・・今の所はこれといって・・」
少し申し訳なさそうな顔をする古鷹
「そんな顔をするな・・元々それを考えるのが俺の仕事だ、気にしないでくれ」
古鷹の頭に手を乗せ、頭をなでなでする提督
「・・・・」
「ん? どうした?」
「いえ、別に・・」
最近は髪の毛をくしゃくしゃくしゃ~と撫で回さないので少し物足りない気もした古鷹であった
「古鷹、今度は祥鳳と交代だ、祥鳳を呼んで来てくれ」
提督はそういうと古鷹に笑顔を見せ、お尻をぺろんと触る
「もう・・」
頬を染め、女らしい顔を見せる古鷹は祥鳳へ「交代よ!」と声をかけながら、演習海域へ向った
「祥鳳!古鷹と交代しろ!」
「はいっ!」
提督が大声を張り上げ、交代を告げる
「・・・・最近変だな、古鷹」
今までとは違う反応で少し戸惑いを見せる提督・・俺何かしたかなぁ・・
あとでちゃんと夫婦として話をしないといけないかもなぁ・・と少し不安を感じた
その後もお昼をはさんで日が暮れるまで模擬訓練を重ねた娘達はヘトヘトになっていた
「どうだ、長門・・なれたか?」
「提督、まだまだ、錬度が足りないようだ・・付いて行くのがやっとという所だな」
長い髪を掻き分け、煤だらけの顔をした長門は少し自分のふがいなさを感じ、眉をひそめた
「そうか・・しかし段々みんなとの動きに合って来てはいる、このまま頑張ってくれ」
「了解した、この長門、まだまだ新入りだが、皆に負けないさ・・期待しておいてくれ、提督」
そういうと微笑んで提督を見つめた
「あぁ、お前には期待しているよ・・まぁ今日は飯を沢山食って、風呂で疲れを癒してくれ」」
「そうだな・・食える時に食っておかねばな、有り難う提督」
提督に一礼をし、髪を揺らしながら提督の前を通り過ぎる
なにかと気を張っているだろう長門に声をかける提督は、長門の後姿を見送る
「そうとう、無理してるな・・・あいつ」
少し身体の・・足の動きがいつもと違うのを見逃さなかった提督であった
「くんれんがかんりょうしたということでごはんを…zzz」
長門を見送る提督の脇に加古がいつの間にか居た
「こら、加古しゃんとしろっ・・お前転ぶぞ」
提督が疲労困憊で眠そうな加古を気遣う
「あ、ていとく・・・おつかれさ・・・ん・・かえったらねていい・・zzz」
「こら加古、ここで寝るな・・お前もう少し頑張れ、宿舎に戻るまで頑張れ!」
加古は目が糸目になって提督に寄りかかりながら半分意識が飛んでいた・・そうとう今日は疲れたらしい
「加古、今日はご苦労さまな・・今日はご飯沢山食べて良いから、食べて早く寝ろよ」
提督は朦朧としている加古を抱きしめねぎらいの言葉をかける
「ごはんたくさん・・?ごはん沢山!ご飯!! おぉ、目が冴えてきたぁ、力がみなぎってきたよ!」
ごはんと聞いて加古がいきなり力がみなぎった
「提督っ!あたし先行ってるからねv」
「あ・・あぁ・・気をつけてな・・」
ごはん♪ごはん♪と嬉しそうに足取りも軽やかに宿舎に向かっていく加古をみて呆れる提督であった
「あいつは・・ホント」
「提督・・」
そんな呆れ顔の提督を呼ぶ声が聞こえた
「ん?どうした祥鳳?」
「今日は済みませんでした・・突出しすぎました・・あれでは敵のいい的になってしまいますね」
祥鳳は要所要所で判断ミスした自分を悔やんで、少し暗い顔をしていた
「そういう顔をするな、お前がそんな顔をすると俺は悲しい・・」
そういうと祥鳳の顔を見つめ、頬についた硝煙を優しくぬぐった
「ていとく・・」
祥鳳が頬を赤く染めた
「お前が今日のミスを反省し、明日に生かせば大丈夫だ
お前は出来る娘だ、加古達や周りの動きに釣られないように気をつけろよ
俺の空母はお前1人だ・・失うと俺は悲しい・・それだけは忘れないでくれ」
優しく微笑む提督の顔が疲れきった祥鳳の心を暖かく包み込む
祥鳳が涙目になる
「提督・・私っ、嬉しい、これからも頑張りますね・・私提督の空母ですから」
俺の空母はお前1人だといわれ、祥鳳は今日1日の疲れが消し飛んだ気分になった
そしてもっと自分は他とは違う、空母は空母らしい動きをせねばと肝に銘じたのであった
「私は、提督の空母なんだから・・」
そうつぶやき、嬉しそうに疲れた身体を引きずりながら宿舎へ向った
みんな慢心相違だな・・明日はブリーフィングを中心に行うか・・
しかし、それだと舞風と加古は必ず寝るんだけどな・・
作戦会議中爆睡していた舞風と加古の姿が浮かんで苦笑いをした
「提督、今日の晩御飯なに~・・舞風、カツレツとかがいい~」
髪の毛がボサボサで顔も身体も煤だらけで笑顔の舞風がつんのめる様にして提督に抱きついてきた
「あぁなんだろうな・・カツレツだといいな・・俺も今日は疲れたから、肉が食いたい気分だしな」
「だよね、だよねv お肉の気分だよねv 提督わかってる~v」
そういうと、抱きついた舞風はニカっと笑い嬉しそうに提督を見上げた
その舞風の頭をなでなでしてその嬉しそうな顔に応える
「それじゃ、舞風先行ってるねぇ」
「おぉ!気をつけて帰れよ!」
「うん、わかったぁ~v提督も気をつけて帰ってきてね~」
手をバタバタ振りながら駆けて行く舞風、それをあの子は本当に元気だなぁと苦笑いをして提督は手を振った
「あぁ~あ・・舞風ったら・・提督お召し物が」
そういうと先ほど舞風が抱きついた所をまじまじと見つめつまむ夕張
「うわぁっ!」
余りの汚さに驚く提督・・提督の純白の軍服が舞風の形に黒く染まっていた
「これはこれは・・・」
提督の顔が笑顔から苦笑いに変わる
「提督、帰宅したらすぐに脱いで下さいね、すぐに洗いますから・・・」
「あぁすまん・・そうしてもらえると助かる」
「落とすの大変かもしれませんけど、色々試してみてみますから・・」
「頼むよ・・」
提督は申し訳なさそうな顔をして、夕張を見つめる
夕張はえへへ、大丈夫ですよ、任せて下さいと胸を叩いた
「夕張・・今日はどうだった?色々兵装を試していたようだが・・使いこなせそうか?」
「そうですね・・2、3問題ある装備はありますが、ウチの艦隊で使えそうな物も多くありそうですよ」
「そうか・・余り無理しないでいいからな・・演習をしながらではお前の身体がもたんだろ?
兵装チェックはゆっくりやってくれ、まだ時間はある・・お前の身体が大事だ」
「大丈夫です!みんなが使う兵装は、私がきっちりチェックします!
というか、それが楽しみですので苦にはなりません!」
「でも私を気遣ってくれ、嬉しいなぁ・・v」
気遣いの言葉を貰えて嬉しそうな夕張は、提督に顔を近づけ唇を奪う
「提督、今夜は楽しみにしていますからねv」
そういうとウインクをして夕張は提督股下にそっと手を添えて微笑んだ
「お、おい・・お前疲れてないのか?今夜して大丈夫か?」
夕張の添えた手に反応する提督
「うふふ・・お気遣いなくv 私、夜は‥また別の顔なんだから、提督も知ってるでしょv
それにここの所ご無沙汰でしたから、今夜はちゃんと抱いてもらいたいんですv」
そういうと再び提督の唇を奪い微笑む
「今夜は色々試したいから、提督、ちゃんと終わった後に感想聞かせてねv」
頬を染め、ニコリと恥じらいの有る笑顔を見せた
「今夜は盛り上がって、明日も良い一日にしましょうねv」
夕張はえへへvとはにかんだ顔をさせながら駆けて行った
今夜はどんな趣向を凝らした・・・
夕張は凝り性だからなぁ、今夜加古とは違う意味で凄い事になりそうだが・・
それにしても、あいつ疲れてて大丈夫か?絶対してる最中に寝るぞ(苦笑)
そう心に思い、夕張が提督の上で力尽き、寝てしまう絵が想像出来て思わず吹いた・・
でも夕張の気持ちも分かる・・何せここの所、古鷹に順番を譲ったり、戦いがあったりと
夕張との夜がとんとご無沙汰だった・・・夕張には寂しい思いをさせてしまったなぁ・・
今夜は短期決戦になるかもしれないけど、集中して夕張の期待に応えよう・・・・と提督は少し反省をした
最後にみんなから遅れ古鷹が調子悪そうに戻って来た
「古鷹!?」
提督は古鷹に駆け寄り、調子が悪そうだが・・と心配そうに抱き支える
古鷹は少し疲れたのだろうか、けだるそうにしていた
「提督、心配しないで・・大丈夫です・・ちょっと気分が・・」
疲労が蓄積したのか、身体がふらふらになっていた、それでも笑顔を作る古鷹・・
「おまえ・・」
明らかに無理をしているのが分かる
「古鷹、ほら・・」
提督は古鷹の前にかがみ込み、おんぶの格好をした
「え?・・・だ、大丈夫です、大丈夫ですって」
手をバタバタして照れまくる古鷹・・
気持ちは嬉しいが、みんなが居る所で流石に恥ずかしいと遠慮した
「古鷹!」
「はいっ!」
突然、提督の声が響く
「お前な・・少しは公私混同して良いんだぞ」
提督は優しく古鷹に促した
「俺はお前が大事だ・・言ったろ?お前が居なくちゃ俺は生きていけないって・・
お前が辛そうな時、してあげられる事をしたいんだ・・夫として・・
もう俺たち夫婦なんだからさ・・遠慮するな・・もっと俺に甘えてくれ」
「でも・・」
古鷹は嬉しいが、流石におんぶして貰うのは気が引けた・・
いくら夫と言えども、夫は提督で・・更に言うなら帝国海軍少将様で・・
そんな夫に恥をかかせるような事は・・・そう1人悩む古鷹
もじもじしてらちが明かない
「愛をなめるな!」
提督はいきなり立ち上がり、おんぶは止めた!と古鷹を抱きかかえた
「え?え?えええ?」
赤面しながらお姫様抱っこをされる古鷹・・・異常なまでに恥ずかしくなる
慌てふためく古鷹をニコニコ見ている提督はお姫様抱っこしたまま歩き出す
「だ、だめ、だめだめ・・は、恥ずかしい」
「じゃあ、大人しくおんぶされるかい?俺の嫁さんv」
「・・・・うん」
古鷹は顔を真っ赤にして観念した
「どうだ古鷹、少しは良くなったか?」
「えぇ・・少しだけ楽になったです」
「そっか・・」
おんぶされている古鷹は提督・・夫の広い背中があったかくて幸せな気分だった
「なぁ・・古鷹・・今日はどうしたんだい?調子悪そうだったが・・」
背中越しに古鷹のぬくもりを感じながら、妻の古鷹を気遣った
「自分でも分からないんですが・・急に・・」
「そっか・・今日は戻ったらすぐに布団に入ってゆっくりやすまなきゃな・・」
「・・・うん」
「明日医者に見てもらおう・・悪い病気にでもかかっていたら大変だしな」
「・・・うん・・ありがとう」
2人はとぼとぼ歩きながら、夫婦の会話を楽しんだ
「なぁ・・古鷹・・身体の調子が戻ったらで良いんだけど、今度・・デートしないか・・・」
「え?どうしたの?急に・・」
「んん・・最近2人で過ごす時間が減ったなぁ・・と思ってさ」
「そうね・・減ったよね・・」
「だろ?」
「でも私は幸せよ」
古鷹は頬を提督の背中にあてて、心臓の鼓動を感じていた
「でも、俺はお前との時間を増やしたいと思っているんだけどなぁ・・」
「ありがと・・私嬉しい・・でも、みんなも居るし、今のままで通りでいいと思うわ、あなた」
「そうか・・残念だなぁ色々2人で経験したかったんだけどなぁ」
少し残念そうに天を仰ぐ提督
「ごめんね、私の為に気を使ってくれたのに・・
私は貴方に愛して貰えてるだけで幸せなんだから多くは望んだら罰があたっちゃうわ」
「そんな罰なんてバチンと打ち返してやるわw」
「もう・・・さむいv」
頬を染め、旦那の背中の温かさを感じながら、ウトウトし始める古鷹は幸せだった
「ねぇ・・」
「なんだい?」
古鷹は提督の匂いを感じながらささやいた・・
「赤ちゃん・・授かるかな・・」
その言葉に提督は優しく微笑み、そして優しく語り掛ける
「あぁ大丈夫、授かるさ・・俺達は相性が良いんだ、きっと授かる
授かるどころか、子だくさん家族になればいい、ジャンジャン産んで、ジャンジャン育てて
子供達と幸せに暮らせばいいさ・・・」
「・・・・」
「古鷹?」
「・・・・・」
「おーい、ふるたかや~い・・あれ?」
「おーい、俺の嫁さん・・」
提督の背中越しにすやすやと寝息が聞こえてきた
その寝息を感じ取り、1人幸せをかみ締める提督
「おやすみ・・俺の可愛い人」
そういうと1人嬉しそうにそのまま背負い歩き続ける
「俺はこんなに幸せで良いんだろうか・・・」
1人呆けながら古鷹の重さ、好きな人の重さを感じていた
「子供・・・欲しいなぁ」
ヴッ!
背中でいきなり声がした
「古鷹、どうした?」
「んんんん~~~~~!」
慌てる古鷹、降りようと懸命に暴れるが提督は訳が分からず古鷹を振り落とさない様にしっかり抱え込んだ
「どうした?おい、どうし・・・」
うげぇぇぇぇぇぇえ
「え?」
提督の背中には古鷹の・・・古鷹の・・・・広がっていた
「え?え?え~!!」
「ご、ごめんなさいあなた・・・」
悲鳴と謝罪と泣き声が、華麗にハーモニーを奏でて、空に響きあう
響きあい・・そして世界は日が暮れた
つづく
おまけ
「もう信じられない!これ捨てますからね!」
「す、すみません・・・・」
背中いっぱいに広がった、嘔吐のあとがビッシリついた軍服を鼻をつまみながらつまみ上げる夕張
そして、正座してパンツ一丁でうなだれる提督・・
その後ろに涙目で「ごめんなさい、ごめんなさい」と涙目の古鷹・・・
「もう・・・」
夕張のため息とぼやきがその夜を飾った
「わたしの夜戦はいつ始まるのよ・・とほほ」
後日、軍服が仕上がるまで提督はTシャツ、短パンで指揮をとるが
その姿はとてもとても・・・凛々しくなく、軍人あるまじき姿であった
そしてついに先日、名取を連れて、陣中見舞いに来た閣下に見つかり
1日説教を喰らったとさ・・・・(笑)
めでたしめでたしw